京大オンライン公開講義「災害の環境史」の受講を終えて
はやぱぱです。
京大オンライン公開講義「立ち止まって、考える」のシリーズ講義「災害の環境史」(全5回)を受講しました。
環境史についてまったく知らないところからのインプットでしたが、非常におもしろい講義だったので、感想をまとめます。
環境史とは「人間と自然の関係についての歴史」のことです。
災害とは何か、を知る
元来、災害は人間社会の外からやってくるものとして定義されていました。
しかし、文明が発達していくにつれて人間社会の中においても災害が発生するようになっていきます。
瀬戸口先生の解説の通り、Wikipediaで「災害」を調べると以下のように記載されています。
災害(さいがい、英: disaster)とは、自然現象や人為的な原因によって、人命や社会生活に被害が生じる事態を指す。(Wikipediaより抜粋)
講義では具体例として、
・3.11 東日本大震災
・害虫による災害
・交通事故という災害
の3つをテーマとして取り上げ、災害とは何かをひもといていきました。
モニタリングできる科学技術社会に想定外はない
高度に発達した科学技術社会においては、過去の災害から対策を練るためにありとあらゆる指標をモニタリングするようになりました。温度や湿度など身近な指標から、道路交通情報や大気汚染の情報まで多岐にわたるデータを日夜集め続けています。
ありとあらゆるデータを集めていることにより、人間社会の外側=自然環境から大きなリスクがある日突然降ってくるようなことはなくなりました。
それは、既存のデータをもとにシミュレーションをすることができるようになったからです。その前提に立つと、3.11や今回のCOVID-19の発生のような想定外の状況についても想定はされていたというのです。
3.11であれば過去の原発事故のデータ、COVID-19であればSARSなどの感染症データをもとに実際の検討課題として俎上にのっていたそうです。
人工的な社会で生きる人間は自然と切り離されている
科学技術の発展により、脅威であった自然災害を人工的に制御できるようになった社会においては、もはや自然と切り離された世界で生活をしているのであるという結論にいたります。
天災はもはや存在せず、人工的に作られた社会における人災しか存在しなくなっているという話は非常に衝撃的でした。
受講を終えて
まず、環境史の概要をしっかり理解できた点は非常に勉強になりました。
そして今起きている災害は技術の発達によってもはや天災ではなくなった、という話には衝撃を受けました。
また、社会が発達していっていることが実は炭鉱化していっているのではないかという示唆は非常に興味深く、自分たちが便利で快適な生活を求めれば求めるほど自然と乖離していく事実に少し怖さを感じました。
なかなか感想がまとまっていないのですが、今回の災害についても必要以上に騒ぎ立てることなく、現場で対応している方々を信じて応援していこうと思います。
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