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僕らは螺旋を上るように歳を重ね、ふとその下の螺旋を覗くのだ。

「僕らは螺旋を上るように歳を重ね、ふとその下の螺旋を覗くのだ」

遥奈さんの『深海ラジオ』。2020年7月18日(土曜日)放送の回で、彼女はそんな言葉を呟いた。大学の大先輩との飲み会の後だったから、意識は幾分か朦朧としているまま。それでもそんな靄(もや)を切り裂く詩人の言葉は、僕の意識をたびたび正気へと引き戻すのだった。

『僕は本気だった』

ラジオでかかった彼女の曲の名前である。苦悩というものは堂々めぐりのように時空を超え、何度も何度も僕を悩ませてしまう。そんなように感じられてしまうのだと、番組に送られてきた繊細な、あまりに繊細なメッセージには綴られていた。

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「私は私と出会い、瞬間々々、それでも別れを繰り返します」

彼女はそうコメントした。

「感情が生まれるたびに、私たちは生まれ変わっている。感情が生まれることこそがその証であって、もし全く同じ自分でしかいられないのだとしたら、感情はそのうち完全に停止してしまう」

と。

ならばもし、私が私と別れることができず、死ぬこともできなかったとしたらどうだろうか。

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螺旋階段の下で腐り果て、うじ虫をはびこらせながら悪臭を放ち、、それでも地上の私が、亡くなった私自身のことを忘れられずこちらに呼び寄せようとするのなら。

神話にあるではないか。イザナミを追って黄泉の国に赴いたイザナギは、醜い姿を見られたかつての妻イザナミに呪いをかけられる。

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「これからは、あなたの国の人を、一日に千人ずつ殺します」
「それならば、地上では一日に千五百人ずつ子供が生まれるようにするよ」

イザナギは答えました。

こうして二人は別れ、地上の世界と黄泉の国とは、永久に行き来できない石のとびらでふさがれました。しかしそれからというもの、亡くなる人よりも生まれる人の方が多くなり、地上の人は次第に増えるようになったのです。

【参考】
https://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo/historystation/legend2/html/010/st14.html

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我らは自分自身に呪われるがゆえに、新たな世界を創造してゆけるのだ。

ならば見たくはないだろうか、さらに多くの呪いというものを。

見るなと言われたものを見、
言うなと言われたことを言い、
聞くなと言われたことを聞けば良い。

神話の時代より我らはそう生きることを宿命づけられているではないか。

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プロメテウスは神の世界から火を盗み、人類に文明をもたらした。もちろん神からは激怒されることになるのではあるが。

浪人、馬鹿、変人。

我らは自身の純度を上げることにより、真っ当な馬鹿になれる。旧世界の怪物から恨まれ疎まれようが、新世界さえ作り上げてしまえば我らこそが官軍なのだ。気にすることはない。

Stay foolish

無感情な退屈野郎に用はない。
感情を殺して生き長らえるより、神を激怒させる歴史の主役であれ。

安全地帯に収まるのではなく、泥沼に根を張り異世界とさえつながる蓮の花を咲かせるのだ。

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めっちゃ嬉しいです😃

起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

下のリンクの新刊出させていただきました。
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