読了「触法少女」ヒキタクニオ
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小学四年生のとき、深津九子は母親の瑠美子に
捨てられた。九子は施設に保護され、母は幼児虐待
容疑で逮捕された。心に闇を抱えながら善寺川学園
に通う深津九子は、担任教師・三塚が寄せる
後ろ暗い気持ちを利用して彼を支配し、クラスの
男子・西野を下僕化、同級生の井村里実からは
崇められていた。ある日、瑠美子の消息を知る
チャンスが巡ってきた。運命は激しく動き出す。
予想外の展開、そして驚愕のラストが!
書下ろし長編完全犯罪ミステリー。
徳間文庫 416ページ
読了カラーイメージ 深縹(こきはなだ)
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この先はネタバレを含む場合があります。
うーん、なんとも悲しい話だった。
虐待の話はやっぱり胸が痛くなる。
それに加えて、時系列が行ったり来たりするので
めちゃめちゃ読み終わるのに時間がかかった。
なんとか読み進めて、犯人はー…なんて思ってたら
個人的には好きではない方向に…。
まぁ、読んでいたら気持ち悪いぐらいに崇拝してる
誕生日プレゼントの話もそうやって繋がるのか。
と納得。
それにしても渡辺の
「殺していい人間なんていない」の言葉は
好きじゃない。
確かに分かるんだけど、当たり前なんだけど
こういう綺麗事はやっぱり好きになれない。
親に虐待されてたら、頭では分かってても
そうは思えないよ。
その怒りが他人に向かうよりは仕方ないのかな。
と元虐待児の私は思う。
続編があるみたいなのでそれを読んでみないと
分からないけど、この作品の終わり方は
決して罪は軽くないけど、それぞれが課題を
見つけて歩いていけるんじゃないかな。
と希望が見えるような終わり方でした。