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公衆衛生虎の巻

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公衆衛生にまつわる歴史やエピソード集です。宮崎県出身の公衆衛生の巨人である高木兼寛の言葉「道は古今を貫く」の観点から、公衆衛生の「既にある未来」を知りたい方や、公衆衛生が嫌いにな…
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記事一覧

美容整形の聖地は、韓国ではなくインドである

インドでは、「アーユル・ヴェーダ」という伝統医学が今も盛んです。 アーユルとは「命」、ヴ…

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COPDの病名を肺スカスカ病に変えれば我が国のプライマリ・ケアの質が上がる

厚生省は、1958年に高齢者の脳卒中を予防するための検診を始めるときに、「老人検診」とい…

ハベレオ通信
18時間前
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態度や礼儀作法を身につけることは、若い医師が成長するための必須スキルである

宮崎大学医学部の1年生の地域枠の学生に講義をしました。 最初のパワーポイントに次の4つを…

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食品事故は、原因の究明に焦点を当て過ぎて、消費者への適正かつ迅速な情報提供が遅延…

1982年の秋に、アメリカのシカゴで、毒入りのタイレノールカプセルで7人が死亡する事件が…

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黒船に乗り込んだ吉田松陰は、疥癬に罹っていた

疥癬という皮膚科の疾患があります。 皮膚に寄生するヒゼンダニによる疾患で、感染力が半端な…

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医療と観光は、総力戦で望む必要がある。ホスピタルとホテルは語源が同じである

2年前に、椎葉村の平家祭りを見ました。 椎葉村出身ですが、平家祭りを見たのは初めてでした…

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神農は、あらゆる植物を薬になるどうかと食べて確認しすぎて死んでしまった

古代中国には、有名な医学の神がいます。 人生いろいろ、神様いろいろなのですが、中でも「神農」は日本人にも身近な存在です。 神農は薬の神で、あらゆる植物を薬になるどうか食べて確認しました。 これをやりすぎて死んでしまった、という神農伝説があります。 神農の名前のついた「神農本草経」は、365種類の薬を、上、中、下の3種類に分類しています。 「上品」は、命を養うもので毒性がなく、長期服用しても害がないもの 「中品」は、体力を養うもので、使い方次第で毒にも薬にもなるもの

もし私が立志式に出たら、「公衆衛生」という四字熟語を選んで夢を語りたい

母校の椎葉中学校の立志式に行きました。 中学2年生が、それぞれ自分の好きな言葉を選んで、…

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富山県の射水市民病院で起きた「呼吸器取り外し」事件で、ACPができた

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という取組があります。 終末期など人生の最終段階…

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市町村保健センターは、役所の廊下が伸びたようなものでございます

1978(昭和53)年9月に、旧ソ連(現カザフスタン共和国)のアルマアタで開催されたWH…

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イノシシは、肺吸虫の待機宿主である

イノシシは、谷川に棲むカニをよく食べます。 石をひっくり返して、沢ガニなどを見つけて食べ…

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ウクライナは、外国人の代理母による出産を商業的に認めている数少ない国である

母子保健課の課長補佐のときに、生殖補助医療を担当しました。 21世紀初頭の母子保健の国民…

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厚生省が推進している母子健康手帳に、労働省の母健カードを入れることが両省統合の象…

厚生省の母子保健課の課長補佐をしていたときに、21世紀初頭の母子保健の国民運動計画である…

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新しい人との出会いが、さまざまな政策や事業が始まるきっかけになる

富山県に赴任した直後は、富山県内にはひとりも知り合いはいませんでした。 県庁の医務課に勤務していた女医さんが、食事に誘ってくれました。 そのとき、富山大学の脳神経外科の教授を連れてきました。 教授は「せっかく富山県に来たのだから、何か一つでも医療政策をやって下さい。我々も協力します」と言ってくださいました。 富山県では、医師不足が問題となっておりました。 公的病院でも医師が不足しており、県議会でもなんとかしろという声が上がっていました。 医務課の担当の説明を聞きま