あなたはヒーラータイプだろうか、それとも戦士タイプだろうか。『シャーマンズ・ボティ』第二章

サクサクさんがしてくれている哲学者ミンデルの無料読書会。今日の読書会で僕は『シャーマンズ・ボディ』の第二章を発表することになっている。その読書メモを公開させていただきます。

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どんな人にもシャーマンとしての資質が奥底に眠っている。そのタイプは2つに分けられていて、ヒーラータイプの人と、戦士タイプの人がいるのだ。

ヒーラータイプのシャーマンは映画などでよく見られ、その力で他者を癒してくれる。戦士タイプのシャーマンは冒険者とか探求者のような人。自己を探究するスキルを発展させる人であるところはヒーラータイプと変わりがないが、戦士タイプはそれを他者にも求める。その分、道のりは険しく、自己の内においても外部社会においても、戦いの連続となる。

この本で紹介するプロセスワークというものは、戦士タイプのシャーマンへ通ずる道である。

著者ミンデルはこんな言葉を語っている。

Death is the greatest adviser.
「死は、なによりも偉大な助言者である」

ゆえに本書では、死に対するイメージ、死に近い「夢」というもの、そして夢を見た時の体の感覚に注意を向けるワークを紹介する。

「あなたの墓標にはどんな言葉を刻みたいですか?」

経営学の神様、ドラッカーはそう語ったけれど、死を振り返ると自分の天命に通ずることがある。故にミンデルは死、または病をも重要視するのだ。

カール・ロジャーズの弟子、ジェンドリンはフォーカシングという肉体の感覚に注意を向けるカウンセリング手法を用いる。ジェンドリンが看た患者のうち、精神の病から回復する人はすべて、「お腹のあたりがチクチクする」「胸が締め付けられる感じがする」など、体の感覚をもってカウンセリングに臨んでいたからだ。

哲学者メルロー・ポンティは、「肉体というものは感情よりも先に反応するものだ」と語ったけれど、体の感覚に注意を向けることで、自分の気持ちと向き合うことができる。ミンデルの手法にもまた、こうした裏付けがある。

ここではドリーミングボディという技術の習得を旨とするけれど、知らない人がそれを見れば、ドラックをやっているようにすら見えるかもしれない。ただ、自分の内にそれを見るならば、なにか重要なものとつながり、全人的な何かを得、時間と空間の制約からも自由になれるのである。

ちなみにドリーミングボディとはシャーマンが持つ肉体のことである。


夢とは何か


夢というものは、凄まじい旅の途中で撮りためたフォトアルバム、もしくは川を一部写したアルバムに似ている。

シャーマンの経験、もしくは仏道とかタオ、道というものは、川そのものに例えられる。夢は川全体の記憶を思い出すための写真アルバムなのだ。

通常、人というものは体に不調が起こっても、喉が痛いとか風邪を引いたとか感じるだけで、それ以上だとは思わない。

既存の知識はそうした不調を征服することにあてられてきた。病気を退治する、腫瘍を取り除くといった具合に。命令する力を強化すること、いわばエゴを強化することが既存の知識に与えられた役割だったわけだ。

シャーマンの知識というものはそうしたものではない。命令する力を強化するのではなく、認識する力を強化することにあてられる。自らの状態がどうなのか、他者の気持ちはどうか、私の本当の性質はどうなのか、そして、自分や他者の天命はどういうものだろうか、と。

さらに言ってしまうと、ミンデルは認識を2つに分けている。通常認識できるものと、瑣末だとして捨てられるものを敢えて認識する認識とに。シャーマンとなる修行に必要となるものは後者であるようだ。

今日の読書会でアイミーさんが言ってくれた。

「川辺を歩いてみたんです。いつも通りではなくて、歩いてみたいように歩いてみました。バンザイをしてみたくなったら、バンザイをしてみるとか。時間とか仕事を気にせずに、行きたい方に行ってみるとか」

「なにか、子供の時に戻れた気がしました」

時間や仕事や常識のような「大事なもの」に汚染されていない子供の時のような感覚。禅でいう「初心」。それを取り戻すためには、瑣末であるけれど気になるものに注意を払うことで、自分独自の価値を再発見すればよいという。

夢や身体感覚なども瑣末だとして捨てられてきたものだけれど、まさにシオランが言ったように「神は細部に宿る」のだ。野生であるとか天命であるとかタオであるとか道であるとか、そうしたものの力を借りるには、「大事なもの」に汚染されていない瑣末に注意を払い、本来の自分に帰還する必要がある。

人というものは自分の家の近くにいたいと思う。風雨や悪天候を避けたいからだ。ただ、そんなものは大自然とか野生だとかと言えるようなものではない。

夢を探求すること、体の感覚を探ることは、家を離れ大自然へ冒険に繰り出すことと似ている。それ故に偉大な何かと一体となれるのだ。


肝心のワークの方はサクサクさんの読書会でぜひどうぞ!

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お読みくださいまして、誠にありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです😃

起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

下のリンクの書籍出させていただきました。
ご感想いただけましたら、この上ない幸いです😃

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