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問題解決力を高めるカギは『参照枠』である【自己解決能力の高め方④】

前回の「クリティカルシンキングで本質を見抜く3つの方法【自己解決能力の高め方③】」では、問題解決能力を高める具体的な方法の1つとして、クリティカルシンキングについて解説しました。

今回は、2つ目の方法として「参照枠」について解説していきます。


※前回の記事はこちら



自己紹介

事業投資家の林周平(@HayaShu88)と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。

僕のプロフィールは以下をご覧ください。

参照枠とは?

参照枠(Flame of Reference)という言葉は僕の先生から教えてもらいました。

例えば、ある人が「最近、自転車が流行ってるらしい」という参照枠=脳内のデータベースを持っていた場合、自転車に乗っている人を見たら「あの人は流行に敏感な人だ」と思い込んでしまうことがあるでしょう。

でも実は、その人は以前から自転車が好きだったのかもしれません。

日常で、そのようなレッテルを貼られてしまうことは少なからずあるのではないでしょうか。

こういった、ある意味バイアスがかかるきっかけでもあり、人間が物事を思考するときに参照する何かを参照枠と言います。

簡単に言えば、今までの経験・知識から参照できる脳内のデータベースのことです。

何かを理解するために、あたかもそれが枠組みであるかのように作用するというものを、参照枠といいます。

参照枠が無いとどうなる?

参照枠がなければ、知らないことについて考えることは無理です。知らないことについて調べることもできません。

キーワードがわからず、インデックス=目次がない状態です。

知らないことへは、質問すらできません。わからないことを聞いてくださいと言われても、一体何がわからないのかすらわからなければ聞けません。クエリがない状態ですね。

参照枠がない事態を避けるには、ティーチャー=教えてくれる人が必要です。言い換えると、この段階の人にコーチングしても無駄です。

その人の中から答えを引っ張り出すようなことをコーチングと言います。したがって、この段階で必要なのはコーチングではなくティーチングです。

このため「まずは自分で頑張ってみよう」と奮闘しても、頑張るための中身がないため無駄に終わることになります。

一つの物事を前に進めるためには、参照枠は大きく重要になるでしょう。

解決にあたりがつかないときは参照枠を仕入れよう!

解決するための当たりがつけられないときこそ、参照枠を仕入れる必要があります。

方法としては次の3つです。

方法1:ネットや本で調べる

例えばネットや本で調べるときに、1からしっかり調べて読み込むことは当たり前ですがつらいですね。

それよりも、まずは頭の中に複数の情報をばっと入れてしまうとか、記事を読むときは一気に上から順番に5記事ぐらいクリックしてタブで開いて、1個1個読んで消していく方法なら楽です。

本でも同じです。シントピックリーディングという読み方がありますが、これは一つの分野の本を4冊並べて読むという方法で上記と同じです。

大事なことは、大体重複して書かれています。感覚的に「この辺のこういうことが、この業界のノリなんだな」とか、「こういうキーワードがよく使われるんだな」とか、なんとなくわかっていくことが大事です。

「調べられない」ことが問題です。調べられるようになりさえすれば、後からいくらでも知識は付け足せます。なのでまずはキーワードとして使える言葉・文脈・登場人物などについて知りましょう

方法2:たくさんの周辺事例を見る

事例を知れば、その物事のイメージがつきやすくなるため参照枠として有用です。

ただ、イメージできない事例を持っても意味がありません。ありがちですが気をつけてください。

例えば、政治は金の世界らしい、と言われても全然具体的なイメージが湧かないでしょう。このような事例には意味がないです。知ったかぶりの状態ですね。

しっかりイメージができるような事例を仕入れに行きましょう。

方法3:たくさん人の話を聞く

たくさん人の話を聞くことも参照枠を広げるために効果的です。

人からインデックスをもらった方が早いです。相手も、特にティーチャーの人は聞かれることが役割だったりします。

あまり自分で頑張らず、「あのーすいません、全然意味がわからないので、わかるように、イメージできるように話してもらっていいですか」と聞きましょう。

ティーチャー側の人からしても、「そうか、ごめんごめん」となるだけなので気を使う必要はありません。知らないことについては、質問を生むこともできません。上司側であればむしろ、知らないことは聞きなさいと説教しなければならないかも知れません。

このため、教えてくれる人との出会いそのものも貴重です。つまり友人関係とか仲間ってすごく大切な存在になります。

あなたが何かしら魅力的な人物じゃないと、その人と出会うこともなければ、その人が教えてくれることもないため、ある意味自分自身がブランドとも言えますよね。

そういった関係は社内にあっても普通に良いことですが、社外に持っていたら貴重だと言えます。

社員同士のお付き合いでも仲良い同士の会話内容と「ちょっとあいつむかつくな」同士の内容では角度が変わってしまいます。そこも含めて、やっぱり自分から聞けるような存在がいることは素敵なことです。

このため自分というブランドを、日頃から少し意識していてもいいんじゃないでしょうか。といっても毎日自分磨きを頑張りすぎる必要はありません。

何かを聞きたいときに聞ける人が周りにいないなら、今までの自分を反省することも必要かもしれません。

なので、そもそも人に聞けるようにしとこうねという考え方は、結構重要だと思います。

【クイズ】なぜ経営者は従業員よりも物知りなのか?

ここでクイズです。

なぜ、経営者の方は従業員よりも物知りなのでしょうか?

情報を得られる機会が多いから、情報を知るための人脈がある、自分の中でルートを確立しており、例えば経営者層に仲間のネットワークがあり、そこから情報が回ってくる、より一つのものを極めたいから経営者に回っている、などが挙げられるでしょうか。

上記もその通りだと思うんですが、僕の答えは割とシンプルで、いっぱい営業を受けているからです。

いっぱい営業を受けると、他社の事例をいっぱい聞くんです。

営業が来ると、この商品がどんな効果だとか、他社とどう違うとか、自分たちはどんな会社なのか、逆にウチのことどうやって知ったの?……と話を聞くことになり、回を重ねればどんどん蓄積されていきます。

若くして経営者になる方はもともと知識を持っていることもありますが、そうでない人も経営者として中年ぐらいになってくると、かなりの営業を場数として踏み、いろいろ知ってる人になれているわけです。

「あの辺の解釈はこうじゃないか」みたいに当たりがつけられるようになります。正解とか不正解というよりかは、物事に詳しくなる方が結構多いです。

逆に言えば、営業をいっぱい受けていれば参照枠が多いことになります。

経営者は受動的にねだって営業を受けるわけではありません。情報を向こうが勝手に持ってきてくれるから持っています。もちろん自分で取り入れる人もいます。

しかしながら多くの経営者は営業を受け入れているうちに、いつの間にかいろんな情報が仕入れられているのです。

経営者でもそうではなくても、参照枠を持つことが非常に重要です。

余談ですが、僕はこの前生まれて初めてストリップに行きました。ストリップとは、女の方が脱いで踊る場所です。

行った理由は、僕の経営の仲間が「ストリップはめっちゃ感動するよ」とゴリ押ししてきたからです。特に浅草のロック座はすごいらしい。

ちょうど最近公開された、ビートたけしの自伝的な映画である「浅草キッド」の舞台もロック座でした。これもあり行ってみようかという気持ちになり、拝見しましたが、本当にすごかったんです。

全然、性的な要素はありませんでした。僕は感動まではできなかったかも知れませんが、新しい参照枠ができたな、という手応えは確実にありました。

ストリップは、女の方がかっこよく輝ける場でした。そのため、今の若い子たちが見に行けば、普通にAKBに憧れるのと同じ感覚が得られるはずです。

こういったことも体験したからこそわかるものです。だからこそ話を耳に入れるようにした方がいいように思えるのです。


※次回の記事はこちら

  • 優先度づけの3つのポイント【自己解決能力の高め方⑤】


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