コロナ上陸からそろそろ一年
著者:六甲茂子(ロコモコ)
早いもので、新型コロナウイルスが、この小さな島、オアフ島に上陸して以来、一年が経とうとしています。
この一年、私を取り巻く環境も、皆さま同様にガラリと変化しました。
今後も様々な局面で事態は変化を続け、もう元には戻らないのでしょうね。
だけど、こんなご時世だからこそ見えてきたこともあるわけで。
まだまだ先が見えない現在、今回は私の周りの状況をまとめてみたいと思います。
仕事編
私の会社はかなり対応が早く、知事からの勧告が発表された翌日にはリモートワーク体制が敷かれました。
オフィスへの来客は一切禁じられ、弁護士とのミーティングや公証は全て、電話かビデオ会議に。
出勤は個人の判断に委ねられ、私の場合、最初は隔日、今は週一で出勤しています。翻訳と言う仕事柄、パソコンさえあれば、どこででも仕事ができるのはラッキーでした。
今ではリモートにも慣れ、オフィスと同じペースで働いています。最初の頃は、公私の切り替えが苦手だったんですが、結局慣れですね。
以前にも書きましたが、コロナ禍でハワイの経済はかなりの影響を被りました。我が家も自営業の夫は、見事なまでに仕事が0に。
そんな事態にも関わらず、ヨロヨロとでも働き続けられていることに感謝しています。
家庭編
生活は急速にミニマル化しましたね。
買い物は食料品が中心。外食の機会がグッと減り、料理に凝るように。近所の家族経営のお店で、たまにテイクアウトも。
この一年、洋服もほとんど買っていません。地元ハワイのデザイナーの洋服をオンラインで数枚購入したのみ。マスクはあれこれ揃えていますが。
以前のように買い物を楽しめる日が来る事を願いつつ、今はできる範囲でローカルのビジネスをサポートできれば、とは思うものの…
うーん、購買力、心許なし。
娯楽も、家中心。Amazonファイヤースティック、大活躍です。あとはウォーキングや自転車。夫と景色の良いところでお弁当を食べたりとか。
健全!そして地味!
一つ一つの出来事に時間をかけて大切にして、内省したり話し合ったりする事が多くなりました。派手さはないけど、こういうペースも悪くないですね。
私は夫と義母と一緒に住んでいるのですが、コロナ禍で家族の絆は確実に強まったように思います。
義母は高齢、夫は持病あり、と2人ともコロナに関しては高リスクなので、
「何はなくとも彼らに感染させてはなるまじ!」
との決意を日々新しくしています。
コロナ禍で夫の仕事は無くなったのですが、その分家族で過ごす時間も増え、お互いを思いやる気持ち、労る気持ちは増えたかな?
思いやりと言えば…
アメリカあるあるで、毎年多数のクリスマス・プレゼントを派手に贈り合う事に赤目を吊っていた私たち。
昨年のクリスマスは小さく、でも心を込めたプレゼントを贈り合い、クリスマスの精神というか原点に戻れたようで新鮮でした。
最近の学び
前述したように、2020年は原点回帰の年だったように思います。
私は最後のバブル世代で、思えば若い頃から、目の前にあるキラキラとしたものを追いかけてばかりの毎日でした。別名、見栄っ張り。
物質的に満たされたら精神面も満たされたいし、何でも手に入れたい、賢くなりたい、海外に住みたい、ワンランク上の自分を手に入れたい(うえ〜)と、握力は強まるばかりでした。別名、欲張り。
しかし、中年になりやっと気付いたのは、私は私、という事。別に賢くもないし、キラキラしてもいない、等身大のただの自分。
それを直視するのは容易いことではありませんでしたが、このコロナ禍だからこそ、ただの自分と自分を取り巻く環境を大切にしようと思えるようになりました。
それでいいんだ。誰に承認して貰えなくても、幸せは身近なところにあるんだ、と。新しい種類の幸せを気付かせてくれたのは、コロナ禍とそれに伴う新生活だったのだと。
すみません、なんだか偉そうですが、いつの日か今の時代を笑って振り返る日々が来る事を祈るばかりです。