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本質(構造)が仕組み(テクニック)を支配する!【情報インテリジェンスの高め方③】

前回の「情報インテリジェンスを構成する3つの要素【情報インテリジェンスの高め方②】」では、情報インテリジェンスを身に付けるために必要な3つの要素について説明しました。

僕は仕事上、色々な営業やコンサルを受けたり、経営コンサルとして経営に参画したり、グループ会社10社の社長や、林経営塾のメンバーと日々意見交換やアドバイスをさせていただく機会が多くあります。

その中で思うことが、「インプット(知ること)」「スループット(考えること)」「アウトプット(結論・ノウハウ)」の3つの構成要素のうち、「アウトプット(結論・ノウハウ)」だけを重視する人が多いということです。

「結論やノウハウだけ知りたい」という人が世の中に、多すぎるんです。

僕はそんな人に「結論やノウハウだけ知っていても、起業家や経営者としての魅力は生まれない!今はいいかもしれないけれど、時代と共に淘汰されてしまうぞ!」と警鐘を鳴らしたい。

起業家や経営者であれば、「なぜ、その結論やノウハウに至ったのか?」背景にある歴史を知り、自分の頭で考え、自分なりの結論を導いていくべきです。

そこに時代に流されることなく、凛として生きる起業家や経営者としての深み、厚さ、魅力が生まれるのです。

今回のお話も少し似ていますが、前回と比べると少し現実路線のお話です。

今回は、時代の流れが早い現代社会で、起業家・経営者として生きていく、いえ、生き残っていくために知っておくべき「残酷な事実」について解説していきます。


※前回の記事はこちら



自己紹介

事業投資家の林周平(@HayaShu88と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。

僕のプロフィールは以下をご覧ください。

仕組みと構造の話

まずは、ある広告代理店を事例に説明していきます。

縦軸が「効果」で横軸が「時代」です。

元々最初は「リスティング広告で集客する」「これからはGoogleの時代だ」「1クリック10円」みたいな時代がGoogle台頭期にはありました。

この考えのプレイヤーが2005年ぐらいにはいました。

広告代理店の方々です。

しかし2015年になると「あれ?」と思うことになります。

当然CPAが上がって、他のメディアが出てきて、広告料の使い方が変わってくるためです。

しかしながら、リスティング広告ってまだ成り立ってる所があるよね、と考える。

しかしもっと時代が移り変わり、リスティングがどんどんシュリンクしたり、CPAがもっと下がると、「やばい」と感じるはずです。

皆さんの領域でも、もしかしたら10年後同じような可能性があるかも知れませんよね。

僕の印象では、広告代理店出身のおじさまたちに結構こういう空気感があります。

インターネットに関わっている方はそうでもないが、雑誌の広告枠とかがメインだとそうなりがちです。

昔は強かったんだと思います。

僕らには想像ができない部分です。

ただ、若い世代から見たらその考えに固執するのはちょっときついね、と感じてしまうでしょう。

「仕組み」と「構造」の課題に対する姿勢の違い

「前はリスティング広告で効果が出たんだから、何とかできるはず」とか、「すごい広告のテクニックで効果改善しました」「最近流行ってる他の媒体はどうなんだろう?TikTokとか」みたいな課題に対する問いも企業内では起こりがちだと思います。

ただ、これはテクニックや仕組みで解決しようとしています。

「以前」をどうにかして再現しようとしている

今で言えば、一瞬表示して、すぐ表示止めてみたいな広告手法がたまたま当たったとか、一周回ってGoogleよりYahooの方がいいらしいと戦略を変えてみたりなどが考えられます。

そうではなく、リスティング広告市場動向が最近どうなのか、Googleのガイドラインの変更点、Google社の広告ビジネスからGoogleAIがどこに行こうとしているのか、今後の方針はどうなのか、もしくはユーザーのライフスタイルがどう変わったのか、スマホの扱い方やZ世代の考え方とは……などを調査して分析してみてはどうでしょうか。

昔と今のライフスタイルは大きく違います。

パンデミックや戦争の影響もあります。

例えばZ世代はスマホを見ている時間が1日5時間あるらしいです。

昔で言えばテレビがメインだったころも、当時の人々は5時間も見ていないはずです。

つまり、今のスマホはテレビよりも接点が増えているのです。

しかもパーソナライズされた情報をずっと浴びれるというライフスタイルが特徴です。

このように、いろいろ洞察することで物事の構造が見えてきます。

構造に本質が宿っているわけなんです。

仕組みやテクニックで解決しがちだけど、問題の構造をちゃんと見ましょう。

例えば、今グループ会社のアポイント獲得チームではSNSでのマッチングを狙っています。しかしアポが取れなくなってきた。

すると「他の媒体は、他のマッチングアプリは……」と別アプローチを繰り返してしまうのです。

市場としては同じマッチングアプリの規模に依存するしかないため、あまり未来は明るくないのではないでしょうか。

そこで、以前まで成功していた理由は何だろうと考えてみてはいかがでしょう。

すると例えばユーザーが枯渇してしまった、サービスがありきたり、ターゲットを会社じゃなくて個人にすべき……と不発の理由が色々見えてくるはずです。

つまり、原因を分析して、原因に即した別のやり方でアポイント獲得を目指さないと行き詰まってしまうと思います。

話を戻しまして、広告代理店の末路について解説します。当時の広告メニューを工夫して、テクニックで改善しても、新聞広告一本で居続ければ集客数を増やすことは難しいといえます。

もし構造に着眼点を持っていれば、他のマーケティング施策に目が入ったかもしれなません。

すると広告代理店としての得意パターンをアンラーニング(足し算で知識を増やすばかりではなく、知識の取捨選択をする)つまり捨てながら、構造を見て「そろそろこれはやり方が違うだろう」と考えていければ存続の可能性が芽生えるかもしれません。

構造が仕組みを支配している

構造と仕組みのどっちが上位概念かご存知ですか?

答えは、構造が上位概念で、仕組みが下位概念です。

図にすると、構造が仕組みを含んでいる

ここから読み取っていただきたいことは、どれだけ仕組みで改善しようとしても、構造が変わっちゃうと仕組みに手を加える意味がないということです。

世間は仕組みを求めます。

しかし大事なのは構造であり、こちらに目がいかないから本質が見えない。

仕組みに目が向いている人は、姑息なすごいテクニックを開発する傾向にあります。

逆にそれはそれで面白く、ものすごく変わった広告のやり方を開発しつつ、非常に安上がり……などありますが、そもそも構造上の話ができていない。

大事なことは「上位概念が下位概念を支配する」ということです。

つまり常に構造が仕組みを支配します。

本質がテクニックを支配します。

短期的に成果を出す、改善をする場合はテクニックも大事ですが、もう少し大きい意味でのインテリジェンスを得る場合、構造に目がいかないといつか自分のやり方がひっくり返されてしまいます


※次の記事はこちら

  • 自社を構造的に捉えよう!【情報インテリジェンスの高め方④】


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