パンに降り注ぐもの
【Esprit/エスプリ】
1,精神、精髄
【精髄】
1,物事の一番すぐれた大切なところ
移転をするにあたり、どうしても欲しいものがいくつかあり
それらを求めている理由には、僕の中ではすごく一貫性があるのですが
その理由を説明するのにぴったりな日本語がどうしても見つからないなぁと
自分の語彙の乏しさは、ポーンと棚に上げてしまっておるわけですが(笑)
そこには、Esprit/エスプリという言葉が、すごくしっくりきます
レシピや製法であったり、パンのメニューであったり、素材であったり、
人によってはインパクトみたいなものかもしれないし
誰に届けたいのか、そんなパンが焼けた向こう側の景色を思う人もいたり
パンを焼くうえで、大切なことって色々ありますし
どれを重要視するのかは、焼き手それぞれ違うと思うのですが
僕の中にも、重きを置いているものというか、
パンを焼く上での精神的な軸みたいなものがあって
それを表す言葉が、エスプリだと、感じています
でもそれって、僕が作り上げたものではなくて
先人からのバトン、なんです
だから、自分のパン焼きに使う道具にも、それを踏襲したくて
それが今の僕にとっては、
パンを焼く薪窯であったり、
生地を寝かせるバヌトンやクーシュであったりする、わけです
そこに今回ご縁を頂いて、僕らのチームに加わってくれたのが
フランスのブーランジェリーで使われていた、アンティークのベーカリーラック
ずっとずっとあこがれて、パリのパン屋さんの写真を眺めてはため息をつき(笑)
欲しくて欲しくて、海外にまで触手を伸ばして探しておりましたが
実はちょー地元のアンティークの雑貨屋さんにあったというオチ(笑)
このラック、普通のサイズよりかなり横幅が小さい、特殊なタイプなんですが
このサイズに合わせて、キッチンにスペースを設けたわけじゃなくて
ここしか確保できなかった、その唯一の場所に、1センチの狂いもなく収まったという、これまたチョー奇跡!!
これはもうご縁としか言いようがありません
おいおい、そんなんで、いいパン焼けるの?大丈夫??
いい歳して形から入ってるなぁと、笑われるとは思うのですが苦笑
実は、パンに限らず、形から入るってすごく大事だと思っていて
とことん憧れて、近づこうと真似をすることで、本質の理解って叶うように思ってます
くたびれたクーシュに、バゲットの生地が所狭しと並ぶ様子や
粉まみれのバヌトンが、まるで赤ちゃんが眠るゆりかごにように見えたり
そんな風景に思いをはせながら、
今僕らはこの先人からのバトンを眺めています
僕の焼くレシピなんて、なんの変哲も秘密もないです
そこに何か言葉にできない美味しさを纏えるものがあるとしたら
その正体こそ、パンに降り注がれたエスプリだと、僕は確信してます
ああああああああ!
早くパンが焼きたい!(笑)
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