「正しい」っぽそうなことを試すセラピー
「体を使って、即興?やだ!!」
ドラマセラピーの数ある手法の中に、
Developmental Transformations (DvT) (発展的変容)というものがあります。
ある程度身体を動かせる物が何もない部屋で、即興で動くというもの。
子どもの時に勝手にやっていたごっこ遊びのようなものです。
セラピーの場、教育やパフォーマンスの場でも取り入れられるもので、
子どもから大人までできるものです。
以前日本で少し体験させてもらったことがあるけれど、いまいちどんなものかしっくりきていなかったのです。
そもそも、「はってんてきへんよう」
という日本語訳がすっと入ってこなかったですし、
即興すること、体を使って人前で動くことにあまり馴染みがない日本では、抵抗がある人が多いのでは?と思ったのです。
え、やだ・・・私は遠慮しとくわ〜という人が多そう。
↑ ニューヨーク大学にて実施された、中年女性向けのグループDvTの様子。こんな感じではじまります。
なんだか、、たぶん、、正しそうなこと
私自身は表現することや即興は好きなほうです。何が起きるかわからないわくわく感がいいな〜と思うこと、そして、即興で頭で考えずに動くと一人一人の持っている想像力や個性が出てきて、会話だけでは見えてこないその人を知ることができるところがいいんです。自分の以外な一面を知ることができたりもして、おもしろいと思うのです。
でも、即興は無理、嫌!という人もいるはず。自分や相手がどのような動きをするか事前に分からない、何が起きるか分からないことというのは恐怖です。
あれ、でもよく考えたらこの世界って、ほとんどのことが予測不可能、何が起きるかわからない世界だった、そしたら恐怖ばかりが待っているの?そんなことある〜?!と思ったのです。
もしかしたら、その恐怖は失敗したくない、恥ずかしい思いをしたくない、などもあるのかも。
このDevelopmental Transformations (DvT) (発展的変容)(ディーヴィティーと発音する)はそんな何が起きるか分からない状況でいろいろ試してみるものです。
DvT、「正しい」という概念がなく、「正しい」っぽそうなことを試すという発想があります。
DvTを生み出したDavid R Johnson がこんなことを言っていて。
”you won't be able to do everything 'right', just try to do the next right-ish thing and go from there” (Johnson, 2013, p. 8)
正しいことばっかりして生きていくなんて無理なのだから、正しそうなことを選び、そこから次に向かえばよいといった、この考え方がいいなあと思ったのです。
私は以前このDvTの集中クラスを受けました。
私の即興スタイルを見たクラスメイトが気付いたこと、私が気付いたことなどいろいろ更新していきます。
参照:Johnson, D. R. (2013). Developmental Transformations: Text for practitioners, number two. New Haven, CT: Institutes for the Arts in Psychotherapy.