【医療向け】コミュ障でも説明力が身につく●●ー●●●テクニック
皆さんどうもこんにちは。
北海道・若手治療家コミュニティの
花田隼人です。
今回は診察の際に使える
「説明が伝わりやすくなる話し方」を
お伝えします。
コミュニケーションが苦手な方が
明日から簡単に使えるテクニックを
ご紹介いたします。
例えばこんなお悩みはありませんか?
今回お伝えする内容は
これらの問題を解決するために
僕が実際に工夫した
話し方のポイントです。
ぜひ活用して
良い説明をしてあげてくださいね!
注意の引きつけ方
説明がちゃんと聞いてもらえて、
なおかつ伝わるようになりたい。
そこでまず大事なのは、
「聞いてもらう」ということ。
クライエントがあなたの言葉を
しっかりと集中して自分事として
受け止めようとして聞くこと。
これがものすごく重要であり、
そうした状況を
あなたは作る必要があります。
だからこそ、
「注意を引きつける」テクニックを
あなたの説明に際して
ぜひとも使ってほしいんですね。
この記事では、
花田が普段使っている
「注意の引き方」をご紹介いたします。
それでは、まいりましょう。
「●●ー●●●テクニック」
●に入るのは「フレーミング」です。
「フレーミングテクニック」といいます。
フレームとは、
(↓全部読まなくていいです)
…とまあ、
多様な使われ方をするのですが、
今回のフレームとはここ、
話や物事の「枠組み」「大枠」。
この意味での「フレーム」です。
まずは、
難しい話より先に以下の2つの説明を
読んでみてください。
症状について話をして、
椎間板ヘルニアを伝える時のことです。
※説明内容が正しいかどうかは
一旦見逃してください。
・
・
・
説明Aパターン
説明Bパターン
どちらの方が分かりやすい?
この2つの説明パターンでは
どちらが分かりやすいでしょうか?
当然、
説明Bパターン
と感じたはずです。
ここまではよろしいですよね?
ではなぜ?
説明Aパターンに何を加えた結果
分かりやすくなったのでしょうか?
話の区切りが見えたはず
きっと皆さんは読んでいて
以下のような区切りを
感じたのではないでしょうか?
そして増えた文を抜き出してみると、
まず診断についてお伝えします。
控えてほしい動きについては、
治療の内容についてお話ししますと、
どのくらいかかるか?についてですが、
以上になります。
お気づきかと思いますが、
「これから何について話すか」を
話の導入部分に加えています。
この工夫、
聞き手の立場に立った時に
実はものすごく話が聞きやすくなります。
校長先生の話はなぜ聞きにくいか
入学式や卒業式の校長先生の話って
皆さんも覚えがあるかと思いますが、
聞いていて眠くなる、
話が長いものですよね?
しかしあの話を
プレゼンの実力者がやれば
絶対に面白くなりますよね?
同じ内容をスティーブ・ジョブズが
プレゼンしたらどうでしょう?
同じ話を中田敦彦がやったらどうでしょう?
人前に出てプレゼンする彼らの話し方と
校長先生の大きな差、
それは
「聞き手の注意を引きつける」工夫の数が
圧倒的に違うからです。
長い話、詳しい説明を聞く時、
聞き手の集中力はスタートが高く、
後半になるにつれて集中力が下がります。
スタートから
「どこを聞き逃してはいけないか?」
「どこが大事なポイントか?」を
探しながら聞いています。
▼
話の要旨を探しながら聞く
というのはとても疲れることなんです。
▲
ですから、
「ここが話の要点ですよ!」と
ガイドしてあげることが、
集中力を引き上げるポイントになります。
よく授業中に
「ここテストに出すから
よく聞いておいてね!」
と先生が言った瞬間
眠気が吹き飛んだ経験はございませんか?
誰だって長い話の中から
大事なところを探しつづけるのは、
とても骨の折れることです。
これが、
「説明した後の反応の鈍さ」や
「伝えたけれど伝わっていない」といった
問題の原因の一つになり得るわけです。
身構えてもらう
聞き手に対して
「これから何について話すか?」を
先に示してあげることにより、
これから話される内容が
聞き手の中である程度推測でき、
その要旨を聞き逃さないようにと
聞く体勢を作らせることができます。
つまりは、
「聞こうとしてくれる」わけです。
相手の集中力が低いまま話してしまい、
右耳から左耳に聞き流されてしまう
リスクを減らすことができます。
話を聞く心の準備をしてもらう、
身構えてもらう、というわけです。
本当に聞いてほしいことは
不意打ちをしない。
大切じゃない話と
同じテンションに混ぜない。
抑揚のない話し方の中に
大事な話を隠さない。
これが大切です。
関心と重要度が高い結論から
スタートの集中力が高いのですから、
その最も集中力が高いタイミングで
一番伝わってほしい内容を
話すのが効率的です。
例えばクライエントが
治療が長期に渡るのかどうかを
心配しているのだとすれば、
先に例示したような
「疾患名」→「内容」といった
カタログ的な説明順に拘らず、
「まず、すぐ治るのかどうか
についてからお話ししますと…」
と切り出して注意を引きつけ、
相手が気にしている結論から
先に伝えるよう順序を工夫します、
すでに興味を引いている状態から
「疾患名」と「より詳しい内容」に
話を移れるので、
説明が比較的聞き入れられやすくなります。
また同様に、
診察を踏まえて我々医療者側が
「一番しっかりと伝えたい!」
という内容がきっと出てくると思います。
・絶対安静
・指導管理
・痛みや経過に対する認識
などなど
ケースによって異なると思いますが、
それを伝える際も
「注意を引く一言」
「冒頭に話を持ってくる」が
効果的になります。
「まず、スポーツが出来るどうかですが…、2週間は部活動を休んで下さい」
といった具合で
注意を引いてから、
伝えたいことを伝えると効果的です。
治療効果の説明で大事なこと
診察後には
治療プランを説明すると思います。
しかし
施術後に変化が必ずあるとも限りません。
長期的に続けていって
本当に治るのかも分かりません。
そういったことを気にすると
断言はとても難しくなります。
しかし、
何ら期待のもてる説明がないのも
クライエントにとっては苦痛なものです。
そこはご理解いただけるかと思います。
「治るかどうかは分からない」
というスタンスにはクライエントが
ストレスを感じますし、
「こうすれば良くなります!」
というスタンスには治療家側が
「その通りにならなかったらどうしよう」と
ストレスを感じるはずです。
どちらも1度は
ご経験があるかと思います。
このバランスをどうやって取るか?
そこでオススメなのは、
次の一言を
症状の原因や治療計画の説明前に
伝えておくことです。
その一言とは、
これを説明前に挟むだけで、
治療家側が背負い込む
「説明責任」「有言実行責任」を
軽減することができます。
加えてクライエントは
「仮説=外れることもあるもの」
という認識の上で話を聞こうとするので、
説明と異なる何かが起こったとしても
拒否反応が強まりにくくなります。
何より「仮説です」と示してしまうことで
治療家側のマインドブロックが解け、
自信をもって説明する姿を
クライエントに見せられることこそが、
「プロとして信用を得る振る舞い」のために
非常に重要であります。
ナヨナヨと
「良くなるかも?」「良くならないかも?」
「説明と違う理由で痛くなってるかも?」
という不確実な態度で説明するよりは、
仮説であることをはっきり示すことで
自信をもって説明できる状況を
作ってみてはいかがでしょうか?
話のテイストを初めに示す方法
「良い知らせと悪い知らせ、
どっちを先に聞きたい?」
というセリフを聞いたことがある方も
いらっしゃいますよね?
このセリフも
「これから話すこと」を示すことで
人の注意を引く手法の例です。
「厳しいことを言わせてもらうけど…」と
苦言を呈する前に置かれるような枕詞も、
注意を引く例です。
その後に続く注意や叱責を予感させ、
この一言だけで話のテイストが
相手に伝わります。
このような
「話のテイストと方向性」のフレームだけを
先に明示する話法は
説明が苦手な方に非常にオススメです。
ここに「フレーミング」の
本来の意味があります。
グラフと枠でイメージする
先に述べたような
「話のテイストをフレームする」ことは
つまりどういうことかというと、
グラフでご説明させていただくのが
最も伝わりやすいかと思います。
例えば以下のような軸を持つ
グラフエリアがあるとします。
●重要か、重要ではないか
●ポジティブか、ネガティブか
このような軸をもとに
グラフがあることを思い浮かべてください。
では、
あなたは今、打撲で激痛のクライエントを
目の前にしているとします。
既に骨折は否定されている状態だとして、
以下の2つを伝えるとします。
●骨折ではないので安心してOK
●打撲といえば軽傷に聞こえるが、皮下組織などが挫滅するのは事実なのでしばらく痛いだろう
さて、
先ほどのグラフのどの辺りに
配置されますでしょうか?
おおよそ違いがあれど、
きっとこうではないでしょうか?
このような位置に
ポジションを取りますよね?
では、
打撲の時に患者が最も気にする
「骨折か否か」
我々が伝えるべき
「打撲だからといって軽傷ではない」
これを伝える時に
「話のテイストをフレームする」
この工夫をしてみてはいかがでしょうか?
このように
話の内容を話す前に、
後に続く話のテイストを示して
あらかじめ大枠どんな話なのかを
ガイドしておく工夫がオススメです。
この場合、
と話し始めるのを聞けば、
「喜んで良い話なんだな」と
内容を推測して聞くことができます。
というセリフを聞けば、
後にネガティブな話がくるので
聞き損なうことによる不利益が生じないよう、
聞き手は耳を傾けようとします。
これも聞き手の注意をひきつける
話の切り出し方のテクニックです。
このガイドがなければ、
次にどんな話がくるのか分かりません。
故にあらゆる方向性の話に
アンテナを張らなければならず、
「聞きながら話の枠組みを判断する」という
2タスク同時処理を
しなければならなくなります。
これでは肝心の
「内容を心で受け止める」ことに
集中できません。
野球でいえば、
「内角低めに来る」と分かっていれば
そこを打つイメージを作って待つことで
打ち返しやすくなりますよね?
これから話す内容を
ガイドする言葉がないということは、
どこのコースか推測できないまま
投球を待つということです。
これでは低めも高めも、内角も外角も、
全てのコースに対応するつもりで
バットを構える必要があります。
当然、
投げられたボールに対して
「どのコースに来るか?」の判断には
狙ったコースを絞っているよりも
脳内でコンマ何秒か要することになります。
私がここで話しているのは、
会話中にこの“無駄な一手間”を
クライエント側に強いないようにしよう
ということです。
説明が分かりにくい人は
説明の中身(知識・表現)は
磨こうと努力しますが、
ここまで述べてきたような
「相手が耳を傾ける工夫」
に欠けているケースが多いものです。
あなたは普段
この工夫ができていますか?
まとめ
■聞き手の注意をひきつけろ!■
「フレーミングテクニック」を使え!
これから話すことの内容を示そう
聞き手の注意をひく工夫をしよう
大事な話は「不意打ちしない」
大事な話は他の話の中に「混ぜない」
大事な話は抑揚のない中に「隠さない」
関心と重要度が高い結論から言おう
良い話か悪い話か?話のテイストを初めにクライエントに示そう
グラフと枠でイメージしよう・させよう
以上です。
これだけで、
あなたの説明に「プレゼン味」が増して
聞いていて面白いものになります。
まずはこの記事を読み終えたあと
すぐに誰かとの会話で使うところから
始めてみましょう。
それでは!
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