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0歳児のうんちとイチジク浣腸
※医学的な話はまったくありません。個人の記録です
我が子は、新生児の頃から便秘がちだった。1日1回出ればいい方。ミルクをほほえみからはいはいに変えたら多少は改善したけれど、それでもなかなか出ない。綿棒浣腸を産科で教えてもらってからは、かなり親の心も楽になった。
はじめは綿棒を肛門に突っ込むなんて、、、とドキドキしていたけれど、いつのまにか慣れてきて。もはや親も子も慣れた。
そのうち、必勝法を見出した。「ママうんちしてくる!!」と宣言してトイレに行くと、高確率でうんちをしている。おなかの中にいた影響で腸がつながっている?ひとりの時間が大事?よくわからんが、ママがいきむと子もいきむ。我が子のためにも、私は自分の便秘とも必死に戦った。
だが離乳食がはじまってから、再度排便どんどん辛く苦しいものになる。ミルクだけの生活から固形物を食べるようになるのだから、かたくなるのも当然だ。かたいうんちの中に混じる、にんじんのかけら。未熟な胃腸で頑張っている我が子が、とても愛おしい。
なんとかしてあげたい。だが、お茶も白湯も苦手で飲めない我が子。1回食から2回食、3回食に増えてミルクが減る中、どんどん便秘は悪化していった。綿棒浣腸をしても、すぐにうんちがでない日が増えた。
そして、11ヶ月の記念日を迎えた昨日、悲劇が起きた。2日でないうんち。綿棒浣腸をしても、おならすら出ない。腹が痛すぎて、暴れる我が子。のの字マッサージもガス抜きのポーズも知識としてある。だが、泣きわめいて抱っこすらも嫌がる我が子に、そんな知識はなんの意味も持たない。私たち夫婦は途方に暮れた。
寝かしつけから1時間。眠たくて仕方ないから、いきむ元気もない。たた、腹が痛くて眠れない。なんとかしてあげたい。だが、なにもできない。泣き叫ぶ我が子。必死にあやす夫。
私は、ボケるしかない。そう思った。
「じゃあ、ママがガス抜きのポーズするね!」
全力のガス抜き。深呼吸。
寝た。
え?
寝るんかい。このボケで。
笑いをこらえる夫。ここで起こしたらすべてが無駄になる。必死にリビングに戻り、2人で笑った。
ひとしきり笑って、現実に戻る。寝てくれたが、何の問題も解決していない。わが子のうんちは、まだ小さな腹の中。夜中に起きたとき、再度腹が痛くて泣くのは目に見えていた。
翌日から仕事の夫とワンオペの私。とにかく今は、早く寝て体力の回復に努めた。
朝3時。予想通り、泣き叫ぶ我が子。ミルクもほとんど飲めない。そして、2度目の綿棒浣腸も、小さなガスが漏れるだけ。いつもは付くはずの黄土色のうんちもついていない。こんなにも、痛がっているのに。
私は決意した。今こそ、イチジク浣腸に頼るしかないと。
以前、保健師さんから勧められたことがあった。綿棒浣腸でもきかなければ、と。綿棒浣腸でなんとかなっていたし、ここまで痛がることはなかったから試したことがなかった。薬を入れることへの抵抗感も少なからずあった。使わずに済むならそれでいい。
だが、綿棒にすら付着しないほど奥にあるうんち。いきむことすらできない我が子。もはや、奥の手しかない。
そうして私は、昨晩酒を飲んだ夫を恨みながら、24時間営業のウェルシアに車を走らせた。24時間営業、感謝。
深夜のウェルシア。真っ先に向かうは便秘薬コーナー。イチジク浣腸のスペースを見つけ、どんとしゃがみ込む。赤ちゃん用という文字を確認し、すぐさまレジへ。
「ポイントカードお持ちですか?」
そんな暇はねえ。
「よろしければ、お作りしましょうか?」
そんな暇はねえ!
過去最速で、ウェルシアを出て、安全運転で帰宅。車から見える我が家の光。起きてる。急ぐ足。うるさくない程度に駆け上がる階段。部屋に入り、イチジク浣腸をパス。
さあ、手術の時間だ。
1歳児未満は、半分の量との記載をしっかりチェックし、手術を始める夫。顔側に座り、気をそらせる私。うんちが漏れ出ないよう、急いでおむつをはかせる。今までであれば多少手間取っても心の余裕があるが、1秒を争う状況。夫婦で協力しておむつをはかせる。手術は、ものの1分もかからず、終了した。
3分後。突如として全力でいきみはじめる我が子。泣きながらも、必死にふんばる。それをみて、ママとパパは深夜であることを忘れて、必死に応援する!
がんばれ!がんばれ!
ブリリ!
待ちわびた、音と匂いが漂った。
開帳の儀。
そこには、ペースト状できれいな長方形に広がった黄土色のうんち。人参の欠片もなち。イチジク浣腸は、とんでもなく硬くて苦しいうんちを、やわらかく変えてくれたのだ。
よかった、本当によかった。
今までの苦しみはなんだったのか、放心状態の我が子を見て、嵐が過ぎ去ったことを悟った。その後、ミルクを飲んで、眠りについた。
小さな身体でよくがんばったね。
ありがとう。イチジク浣腸。
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