【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第30回「全成の確率」
2022年8月7日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第30回「全成の確率」を視聴しました。
<始まる前に>
タイトルから推測すると、全成ロストですね。
阿野全成役の新納慎也さんは、ミュージカル俳優なんですよね。
そして、新納は「にいろ」と読む。どちらも意外です。
<NHKのあらすじ>
源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成(新納慎也)。
比企能員(佐藤二朗)はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。
そのころ北条家では、夫・全成を巻き込まれて激怒した実衣(宮澤エマ)が父・時政(坂東彌十郎)を追及。
名乗り出ようとする時政だが、りく(宮沢りえ)に止められる。
義時(小栗旬)は北条家を守るために一案を講じ、畠山重忠(中川大志)の助力を得て……
■プロローグ
京に戻ることになった平知盛(矢柴俊博)が時連(瀬戸康史)に名前を変えよトアドバイス。
平知盛が軒下から人形を見つけます。
---曲---
エバン・コール
■ナレーション(長澤まさみ)
北条と比企の対立を乗り越えようとする頼家たち。
鎌倉に平穏が訪れようとしていた。
そんな時、頼家が病に倒れる。
■呪詛の疑い
比企能員から、病に倒れた原因となった呪詛の人形を手に取り頼家は、全成に疑いがかかります。
大江広元は時政が関わってるか義時に尋ねますが、義時はわからないと答えます。
直接義時は問いただしますが、全成は呪詛に関わりないと答えます。
そこに比企時員が館の中を検めるためにやってくると呪詛の証拠が出てきました。
全成は比企能員に拷問を受けます。
全成一人の仕業ではないと時政とりくを問い詰めると、時政は命まで取るつもりはなかったと白状します。
全成を許すために名乗り出るというのを止めます。
畠山重忠は戦の支度を整えると、三浦と和田に声をかけるように動きます。
実衣は身を隠すよう言われ、政子のもとに行きました。
■政子と実衣
「あなたは私が守ります」(政子)
■三浦義村
「命乞いかあ」
「面白くなってきたな、梶原がいなくなり、比企と一騎打ちだ」
■比奈
比企能員のもとへ比奈がやってきて、橋渡し役として。
「もし戦になれば北条はすべて滅ぼす」(比企能員)
■実衣の保護
実衣を引き渡すよう時連一味が政子の館にやってきました。
それを阻止しようとするのが泰時です。
そこに仁田忠常(高岸宏行)が立ちはだかりました。
■政子の説得
政子に対し、比企能員は妹も同罪だと強調します。
頼家は母上に免じておばの実衣は許すが、全成は流罪と命じます。
実衣と全成が久しぶりの対面です。
「誰も恨んではいけない」(全成)
「わしがよけいなことを頼んでしまったばかりに・・・」(時政)
■評定
所領の再分配の件で御家人から比企に申し立てが来ていました。
「無理があるんだよ、あの方にお伝えしたほうがいいのでは」八田知家
比企能員が鎌倉殿と話してくると席を立ちました。
足立遠元(大野泰広)は自分がいる意味があるのか疑問のようです。
■トキューサ?
双六をする時政に、時連は時房という名前を与えられたことを話しています。
比企能員は頼家に所領の再分配について意見を聞きに来ました。
比企に任せろといいますが、頼家は上野のすべての所領を分け与えよと命じます。
宿老自ら忠義を示せば御家人は従うと。
■常陸国
比企能員は、常陸の国に流された全成に実衣を守るために頼家に呪詛しろと命じます。
八田知家が頼家に、常陸国で全成が頼家を呪詛していると伝えました。
打ち取るために引き立てられた全成は呪文を唱えると、突然大雨が降り出し、首をはねられる寸前に雷が落ち命拾いしました。
しかし、最終的には、八田知家に首を撥ねられました。
全成が息絶えると嵐は止みました。
義時は時政と実衣に、立派な最期だったと報告しました。
実衣は泣きながら「やってきれましたね、最期の最期に」
「こんなことがいつまで続くのです」(政子)
「一体何が出来るというのですか」(義時)
■鞠と首
頼家は毬を見ると全成の首実検をしたことを思い出していました。
比奈は、義時に呼ばれ、伝えておくことがあるといいます。
■比企能員
義時に比企能員が仕掛けたわなだと問い詰められます。
そこに善児が現れ、「わしに力を貸さんか?」(比企能員)
「お断り致す、鎌倉から出ていってもらう必ず」(義時)
「このわたしが悪い根ねを断ち切る、この私が」
「鎌倉殿にこちらにきていただきました」
しかし、そこに頼家がいません。
時房から倒れたと報告が入りました。
----つづく----
次回は第31回「諦めの悪い男」8月14日放送です。
■感想
全成の最期が時間をかけて詳しく描かれました。
可哀想な最期でした。
しかし、実衣が助かり全成だけが粛清されたのはすこし腑に落ちない点があります。
実衣は阿波局と呼ばれる女性で、実在はしたのでしょうが、どうも出自がよくわかっていないのが気になります。
■勝手に解説
鎌倉殿の13人で北条時政は嫁の尻に敷かれた頼りのない武将として描かれていますが、本当にそうなのでしょうか。
『吾妻鏡』は北条方によって書かれた史料であり、北条を悪く書くことは殆どありません。
そして、北条の暗部を書くこともないでしょう。
その『吾妻鏡』において時政のことはあまりはっきりと描かれていません。
北条氏は、東国の有力武将、三浦氏、千葉氏、小山氏などと違い、出自がわかっていません。
弱小の武士団であった北条を興隆させるため、源氏の棟梁ですが流人であった頼朝を元に、一世一代の大勝負を仕掛けた敏腕な武将だったのではないでしょうか。
梶原景時を亡きものとし、時政が国守・遠江守に任命されたのも、政治手腕に優れたものがあったと見ることができます。
そんな目で時政を見ると、ドラマが違って見えてくるかもしれません。
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