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【柔整国試】急増する「梅毒」徹底対策レジュメ

皆さんこんにちは!
柔整国試模試をnoteで公開しています
花田隼人(@hokkaido_wakate)です。

今回は、
昨今急増しており
時事的にも出題意義が高い、

「梅毒」

について
柔道整復師国家試験対策として
必要な内容をまとめたいと思います。

ぜひ最後までお読みください!



◇一般臨床医学ではこう聞かれる!


梅毒スピロヘータによる感染症。
 ※スピロヘータはらせん状の細菌群のこと
 ※トレポネーマは梅毒菌そのものの呼称

●主に性行為を介して感染。
●母親から乳児へ垂直感染することもある。

●第1期
・感染後10日〜3ヶ月
 陰部に無痛性の硬結
 潰瘍(=硬性下疳こうせいげかん)
 無治療で自然消退する

●第2期
・感染後3ヶ月以降
 バラ疹淡い紅斑手掌足底など広範に出る)
 ※肝疾患でみられる「手掌紅斑」は別もの
 扁平コンジローマ集簇性の丘疹が会陰に好発
 ※集簇性=小範囲に集まること
 ※丘疹=直径1cm以下の皮膚隆起

 →第2期のあとは無症候潜伏期に移行

●第3期 「晩期梅毒
・感染後3年以降〜
 潜伏期のうち約1割が移行する
 ゴム種肉芽腫性病変が臓器に発生
  ⭐︎心血管系梅毒…動脈炎大動脈瘤
  ⭐︎神経梅毒…中枢神経系の各種症状

診断→血清反応
   ガラス板法
   TPHA法
   IgM抗体

治療→ペニシリンG


■脊髄癆
・深部感覚検査異常
 ✔︎位置覚
  →脊髄後索の障害(脊髄癆)で異常となる
 ✔︎振動覚
  →脊髄後索の障害(脊髄癆)で異常となる
 ✔︎深部痛覚…筋肉・腱板・睾丸の圧迫痛
       脊髄癆では鈍くなる



◇病理学ではこう聞かれる!


●炎症形態分類
・滲出性炎…滲出液や滲出細胞が主体
・増殖性炎…結合組織の増殖が慢性に生じる
特異性炎…結節形成された肉芽腫が発生する
 └結核・梅毒・ハンセン病・サルコイドーシス

●梅毒トリポネーマによる
 慢性特異炎症性疾患
・生物学的外因
 └病原微生物
   └スピロヘータに分類される

●梅毒で形成された肉芽腫性の結節は
 中心部に壊死巣
 それを取り囲む類上皮細胞・巨細胞
 最外層に形質細胞が存在する。

結節の周囲は線維形成により硬化し
 「ゴム腫(※gumma ほかグンマ・ガマなど)」
    と呼ばれる。

●第1期
・感染後3週間
 初期硬結
 硬性下疳
 リンパ節炎(無痛性横痃)

●第2期
・感染後3ヶ月〜3年
 梅毒疹
 リンパ節腫大

●第3期  
・感染後3年以上
 梅毒疹
 ゴム種...全身の臓器に発生する

 ※日本では年間100人程度罹患するが
  ゴム種に発展する例は少ない


●脊髄癆
・全身性神経筋疾患のひとつ
神経梅毒の代表
・梅毒感染後10年〜25年で発症

腰髄や仙髄の後根と後索に病変を起こす
進行性運動失調症を呈する 




◇公衆衛生学ではこう聞かれる!


スピロヘータ感染症
・スピロヘータは
 細菌と原虫の中間に位置する生物。
 ✔︎梅毒
 ✔︎黄疸出血性レプトスピラ症(ワイル病)
   └ネズミの尿汚染との接触感染
 ✔︎鼠咬病
 ✔︎回帰熱

●梅毒
・梅毒の潜伏期間は最大で70日程度
・多くは接触感染
・5類感染症(感染発生状況の収集と分析を行う)
・消毒薬の適応は「一般細菌」に属し
 特異な性質はない




◇外科学ではこう聞かれる!


●梅毒トレポネーマによる慢性全身性疾患。
 ※スピロヘータはらせん状の細菌群のこと
 ※トレポネーマは梅毒菌そのものの呼称

梅毒性大動脈瘤が外科的には問題となる。

●先天梅毒と後天梅毒がある。
●後天梅毒は血液検査で発見される
 「不顕性感染(無症候性梅毒)」である。

●後天梅毒は3つの病気に分けられる。
・第1期
 初期硬結…感染3週後に硬結が発生する
 硬性下疳(げかん)…梅毒感染部がただれる
 無痛性横痃(おうげん)…リンパ節の無痛腫脹

・第2期
 感染後3カ月から3年
 バラ疹…皮膚に赤い発疹が表れる(皮疹)
 全身症状
…倦怠感・リンパ節腫脹・発熱・関節痛

・第3期
 感染後3年~10年
 感染が波及した臓器に応じて症状が発生する
 梅毒性大動脈瘤…感染が大動脈に波及したもの

治療は主にペニシリン系抗生物質を投与する。




◇整形外科学ではこう聞かれる!


脊髄癆(せきずいろう)
・全身性神経筋疾患
梅毒スピロヘータの感染後10年〜15年で発生

知覚障害脊髄後根
 →腱反射消失
深部知覚・位置覚障害後索
 →ロンベルグ徴候(閉眼で立てない)

・電撃性神経痛
・痛覚脱出(脱失とも)
・瞳孔反射消失

神経障害性関節症(シャルコー関節)
※神経病性関節症(Charcot関節)
・神経疾患で深部知覚・痛覚障害があるとき
 進行性の関節破壊が発生したもの

・原因
 ✔︎先天性無痛覚症
 ✔︎脊髄空洞症
 ✔︎脊髄癆(梅毒による後索・後柱細胞変性)
 ✔︎糖尿病性神経炎
 ✔︎ステロイド関節注射乱用

●症状や特徴
疼痛に相応しくない
 無秩序で著しい関節破壊と骨増殖

・関節腫脹
・関節液貯留
・関節動揺性
・関節内遊離体
重篤な関節破壊があるのに疼痛が少ない

・診断はX線所見から容易
・原疾患鑑別のため脊髄MRIや梅毒検査を行う
・装具を用いた保存療法が原則
・関節固定術を行うこともある




◇リハビリ医学ではこう聞かれる!


運動失調
 協調運動障害
平衡障害
・小脳性…小脳萎縮症・腫瘍・小脳脳血管障害
・大脳性…腫瘍・大脳脳血管障害
深部感覚性
 →末梢神経型…末梢神経障害
 →脊髄型…脊髄癆ほか
 →視床型…視床脳血管障害

●深部感覚障害による運動失調
ロンベルグ徴候
 起立時に両足をそろえてつけさせると、
 下肢や体幹が揺れ、
 さらに閉眼させると動揺はひどくなり転倒する。

歩行障害
 下肢を前に投げ出すようにして、
 パタンパタンと踵がまず床をたたき、
 次いで前足部が床につく
音がする。
 動揺を少なくするために
 下肢や床をよく見るようになる。




◇解剖学ではこう聞かれる!


【触覚と深部感覚の伝導路】

後根
【感覚器→脊髄神経節→後根】

・求心性線維
 (感覚神経・内臓求心性神経)を通す。
・感覚受容器からの情報が通る。
・求心性神経の細胞体は
 後根から伸びる脊髄神経節にある。

◯後角
★触覚と深部感覚は後角を通らない★

温度覚と痛覚は後根に次いで後角を通る
・求心性神経と接続する神経細胞体が集まる。
・後根から侵入した求心性神経線維は
 後角の神経細胞とシナプスをつくり
 ニューロンを乗り換える。※温度覚と痛覚のみ

後索
【後根→後索→後索核】
・後根から侵入した
 触覚と深部感覚のニューロンは
 後角を通らず後索に入り
 延髄の後索核(薄束核・楔状束核)まで上行。

内側毛帯
【後索核→内側毛帯→視床】

・後索核から反体側交叉し内側毛帯を上行して
 延髄から橋、中脳を通過して
 間脳の視床に到達しニューロンを替える。

●視床から内包を通り大脳皮質へ




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花田隼人|治療哲学人類学派|柔整国試対策
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