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気まずいバスの中

高校時代のほとんどを一緒に過ごした俺たちだったが、もちろん喧嘩をしたことや気まずくなってしまったこともある。

今回と次回は、そんな話を書いていく。

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少し前の記事でも書いたが、うちの高校では年に一度、「強歩大会」という学校行事があった。長い距離を全員で歩行するといったもので、走るのもOKである。

前回同様、この強歩大会の翌日に短距離の大会があったため、顧問の齋藤先生からは「負担にならない程度に」と言われていた。

昨年やらかした渉も、今回ばかりはしっかりと歩いた(笑)
詳しくはこの記事で↓


俺と聖多は、昨年の強歩大会でも最後の数キロを軽く飛ばして競い合ってゴールしていた。それもあり、今回も少しだけ走ることにした。

一緒に歩いていたみんなに、「ちょっと軽く走るわ!」と言って、俺と聖多は先を走ることにした。

しばらく走ると信号に引っかかった。

俺と聖多はまだ走り足りなかったので、信号が青に変わるとまた走り出した。

だが、ここで問題が起こった。

この信号が赤のときに、後ろから聡汰達が俺と聖多を見つけて、俺らのことを呼んでいたらしい。

俺と聖多は全く気付いていなかった。

聡汰達は、俺たちが無視をしているのではないかと思ってしまったようだった...。

ゴール地点にようやく着き、ここで聡汰達とも合流したのだが、さっきの件により何とも重苦しい空気が漂っていた。

特に聡汰は、思いっきり怒っているようだったので、俺は「何怒ってんだ、コイツ」と思い、イライラしてしまった。

ゴール地点から学校まではバスで戻るのだが、このバスが本当に地獄だった。

おそらくみんなは、そこまで記憶にないだろうが、俺と聡汰は「あのバスはやばかったよな」と今でもたまに話す。

俺と聡汰は、隣の席に座っているにもかかわらずこのバスでは一言も話さなかった。それどころか、俺は窓を見てずっと寝たフリをしていた。

俺と聡汰がこんな状態だったから、多分ほかのみんなもほぼ会話はなかったと思う。

地獄のバス時間が過ぎ、ようやく学校に到着した。

俺からだったのか、聡汰からだったのかは忘れてしまったが、「何で怒ってんの?」と聞いた。

そしてお互いに本音を話し、「誤解」を「和解」に変換することができた。

この問題が起きたのは、ちゃんと会話をしなかったことが原因だと思う。

聡汰は、何故俺たちが勝手に走り出したのか聞いてくれればよかったし、俺も怒っている聡汰にちゃんと理由を聞けばよかった。

SMAPが出したシングルで「しようよ」という曲がある。
SMAPの中で好きな曲はたくさんあるが、この「しようよ」は、かなり気に入っている。

この曲は、長く付き合っているカップルや夫婦がモデルとなっていると思うが、俺は「友達」にも置き換えられると思っている。

微笑みに 分かった顔しないでさ
いつだって 気持ち素直に伝えよう
正直に とにかく何でも隠さずに 話をしようよ


LINEやメールの普及により、便利な世の中になったとは思うけれど、文字で自分のテンションや感情を全て届けるのは限界があると感じている。

時代は変わっても、会話することの重要性を忘れてはいけないなと思った隼人でした!


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