【孫子の兵法・その9】 心理戦から戦いは始まっている!
戦争は人間が起こすものですが、そもそも人間は心の動物です。だから戦いの基本は、心理戦にあるということになります。駆け引きや腹の探り合いなど、心理戦から戦いは始まっているのです。
▼何のために「裏をかく」のか?
「裏をかく心理操作」のことを「詭道」と言います。「詭」は裏をかいて人を欺(あざむ)くことであり、「道」はその法則や方法、手段のことです。
「裏をかく」こと自体は卑怯な行為であり、正々堂々と戦わねば、勝っても意味が無いのは当然のことです。戦争にも、戦時の法や、戦いのしきたり、一定の礼というものが存在します。
それらがある以上、汚い手を使うのは美意識に外れますし、戦う相手を敬い合えないようでは、単なる暴力沙汰となってしまいます。
●心理戦への対応を怠ってはならない。
しかし、食うか食われるかという厳しい状況の中で、陣取り合戦が繰り返されているのですから、常に気を張っておかねばならず、心理戦への対応を怠るようではいけません。
武道の試合でも、フェイントを掛けたり、わざと隙を作って敵に攻めさせたりします。勝利を掴みとるには、心理戦の重要性を無視するわけにはいかないのです。
●「出来るのに出来ないふりをし、必要なのに不必要と思わせ、近いのに遠くに見せかけ、遠いのに近いかのように示す」意図とは?
そこで、孫子は「出来るのに出来ないふりをし、必要なのに不必要と思わせ、近いのに遠くに見せかけ、遠いのに近いかのように示す」と述べました。
「出来るのに出来ないふり」をするのは、敵の警戒心を解くためです。
「必要なのに不必要と思わせ」るのは、敵に弱みを覚られないためです。
「近いのに遠くに見せかけ」るのは、敵を油断させるためです。
「遠いのに近いかのように示す」のは、敵に圧力を掛けて怯(おび)えさせるためです。
▼すべては、勝利のために。
●あらゆる物事には、「盛衰の循環」がある。
東洋思想の根本原理である陰陽論は、あらゆる物事に「盛衰の循環」があることを教えています。陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転じるというもので、活動は必ず波を描きます。
陰陽循環を元に「流れを読む」ことは、指導者に必須のものの見方です。それを教えている大事な東洋思想が「孫子の兵法」です。
そこには、流れを読み、流れに逆らわないで成功と勝利を収めるための秘訣が説かれています。
東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実なのです。
●戦いの現場や現実から、絶対に目を背けてはいけない。
必要なことは、その厳しい現実から逃げることなく、巻き込まれて翻弄されることもなく、「戦いの現場から、如何にして進化と成長のエネルギーを吸収するか」です。
そのための考え方と行い方を、きちんと示している兵法書が『孫子』なのです。
●孫子は、人生の指標となる哲学書でもある。
人生も、天分や天性を生かして、勝利し成功しなければ意味がありません。
これから皆さんと一緒に、激動の時代を生き抜くための「東洋の智恵」を、共に学び、共に体得し、実践して行きましょう!(続く)
◆◇令和6年5月度:志塾・勉強会のご案内◆◇
★政経倶楽部・東京支部「新年例会」
日時:令和7年1月9日(木)
演題:未定
会場:ルポール麹町(千代田区平河町)
会費:5千円、ビジター1万円
連絡先:政経倶楽部連合会事務局
☆「東京綜學院 林ゼミ」第4期・5月例会
日時:5月11日(土)午前10時~午後4時
演題:大和言葉【基礎編】日本語は一音一音が明瞭で、48音それぞれに意味がある。大和言葉の素晴らしさを知らずに日本の魅力は語れない。
ワーク2「人生プログラム」の作成解説
リアル会場:お茶の水エデュケーションセンター
東京都文京区湯島1-6-1 TONEGAWA 2ビル 5F御茶ノ水駅より徒歩約6分
東京綜學院(4期)の詳細はこちらから↓
☆令和6年度・経世志塾
綜合テーマ:創造的人物に学ぶ胆力と器量
特別講座:「郷中教育」学校も企業も、すべては教育からはじまる
第3回6月5日(水)
特別講座:「郷中教育」学校も企業も、すべては教育からはじまる(前編)
・薩摩の郷中(ごじゅう)教育 他
第4回8月7日(水)※8月のみ開催日が前後に変更の可能性あり
特別講座:「郷中教育」学校も企業も、すべては教育からはじまる(後編)
・松下村塾と林英臣政経塾にみる「原・大・本・徹」教育
第5回 10月2日(水)
「勝海舟」幕府の幕引きを担った人物の、優れた洞察力と死生観
・大事業を仕掛けるくらいの人は、かえって世間から悪く言われるものさ
・勝敗の念を度外に置き、心を虚しくして事変に対処せよ
・アジアの舞台に立って世界を相手にせよ 他
第4回 12月4日(水)
「植芝盛平」宇宙の心と己の心を結び、合氣道に開眼した武道の達人
・合氣道には敵はいない、宇宙の心を己の心とせよ
・大勢のときは一人と思い、一人のときは大勢と思え
・世界は魂の救いを求めている、まず日本から出直せ 他
お申込は下記からどうぞ↓
☆伊那谷文明維新塾(駒ヶ根)
令和6年度開催予定日:5月18日(土)、7月27日(土)、9月28日(土)
演題:激変期、英知を集め、まずは政治の混迷を抜けだそう!(5月18日)
会場:駒ヶ根駅前アルパ3階 多目的ホール
参加費:3000円
お問い合せ:090・5520・5858(事務局・長野県議・清水正康さん)
★政経倶楽部連合会・名古屋支部例会
日時:令和7年3月20日(木・祝)
演題:未定
会場:ウインクあいち(名古屋駅桜通口から徒歩5分)
会費:会員2000円 ビジター3000円
☆「京都綜學院 林ゼミ」第5期・5月例会
日時:5月5日(日)午前10時~午後4時
演題:神代のピンチをどう解決したか~日本書紀に学ぶ天照大御神と岩屋戸開き
ワーク2「人生プログラム」の作成解説
会場:ちおん舎(中京区)※別会場の場合もありますので、ご確認ください。
京都綜學院(第5期)詳細はこちらから↓
★政経倶楽部連合会・大阪支部例会
日時:5月20日(月)
演題:『貞観政要』に学ぶ「トップの心構え」と「補佐役の在り方」
会場:大衛株式会社 都島区都島本通2-2-16
会費:会員・林塾メンバー 2千円、ビジター 3千円
申込先 :菊池070-6923-5866
◆大阪PHP経営者友の会【特別講演会】
日時:6月29日(土)開場13時30分 開演14時
「松下幸之助 生誕130年 直伝!松下幸之助翁に学ぶ経営のこころ」
会場:総合生涯学習センター第2研修室(北区梅田・大阪駅前第2ビル6階)
参加費:2000円(PHPオリジナル冊子付)
お問い合せ:080・5318・2880(事務局・木下さん)
☆令和6年度・関西林英臣勉強会
☆今啓林綜學会(神戸)
統一テーマ:松下幸之助は、塾生にこう語った!~松下幸之助塾長の遺言
第3回:5月6日(月)※教本20頁~32頁
国家百年の計を立てよ!
今こそ「無税国家論」と「新国土創成論」を見直そう
百年先はこういうふうになると描けないといかん!「新日本SS」を起こせ
★政経倶楽部連合会・広島支部例会
日時:10月25日(金)
演題:未定
会場:アドバン@貸し会議室( 広島三栄ビル6階)
会費:会員2000円 ビジター3000円 学生無料
※Zoomでの例会参加も出来ます~ご希望の方は下記までお知らせください。
連絡先:広島支部長・佐藤克則さんTEL:082-546-2080 FAX:082-546-2081
★九州政経倶楽部例会
日時:7月23日(火)
午後6時30分開始(受付午後6時から)
演題:いよいよ東西文明交代の激変期に突入!2024年はその前夜!
日本を変え世界を救うため、今われわれに出来る事とは?
会場:はかた近代ビル(1F)貸し会議室105
会費:会員2000円 ビジター3000円
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◆講演お問い合せはこちらから→
http://www.hayashi-hideomi.com/request
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🔥勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」
東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっている…
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