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手のひらの歌・14

「カゼの予防は、皮膚をきたえること。乾布摩擦と冷水摩擦と冷水浴がいいから、入浴時にやるといい。ひいてしまったら、卵に砂糖を溶きほぐし、熱い酒をくわえた卵酒で、体を温めると栄養満点でぐっすり眠れる。睡眠は、天の星が万人に与えた福の神だから」

「睡眠」
 睡眠(すいみん)とは、眠ること、ねむり。「脳の意識レベルが低下して、視覚や聴覚などの感覚情報が、脳に認識されなくなった状態」をいう。

 日本睡眠学会などでは、「対象を哺乳類に限定すれば、人間や動物の、内部的な必要から発生する意識水準の、一時的な低下現象、これに加えて、必ず覚醒可能なこと」と、睡眠を定義している。

ヒトは通常は、昼間に活動して、夜間に睡眠をとる。動物では、夜間に活動して、昼間に睡眠をとるものも多い。これを夜行性という。

ヒトにとって睡眠は不可欠であって、睡眠欲生理的欲求の一つである。体が眠りを必要とするときは、眠気が現れる。睡眠不足は、心身にとってストレスとなって、不眠症などの睡眠に関する様々な問題は、睡眠障害と総称される。

 ヒトは身体を横たえて眠る(寝る)ことが一般的で、そのための部屋を、寝室、道具(布団)を寝具と呼ぶ。

 睡眠について研究している櫻井武は、「睡眠」とは、にある「覚醒」とは別のオペレーションモードで、さらにレム睡眠ノンレム睡眠に分かれて、脳はこの3つのモードを切り替えて使っているという。

 睡眠は「メンテナンスモード」であって、脳とからだの覚醒に必要なメンテナンスモードで、睡眠時には睡眠特有の伝達物質が働き、睡眠を稼働させていると説明する。

 ただ、ノンレム睡眠時に、脳の老廃物を洗い流すグリンパティックシステムに関しては、実際に起きている現象論的には、正しいが研究が進んでいない仮説であるとしている。

 また、セントルイス・ワシントン大学で神経生物学を研究するポール・ショーは、
「環境に反応する方法を進化させるまでは、初期の生物は『反応』しませんでした。私たちは睡眠を進化させたのではなく、覚醒を進化させたのだと思います」
 という推測を述べている。

 ヒトの睡眠中は、急速眼球運動(REM=レム)が生じて、ノンレム睡眠であるステージIからステージIVの4段階と、レム睡眠を、周期90 - 110分で反復する。

 睡眠は、心身の休息、身体の細胞レベルでの修復、また記憶の再構成などにも深く関わっているとされる。

下垂体前葉は、睡眠中に2時間から3時間の間隔で、成長ホルモンを分泌す る。放出間隔は睡眠によって変化しないが、放出量は多くなる。
 したがって、子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝は、睡眠時に特に促進される。

 睡眠時に、脳波を観察していると、徐波が現れる。すなわち、深いノンレム睡眠が起こるのは、哺乳類の大部分と鳥類に限られている。
爬虫類両生類魚類では、睡眠時に徐波が現れないことが知られている。

 なお、哺乳類の中でも、カモノハシハリモグラなどの、単孔類のような原始的な哺乳類の眠りは、それ以降の哺乳類の眠りとは異なっている。


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