【序】気軽にドラマ感想文『ラストマン』
いやあ面白かった。先週終わっちゃった日曜ドラマ『ラストマン』
視覚障害を持つFBI捜査官と日本の刑事がタッグを組んで事件に挑むんだけど、ちょっと気取ったO Pが『SUITS』に似てた気がする。
それぞれに辛い過去があって、最終見事な収束を迎えるの。もう後半ずっと泣いてた。お父さんと再会するシーン、つい最近読み終わった東野圭吾さんの『希望の糸』と重なってW号泣してた。何W号泣って。
今回取り上げるのは、作品本筋とは別の、本当に一部に焦点を当てたもの。だから純粋にドラマの感想を聞きたいという人にはちょっと違うかも。ハイキュー読む時、すみっこの遊びの絵の方が気になって「よくこんなとこ気づいたね」と言われるタイプが書くものと思ってもらえれば何となく分かってもらえるかな。なんて。
それでは話を始める。
〈私は──ずっとこの人を愛している〉
6月25日最終回で見せた相武紗季の目が忘れられない。刃物を持つ男を前に「あなたではない」と暗に言い切った彼女は、それまで大事に大事に抱え込んで隠してきたものを初めて日の下に晒した。
彼女自身、病から先が長くないことは分かっていた。
生殺与奪。「その」瞬間、女は生き方を決めた。死に方を決めた。
「それ」は、宣言したからと言って、直接的に言われた側の生死に関わるものではない。けれどもそれは、一生抜けない杭となる。