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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第24回「変わらぬ人」

2022年6月19日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第24回「変わらぬ人」を視聴しました。

<始まる前に>

今回の悲劇は、範頼と大姫それぞれ二人の話でしょうか。
どちらも悲しい運命が待っています。

<NHKのあらすじ>

源頼朝(大泉洋)と万寿(金子大地)が巻狩りを終えて無事に戻り、喜ぶ政子(小池栄子)。
しかし、頼朝は自身に代わって鎌倉殿の座に就こうとした弟・範頼(迫田孝也)を許さず、余波が鎌倉を揺るがしていた。
比奈(堀田真由)を傍らに、三浦義村(山本耕史)、金剛(坂口健太郎)と思いを巡らせる義時(小栗旬)。
そんな中、亡き許嫁・源義高(市川染五郎)を慕い続ける大姫(南沙良)は、頼朝が用意した縁談話を歯牙にもかけず……

■プロローグ

「わしはまだまだ死なん」(頼朝)
頼朝の無事を喜ぶ政子です。
自分が鎌倉殿になろうとしていたという、範頼が朝廷に送ろうとしてた文が発覚しました。

---曲---

エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

富士の巻狩りで起こった、頼朝の暗殺未遂。
その余波が鎌倉を揺るがしている。
野心を見せた者を頼朝は許さない。

■範頼の危機

範頼に話を持ちかけた比企能員にとりなしを頼むべきと三善康信(小林隆)。
それに対し、道(堀内敬子)は、巻き込まれてはいけないと、範頼に会おうとする比企能員(佐藤二朗)を引き止めます。
義時は能員が絡んでいるのではないかと問いますが、範頼は否定します。
そこで、起請文を書いて謀反ではないことを訴えかけることにしました。
大江広元は、起請文に”今後末代まで忠義を尽くす”と書かれているのに、署名に源範頼とかいてあるのは偽りの証拠である、と指摘します。
範頼は「もう結構にございます」と、諦めてしまいました。
そこに比企尼(草笛光子)が登場です。
安達盛長(野添義弘)の妻は比企の出でした。
政子も範頼は謀反を起こすような男ではないと庇います。
ビンタを張られる頼朝ですが、比企尼を帰してしまいました。

■範頼の処遇

死罪を免れ、修善寺に幽閉されることになりました。
関与を疑われた岡崎義実に、梶原景時は真っ先に挙兵に駆けつけた功労を頼朝は忘れていないといいます。

■比奈と義時

三浦義村(山本耕史)は金剛ははつと一緒になれと問いかけます。
義村は、隠居して三浦の家督は弟に継がせると言い出しました。

■大姫の心境

京からやってきた公家の一条高能(木戸邑弥)が大姫と話しています。
「ごめんなさい」義高という許嫁が居る、という理由で結婚を断ったのでした。
阿野全成(新納慎也)の祈祷で義高を諦めさせることに失敗します。
大姫は、和田義盛(横田栄司)の元を訪れ、巴御前に合わせてほしいと頼まれます。
巴御前(秋元才加)は大姫に義仲の話をはじめ、「死ななくてよかったと心から思っている、人は変わるのです」
大姫は京へ行き帝との縁談を受けると決意しました。

■建久六年(1195年)2度めの上洛

実権を握る九条兼実(田中直樹)に立ちはだかったのが中納言・土御門通親(関智一)。
九条兼実が宋の陳和卿に頼朝に会って功徳を称えるよう準備していたのが覆されました。
「頼朝など放っておけば良い」(土御門通親)

■京・六波羅御亭

丹後局(鈴木京香)と大姫、政子が面会します。
大姫の着物に難癖をつけますが、帝はどんな着物なら喜んでくれるのかと政子は問います。
「あなたは単なる東夷」(丹後局)
「帝からすれば数多のおなごの一人に過ぎぬ」
九条兼実と土御門の娘がすでに帝の子を身ごもっていることを話します。

■頼朝と政子

頼朝は敵に回したくない言わせておけ、と素気ない返事です。
「都は好かん」(頼朝)

■大姫行方不明

三浦義村は北条と差がついたのをよく思っていません。
畠山重忠は大姫がいなくなったと屋敷を探します。
三浦義村は雨に濡れた大姫を見つけます。
「姫は悪くない、生きたいように生きればいい。帝に嫁いでは姫の身が持ちません」(義村)
しかし、大姫は、急に倒れてしまい、入内の話は延期になりました。

■鎌倉に戻った大姫

病で床に臥せた大姫に政子は優しい言葉をかけます。
「死ぬのは怖くない、死ねば義高殿に会えるので楽しみで仕方ない」(大姫)
そのまま衰弱し建久八年、20歳の生涯を閉じました。

■不穏な動き

遺体となった大姫の前で、頼朝は「わしは諦めぬぞ、なすべきことがあるのだ」
三幡の入内の話を進めるよう義時に命じます。
範頼が野菜の話をしていると、五藤太(藤田健彦)と妻(山田里奈)が倒れています。
善児(梶原善)が後ろから範頼に声をかけ、範頼は心臓を一突きで殺害されました。
それを目撃していた少女トウ(高橋愛莉)には手にかけませんでした。
「頼朝はこのところ熟睡したことがない。自分の死が間近にせまていることを」(長澤まさみ)

----つづく----

次回は第25回「天が望んだ男」6月26日放送です。

■感想

やっぱりこれか!善児の出番。
クレジットタイトルで善児の名前があると誰かが暗殺されるので、気分が憂鬱になりますね。
目撃者の少女・トウを殺めなかったのは今後の伏線で、成長したトウ(山本千尋さん)が、善児とどう絡んでくるのか見ものです。

そして、ドラマ中盤のクライマックス、頼朝の死因についてどう描くのか?
まったく史料に残っていない謎の部分なので、これもドラマならではの醍醐味です。

■勝手に解説

大姫入内問題
建久六年(1195年)2月、頼朝は鎌倉を出発し上京することになります。
当時、姥桜とよばれ妖艶な美人として知られた丹後局が、後白河法皇に寵愛され、「長講堂領」という膨大な荘園を貰い受け、御所に大きな力を及ぼしていました。
その丹後局に接近したのが、土御門(源)通親という貴族でした。
一方の勢力が九条兼実です。
そして、今回の上洛において、頼朝が頼ったのは九条兼実ではなく土御門通親でした。
どうしても入内させたい頼朝・政子の気持ちをうまく利用する権謀術数に長けた丹後局と通親です。
その後、九条兼実は丹後局・通親派に追い落とされ、関白を罷免され、弟・慈円も天台座主の地位を奪われました。
皮肉にも、兼実の娘・任子が皇女を産んだのに対し、通親の養女は後鳥羽天皇の皇子・土御門天皇を生んだのでした。

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