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成功できないかもしれないが、告白できる、そんなやつらの世界になる

「人は生きる意味を探しているのだと言うが、私はそうでないと思う」
「生きる意味を探しているのではなく、生きていることを感じたいのだ」
 ("The power of myth"より)

・・・なら、あなたが生きていると感じるのはいつだ?

西田幾多郎の語った哲学に「直接経験」というものがある。歴史上多くの哲学者がその説明を試みているが、私は「告白」と同義だと思う。

逆に「間接経験」では、さまざまな情報を集め、彼女の好みを把握する。そして想像上で行う告白も含めたすべてが間接経験だ。経営に例えればデータ分析とかマーケティングである。

「直接経験」は、会ってデートに誘う、直接ラブレターを渡す。そちらであり勿論リスクがある。経営においても実践がそれである。

私の学習塾にはなぜかモテる男子が多い。起業した一年目のことだった。とりわけ忘れられないエピソードを話してもらったことがある。

中学3年で彼女がいた生徒がいて、僕はこう尋ねた。

「Hさんと、どうやって付き合ったんだよ?」

彼ははっきりこう答えた。

「放課後の教室に呼び出して、言ったんだ」
「『もう分かっているかもしれませんが、あなたが好きです』」
「『どうか、僕と付き合ってください』」
「ってな」

彼の弟からはこう聞いた。

「Hさんは『はい、お願いします』って言ってくれたんだ」
「その日からお兄ちゃんとHさんは一緒に帰るようになった」

彼はある程度のイケメンだったが、割合とドジですっとんきょうな話をする生徒だった。しかしこの話以来、僕の中でかっこいい男と言えば彼のことになった。

『無茶しないんなら、そいつの魂は腐ってるんだ』
("If you don’t take risks, you’ll have a wasted soul".)

チャーリーズ・エンジェルの一人、ドリュー・バリモアに告白をする実録映画。そのタイトルが実はこの言葉だと、石山輝久先輩に教えてもらった。

次世代を担う起業理論、エフェクチュエーションでは新しい世界はパイを奪い合う世界ではなく、パイを作り出す世界になるという。

はじめてやることだらけの世界だから、成功だけ求めていては生きてゆけない。

経営戦略にしろマーケティングにしろ、これまで求められていたのはデータを収集して分析すること。すなわち間接経験だけだった。できるだけ失敗をしないことが求められた。

これが180度変わるのだ。間接経験の世界から、直接経験の世界へと。

「成功するか失敗するかは分からないが、告白できる」

そんなやつらの世界になる。成功と失敗を超えた次元で生きる奴らの世界に。

しかしこの危険な世界をどう生きればいいのか。

小3でファーストキスを済ませた男子が、次世代を生き抜くヒントをくれた。まだ彼は小5だけれど、ホラー映画が好きだと話してくれた時のこと。

「怖い動画を見ると本当に怖いんだ」
「その夜、お風呂とかトイレに一人で行くのが怖くなっちゃう」

「じゃ、なんで見るんだ?」
「怖いなら見なけりゃいいんじゃないの?」

「一人で見たら怖いよ」
「でもみんなで見るじゃん」
「したら、面白くなるんだよ」
「みんなでキャーッってなる」
「そのドキドキがたまらないんだ」

起業家はリスクを冒す奴らだと言われるけれど、おそらくは彼の話の通り、単にリスクを冒す訳ではなくって、みんなで味わうスリルが好きなんだろう。一人でやれば単なるホラー。皆でやれば最上の娯楽。

実際、起業家は一人ではなく、コミュニティの中で皆と話をしながら事業を進める。そうでなければ生きてゆけないと言っていいほどに。

「人は生きる意味を探しているのではなく、生きていることを感じたいのだ」

・・・あなたが生きていると感じるのはいつだ?

皆でリスクをかけている時だろう。

・怪談話
・スポーツの試合
・仲間内だけの悪巧み

なぜ学問は、音楽やスポーツのようなものになれないのか。僕はこの頃、そんなことをずっと考えていた。

既存の学問が間接経験ばかりだからだ。しかし直接経験は告白と同じ。みんなでキャーキャーとエキサイティングでいける。

これからは直接経験の時代になる。一人勝ちを目指した時代が終わり、仲間で悪事をたくらむ時代へ変わる。

大告白時代。その門が、今開きつつある。

お読みいただきまして誠にありがとうございましたm(_ _)m
めっちゃ嬉しいです❣️

下のリンクは12月17日発売の新刊、『人は幽霊を信じられるか、信じられないかで決まる』の紹介記事です。是非ぜひお読みくださいませm(_ _)m

2021年10月8日、新刊『逆転人生』を4名の素晴らしい方々と一緒に上梓いたしました。

内容を5名分、下のリンクより少しづつ公開させていただきます。
是非お読みくださいませ(^○^)

下の書籍が処女作です。

歴史上、だれも端的に述べられなかったフッサールの現象学が持つ本当の意味や、とても高名な方々が半分も理解していないヘーゲルの精神現象学などを、14歳にも分かるよう解説させていただきました。

是非ご覧くださいませm(_ _)m

書籍の紹介動画です。

お読みいただきまして、心より感謝いたしますm(_ _)m

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Hayato  Matsui『逆転人生』共著者
サポートありがとうございます!とっても嬉しいです(^▽^)/