清らかで美しい人生の提案 葉山「楚々」
閑静な住宅街に石塀が続く。
つつましやかな入口とさらに続く板塀。
背伸びをして中を拝見。
カフェスタンドと生活雑貨のお店、
フラワーショップが築100年の
古民家の敷地にそれぞれ離れのように並ぶ。
思わず靴を脱がないと、と思ってしまうが
そのままうつくしい板の間を通りカフェ
カウンターで注文する。
文字通り楚々とした女性スタッフさんが
淹れてくれるコーヒーで大食卓を独り占めする。
ナチュラルな生地のホットサンドはミートソースとチーズがたっぷりだ。
「楚々」は葉山の海岸通りからほど近い堀内に
昨年オープンしたライフスタイル提案型の複合施設
である。華やかなリゾート地としての葉山だけではなく
自然に密着した人々の暮らしや町を大切にする
穏やかな居場所を提供している。
「willow flower stand」
「coffee stand」
そして日用雑貨の販売。
広い芝生ではガーデンウエディングも可能だ。
なんだろう、この風通しの良さは。
上がり框から縁側にぬける初夏の風は
いつか何処かで感じた懐かしいそよぎ。
大きく長い食卓には竹細工の涼しい電灯の笠を通して
生けられた花の上に密かなあかりが影を落とす。
気分が暖かく沈殿して時間を忘れてしまう。
ここは京都の町屋?小学校の教室?
迷路のようだった祖母の母屋?
おそらく教会で使われただろう
可愛い椅子に座り
あけ放たれた縁側から光る芝生を見ていると
愛おしい遠い日に戻るようだった。
今や失われつつある古民家の佇まい。
アンティークと呼ぶにはあまりに
愛着あふれる家具や建具に囲まれて
穏やかに暮らす心地よさ。加えて
清らかで美しい自然や環境を守ることは
町や人を生き生きとさせる事であると。
「楚々」
神奈川県三浦郡葉山町堀内 869
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「暮らすように滞在する」五感で楽しむ葉山
The Canvas Hayama Park
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