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【不登校06】まとめ & ティーチャーティーチャーが目指す「平和」の話 #37 - TeacherTeacherのPodcastを記事化してみた


はじめに

Teacher Teacherの「不登校」に関する調査回がとても良かったので、必要な人に広く届けばいいなと思いました。そこで、Podcastだけでなく、文章で読める形にしてみたいと思い、いちリスナーの立場ではありますが、記事化を試してみました(ChatGPT+人の手)。

前回は「【不登校05】学校以外の選択肢 4つ!(フリースクール,教育支援センター,不登校特例校など) #36」を記事化しました。

今回、記事化するのは「【不登校06】まとめ & ティーチャーティーチャーが目指す「平和」の話 #37」です。

1. あらすじ

 本エピソードは不登校調査回の第6回目で、最終回です。今回は、これまでのまとめと、はるか先生の持論を織り交ぜた内容です。具体的には、「不登校に関するメタ認知の地図」と「具体的な選択肢」、「スモールステップの重要性」、「Teacher Teacherの考える平和」、「不登校問題も日本が課題先進国」、「学校の難しさと教師への敬意」、「Teacher Teacherフリースクール構想」、「次の調査回テーマ」についてお話ししています。

2. 不登校に関するメタ認知の地図

2.1. 地図の定義

 不登校における選択肢をメタ認知するための地図を作成しました。これは、絶対的な正解を求めるというよりも、「今こんな風に分布してるんだな」「意外と選択肢あるんだな」という風に見るためのものです。縦軸は「子どもの特性」、横軸は「学校の対応の柔軟性」を意味し、7つの選択肢をマッピングしています。これにより、子ども一人ひとりのニーズに対応するための異なるアプローチを理解しやすくなります。

不登校の選択肢に関するメタ認知

縦軸:「子どもの特性」
 集団に適応しやすいタイプかどうかを表しています。自分のペースで自分の得意なことを突き詰めるっていうことがすごく得意な子どももいるので、再登校しないという選択肢もあっても良いと考え、この軸を設定しました。

横軸:「学校の対応の柔軟性」
 学校や教育システムがどの程度柔軟に子どもたちの個別のニーズや特性に対応できるかを表しています。

2.2. 7つの選択肢について

2.2.1. 右半分:再登校ゾーン

 右半分は全て「再登校」になっています。もし学校が柔軟であれば、子どもの特性に依らずに再登校できるという考えです。右上の集団に適応しやすい子どもであれば、森田先生や株式会社スダチ等の支援を借りて、短期間で再登校を目指すことが可能だと思います。一方で、右下の集団に適応しづらい子どもであれば、通級指導教室や特別支援学級などを活用しながら再登校を促すことも一つの方法だと考えています。
 このように、「専門家の力を借りながら、一緒に学校の環境を変えていく」という態度も大事だです。合理的配慮、インクルーシブ教育という考え方が、公教育にもどんどん入っていって、学校が多様性に対応できる形に変わっていくことも期待しています。

2.2.2. 左半分:学校以外の選択肢ゾーン

 みんなに合った教育が、公教育でできることは理想ではありますが、実際は難しいところも多いです。その場合は、いっそのこと学校以外の選択肢を取るという考え方もあります。それが左半分の領域です。
 フリースクールは縦長にカバーしていますが、これは子どもの個性に寄り添うタイプもあれば、割と集団の中で一緒に勉強するというタイプもあるので、子どもに合ったところを選ぶ必要があるという意味です。また、学びの多様化学校や教育支援センターがある地域であれば、これらを活用する方法もあります。もし、特に集団生活に苦手意識がある場合は、オンラインフリースクールという選択肢もあります(左下)。

2.2.3. 真ん中:再登校(長期)

 「子どもがやる気を出すまで待ちましょう」という考え方もあります。ストレスが大きくかかっており、うつ状態の子どもは、待つ・見守るっていう手段も一つ対応としてあるので、真ん中に位置づけています。

3. スモールステップの重要性

 住んでいる地域に、フリースクールや教育支援センターがないなど、これまで紹介してきた選択肢が取れないというケースはいくらでもあります。そこで、はるか先生は、子どもたちが自らできることから始める「スモールステップ」のアプローチを非常に重要視しています。子どもたちにとって達成可能な小さな目標を設定し、それを達成することで自信を構築し、最終的には大きな目標達成につながるという考え方です。
 はるか先生の支援事例として、学校に行けなかった子どもが、高校入試に合格するまでのストーリーを紹介します。この子どもは、学校に通えず、自由な生活を送っていましたが、母親の提案で生活スケジュールを変え、徐々に学校生活と同じリズムで生活するようになりました。毎晩寝る前に、翌日の計画を立てるようになり、達成感や充実感を感じることができました。そして、「自立して充実した生活を送れるような大人になりたい」という意識になり、ついには高校入試で合格することができました。
 このように、その子に合ったスモールステップとステップの登り方を設計することが重要です。そして、どこかに原因を見つけるというよりは、家庭と子供、家庭と学校、学校と子供の相互関係の中で、子供がどこに困り感を抱えていて、どうやったらその困り感を軽減できるのかという提案をしていくことがとても重要です。

4. Teacher Teacherが考える「平和」

 不登校に関する調査回を通じて、はるか先生が最も言いたいことは「もう争いをやめて欲しい」ということです。不登校の捉え方の歴史で見てきたように、1つの原因になすりつけることや、責任を誰かに負わせるというのは古い考え方で、実際の要因は複雑に絡み合っています。「その子の困り感はどこで、どうやったらその困り感が軽減できるのか?」という合理的な配慮をみんなで見つけていくことが重要で、これがみんなの共通の目標にあると平和になるのではないかと考えています。

5. 不登校問題も日本が課題先進国

 「子どもが学校に行きたくないと言った場合、どう対応するか?」という問いについて、世界各国の親や教師の意見を紹介します。はるか先生は、20人以上の外国人に質問をして、彼らの意見を集めました。具体的にはスウェーデン、デンマーク、フィンランド、フランス、スペインなど教育先進国の親や教師に意見を聞いています。その結果、彼らは「親が連れて行けばいい」というシンプルな回答をしました。
 はるか先生は、この結果を「日本は海外の国々がまだ直面していない、不登校の複雑さや新しいフェーズに入っている」と解釈しています。ドイツなどでは学校に行かないと罰金を取られる状況があるにも関わらず、学校に行かない子供が増えているそうです。今後、他の国々も日本と同様の課題に直面する可能性があると予測しており、Teacher Teacherが目指す「市民が作るセーフティネットとしての無料フリースクール」によって、子どもの学習機会を保証できると証明できれば、日本だけでなく、世界からも参考になるでしょう。

6. 学校の難しさと教師への敬意

 はるか先生は、学校や教師に責任を押し付ける態度についても疑問を投げかけています。1人の子供を育てるだけでも大変なのに、それが教室で35人の子供たちを担当する場合、どれだけ複雑で難しいことか想像して欲しいです。学校や教師を一方的に非難するのではなく、教師の努力を理解し、敬意を払う必要があります。そして、教育の課題は、教師、親、コミュニティが協力して解決すべきなのではないでしょうか。

7. TeacherTeacherフリースクール構想

 Teacher Teacherでは、COTENの「COTEN CREW[1]」という応援モデルを、フリースクールの設立・運営に転用していくことで、新しいモデルを社会に広めていこうとしています。個人や企業から応援を獲得することで、教育に資金が集まる流れを作りたいと考えています。今は、支援していただいた方には、Discordコミュニティに参加することができ、はるか先生とひとしさんの試行錯誤を垣間見たり、支援者同士で交流することができます[2]。

8. 次の調査回テーマ

次の調査回のテーマは「発達障害」です。2月中旬から3月くらいの配信を目標としています。

9. 参考資料

[1] COTEN, https://coten.co.jp/cotencrew/ (参照 2024-1-5)
[2] Teacher Teahcher, https://teacherteacher.jp/ (参照 2024-1-5)

さいごに:Japan Podcast Awards大賞受賞とクラウドファンディング挑戦

「第5回 Japan Podcast Awards大賞」受賞、おめでとうございます!

https://www.japanpodcastawards.com/index.html

ついに、二人の夢である「無料」のフリースクール設立も始まっています!2024年4月30日までクラファン挑戦しているので、応援してみたい方は是非ご覧ください!