ドリップされたコーヒーが飲みたいの
南アフリカだけではなく、イギリスやアメリカでもイタリアでもフランスでもあまり、日本でいう「ドリップコーヒー」があたり、飲まれていない。
僕は、日本にいたころ、毎朝家で豆を挽いて、その香りに癒されながらお湯の温度を確認し、重さを図りじっくりドリップをするあの時間がとても好きだった。
日本では、ひと昔前、ブルーボトルコーヒーの来日を機に、どわどわっとこだわりの職人たちが奏でるコーヒー屋さんが増えていった気がする。
そして、高い品質の良いコーヒーが増えた。
緻密に計算しながら、素晴らしい豆と抽出方法を掛け算して至高の一杯を作り上げている、そんな職人様たちのコーヒーを味わおうと、色んなお店を訪れていた。
特に、恵比寿の隠れ家である、
PENCIL AND PAPERは、とにかく通って美味しい抽出方法をよく教えてもらっていた。
(あのおじちゃん元気かな。南アフリカに行くことを伝えていない..。)
それほど愛するドリップコーヒーを、南アフリカではなかなか飲むことができていない。
ここにドリップコーヒーが少ないのには色んな理由がある。少し調べてみると、海外はアメリカーノが多く、日本のその職人気質故に、日本だからドリップコーヒーが多い。という考え方になるようだ。
また、海外はエスプレッソで、サッと飲めるのが主流のコーヒーの味わい方であり、休憩のためのコーヒーという考えではないのかもしれない。そのような文化的コンテキストもあるようだ。
僕も最初は、いわゆる、エスプレッソのお湯割りであるアメリカーノを渋々飲みはじめいつのまにかそれが当たり前にはなっていた。
でも、ここはオリジナリティのお店だろ!と思わせるカフェに行くときには胸を驚かせながらメニューを見る。
そしてようやく最近、ケープタウンのCity Centreという地域で3店舗、ドリップされたコーヒーを出してくれるところを見つけた。
そして、わざわざドリップコーヒーを出すくらいの手間暇さと、学びを得ているのでめちゃくちゃに美味しい。
南アフリカでも、こんなコーヒーに出会えることにとても満足をしている。
しかも、まだ日本のそれよりも安く、400円ほどで飲める。(確か、日本は550円とかのような)
そもそも、南アフリカはカフェが異常に多い。
日本の比じゃない。
カフェが多いというより、コーヒースタンドというべきか、エスプレッソマシーンを置き、万事コーヒーを提供できる店がとても多い。
小さいなパン屋さんでも、アパレル屋さんでも、カレー屋さんでも、家庭でもどこかしらには置いてあり、いつでもコーヒーを楽しめる環境にある。
彼らは、コーヒー屋同士で顧客を取り争うことなんて考えておらず、あなたの束の間の休息にいかが。と添えてくれるイメージだ。
そんなコーヒー提供屋さんがひしめくなかで、出会えた手入れコーヒー屋には、今後惜しまなく通うと思う。
また、こちらではPour Over(上から注ぐ)Coffeeと呼ばれている。
特に、Origin Coffeeは豆を特に大切に扱っており、その抽出も丁寧かつ、提供の仕方もとてもおしゃれである。
これが、その至福の一杯でありコーヒーブレイクどころか、コーヒースリープを誘発させるほどの居心地の良さと休息をとらせてもらえた。
この、ワインのように香りを楽しみくださいといわんばかりの注ぎの量とか、最高である。
サイフォン式もあるなんて、コーヒー研究所のようだ。
ケープタウンにしばらく住む中でも、こうやって新たに発見や出会いがあるのがとても嬉しい。
特に、ないだろうからの逆転劇は、期待を超えてくる分とても喜ばしい。
Rosetta Roastery Cafe (Bree Street)の彼女が、南アフリカはドリップ少ないんだよねぇ。でもその中でも、Origin Coffeeは美味しいよ。と教えてくれたのだ。
ケープタウンにも、東京、大阪のように"映え"的なおしゃカフェは多数あり、それらを今後まとめるのも必要だが、まずは、至高の一杯シリーズをお伝えさせて頂きました。