SaaSマーケターが年収1,000万円を達成するには
こんにちは。
今日はSaaSマーケターで年収1,000万円を目指す方法について紹介したい。
年収1,000万円。甘美な響きだ。
日本では人口の約5%が年収1,000万円超えだったと記憶している(うろ覚え、引用ありません)。
別に1,000万円を超えたからどうというわけではない。たまたま世界で10進法が使われているからそこに大きな壁があるように感じるだけだ。
とはいえ、年収はその人の市場価値を示す1つの指標となりうるし、年収が高いのと低いのどっちがいいかと聞くと大抵の人が高い方がいいと答える。
その中で、1,000万円という具体的な数字を目標としてそのために何ができるかを考えるのは別に悪い話ではない。MRRを上げよう!ともがくのとMRR1,000万円をいつまでに実現しよう!と考えるのとではアクションの具体性が変わるのと同じだ。
ということで、1,000万円を1つの到達点と考えながら、SaaSマーケターとしてのキャリアアップにも通ずるノウハウとして今日は書いてこうと思う。
どうやったら年収は上がるのか
どうやったら年収は上がるのだろうか。
副業に手を出すという選択肢ももちろんあるわけだが、一旦本業だけの話を考えよう。
本業の年収を上げるには何をすればよいか。
そう聞いてみると大抵の人が今所属している企業の評価制度に思いをはせながら答える。
・今担っている目標を達成する
・会社の行動指針に適した行動をとって上司に認めてもらう
・360度評価で周りから高い評価を得る
・会社が定めている一定基準のスキルを得たと上司に認めてもらう
大体返ってくる答えはこんな感じだ。
確かにその制度に則って評価がなされる以上、これをやったら年収が上がるのは間違いではない。
しかし、「あいつは最近頑張っているから」と上げてもらえる年収なんて1年間でせいぜい50万円くらいだ(それでももちろんありがたいわけだが)。そのペースでは1,000万円に到達するのなんてまだまだ先だし、毎回上手く評価が上がっていく保証もないわけだから、いつまでも1,000万円に近づかないことだってある。
なので、年収1,000万円を目指すにあたって、圧倒的なスピードで評価を得て成長していくためには評価制度の1つ上を目指して努力するよりも、そもそも年収が上がる理由の本質を知る必要がある。
年収アップの本質とは
その理由の本質とはズバリ
事業成長にどれだけのインパクトを与えることができるか
である。
報酬は基本的に経営者が決める(直接決めるのは上司でも、ルールは経営者が決めている)。
経営者にとっての1番の関心ごとは事業成長の速度とスケールなのだから、報酬も1つのコストとして考える以上、そのコストを支払った先に求めるリターンはいつも事業成長だ。
とはいえ、これは別に短期的に売上を立てることができる人材が重宝するというわけではない。中長期的な成長をしていくには、圧倒的な営業力を持つ営業パーソンも必要だろうが、市況感を正確に把握するマーケターも必要だし、マネジメント人材も必要だし、営業データを整えるOps的な役割を持つ人も必要だ。それらすべてが結局は事業成長のために必要な役割なのである。
目標達成度や行動指針の体現度、上司による評価や360度評価、などなど様々な評価制度はこの「事業成長を進めてくれる人材を見極める」方法として基準を設けたにすぎない。
なのでこの評価制度のみを見て自身がどう成長すべきかを考えることは、その裏にある本質に気づけていないという意味では、SEOの順位向上ロジックだけを見てSEO対策するのと同じなのだ。本当にやらなければならないことはユーザーを見て必要なコンテンツを考えることで、それはつまり経営者と会社を見て必要な人材を考えるそれを目指すことなのだ。
どうやって事業成長にインパクトを与えられる人材になるか
年収を上げるには事業成長にインパクトを与えることだ、と書いた。
でもそれってどうやって?が次の疑問だろう。答えよう。
あなたは、自分が今担っている領域の成果が2倍になった時、事業の売上が何倍になるか知っているだろうか。(2倍という定量成果で考えづらい役回りなのであれば、今自分がやっていることを2倍速で進めたら事業成長がどれくらい速くなるかで考えてみると良い)
おそらく大抵の人は「わからない」と答えるだろう。
これだ。原因はこれなのだ。
例えばあなたがWeb広告を担当しているとしよう。そうすると普段ウォッチしているKPIは広告経由のリード数だろうか。もしくは指名検索数なども追っているかもしれない。
メルマガ担当なら、ナーチャリング活動によるMQL数やハウスリストからの商談数だろうか。
広告経由のリード数が2倍になったとする。予算を増やしたわけではないのであれば、それは物凄い成果だ。広告運用担当としてはめちゃくちゃ優秀なのだろう。
しかし、その結果売上や利益にはどのくらいつながったのだろうか。20%かもしれない。5%かもしれない。0.2%かもしれない。受注につながらないリードが増えただけで、利益はマイナスかもしれない。
経営者は広告経由のリード数を増やしたいわけではない。売上を増やしたいのだ。企業価値を伸ばしたいのだ。つまり年収(=あなたに支払うコスト)を上げるためには、あなたも同じ土台に立ってそこにインパクトを出さないといけない。
つまりまず第一歩は、あなたが今やっている業務が事業成長にどれくらい相関しているかを知ることから始まるのだ。
ちなみにこちらの記事でSaaSのKPIツリーについて触れている。それも参考にしてみると、あなたの業務と売上の関連性もわかりやすくなるだろう。
ここで、あなたが今持っている責任領域が、事業成長に一定のインパクトがあるのであれば、そこをとことん突き詰めていけば良い。
広告経由のリード数が売上全体の大半を占め、広告経由のリード数を2倍3倍としていけば売上もまた2倍3倍となる想定なのであれば、事業成長のドライバーはあなた自身だ。広告経由リード数を確実に伸ばしていくスキルを身に付け、そこをゴリゴリ推進していくことで、あなたの価値は社内でも社外でも確実に上がっていく。
一方で、広告経由のリード数が2倍になったところで貢献できる領域がたかがしれていたり、もしくは広告経由のリード数にさほど成長は見込めず、現状維持が精一杯なのであれば、その領域でどれだけ頑張っても大して年収アップは見込めない。
つまり、もっと広く・高く見られる視野が必要なのだ。
KPIツリーの上段を見る。広告経由のリード数を見ているなら、1つとなりのオーガニックにも頭を回してみる。リード数全体に頭を回してみる。リードの商談率に頭を回してみる。
まずはデータを見て、何が課題かを知り、その課題を解決するための方法を社内外様々なところからインプットする。
そして必要に応じて周囲を巻き込みながら対策アクションを具体化し、ディレクションし、効果検証する。これを自分の責任領域だけでなく、その周辺にいかにやっていくかが重要なのだ。
これを続けることで、事業成長に直接インパクトを出せる人材になっていく。年収が上がる人材とはこういう人材のことだ。評価指標における各評価結果は、これをやっておけば基本的にはついてくる(もちろん無視したり反した行動をとっていない前提で)。
事業成長という観点から自分が今やっていることとその成果を捉える、というところから年収アップへの道は開けるのだ。
とはいえ年収1,000万は遠い
今書いたようなことを意識して、自分の責任領域以外にも目を向け、徐々にそれらに関する情報インプットや改善アクションを考えることができるようになったとする。
それが昇進につながることもあるわけで、その結果年収が上がることにもつながるだろう。
とはいえ、そうすれば今の会社で年収1,000万円を超えられるかというと確実とは言い切れない。そもそもその会社の報酬水準というものがあり、どれだけ頑張っても年収1,000万円を会社が払えないかもしれないからだ。
僕はこれまで様々なSaaSマーケターの方と面接をしてきたが、正直年収1,000万円を本業で超えている方はあまり見たことがない。100人くらい面接してきたが、覚えているのは3人くらいだろうか。
そしてその3人とは、スタートアップでいうところのシリーズCくらいのフェーズでそれなりに資金はある中で10名以上のマーケ組織の責任者をしているような人だったり、もっとレイターな企業(もしくは上場企業)でマネージャーをしているような人だ。
なのでSaaSマーケで本業年収1,000万円を超えることを目標にするなら、結局はそういった規模感の企業で責任者を目指すことになるのだろう(そのためのアクションは僕がこれまで書いたことと乖離はしない)。
副業とあわせて年収1,000万円を目指す
というように、SaaSマーケで本業1,000万円が不可能ではないものの、なかなか難しい話だ。
めちゃくちゃ僕の主観的な話をするが、600~700万円くらいまではメンバーレイヤーでもしっかり経験とスキルを積んで頑張っていけば給料は上がっていく。
しかしそこから上げるのが結構難しいのだ。さっき書いたようにそもそもそれ以上の金額帯の報酬体系を持っている企業である必要があるし、広い範囲で成果を出せてマネジメントもできてで責任者クラスにならないといけないわけだ。
ここから先になってくると年収アップのペースが鈍化してくるので、年収を上げるという意味では副業に手を出した方がペースとしては速くなる。実際僕の知り合いで本業収入が700万程度、副業収入で300万円以上稼いで年収1,000万円を超える知り合いというのは結構いる。
とはいえ、副業にはもちろん時間が必要だ。あなたが仕事に割く時間は増えるわけなので、楽にそれなりに稼ぎたいという人は別に副業する必要はないと思う。
副業は本業と同じことを他社でやるか、自分で事業をやるべき
ではどういう副業をやるか、ということになるわけだが、これには大きく2つしかないと思う。
1つ目が本業でやっていることを他社でもやることだ。本業で報酬をもらっている仕事なわけだから一定のスキルを持っているはずで、このスキルを使って他社に貢献して業務委託料といった形で報酬を受け取れば良い。
もう1つが自分で事業をするパターンだ。事業と言っても別に本格的なものである必要はなくて、それこそアフィリエイトをやる、とかも立派な事業だし、メルカリ売買から初めてせどり(物販)に手を出したり、YouTuberになったり、なども立派な事業だ。
前者は手っ取り早く月5~20万円程度の報酬を得るのに向いている。企業に雇ってもらうわけだから報酬面では安定するだろう。
とはいえ大抵の場合使う時間によって報酬は決まるので、副業でかけられる時間の限界から考えるにせいぜいMAX月20万円程度だろう。
一方、後者の場合はお金を稼ぐまでに時間がかかるかもしれない。それに難易度も高い。しかし得られる報酬に限度はないので、夢は広がる。将来的に大きな金額を稼ぎたいのであればこっちの方向性で考えるべきだ。(これについてはまた別のNoteにいつかまとめたい)
まとめ
ということで今日はSaaSマーケターが年収1,000万円を目指すポイントを書いた。
・本業で目指すなら事業成長に直接インパクトを出す動きを考える
・しかしそれでもSaaSマーケ本業一本で年収1,000万円はなかなか厳しい
・副業をやったほうが稼ぎは上がりやすい
・手っ取り早く稼ぎたいなら本業と同じことを他社でやる
・たくさん稼ぎたいなら自分で事業をする
というのが今日のまとめだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?