和綴じでお手製noteつくりませんか?
和綴じをご存じだろうか。そう、時代劇などで出てくる、あれである。寺子屋で使われている、あれである。
実は、和綴じ本は結構簡単に、百均でそろう材料で作れてしまう。しかも、作りとしてはほとんど江戸時代に使われていたものと変わらないものができる。すごいぞ和綴じ本!かわいいぞ和綴じ本!
〇こんな方におすすめ、和綴じ製本!
・長い春休みで時間を持て余す学生さんたち。
春からの新学期に向けて、裏紙で作るお手製ノート!
・少部数でコピー本を出す予定の同人活動の者たち。
コピー本も中綴じホチキスも十分本。しかし、少し手間をかけて和綴じコピー本を作ってみるのはどうでしょう。表紙の色や、綴じ糸の色を変えられるので、推しカラーや作品のイメージを簡単に装丁に反映できます。一つずつ心を込めて作った本、尊い。
準備するもの
・裏紙(本文用紙) 綴じたい分だけ。
・表紙、裏表紙用の紙 使いたいものをどうぞ。おすすめは後で紹介。
・錐 百均で十分です。
・のり 海苔ではない。
・厚紙 薄い段ボールなどで代用してもOK。
・刺繍針と糸 あればクロスステッチ用の先が尖ってないものを。無ければなんでもよい。
作り方
①本文用紙の紙を折る。
今回は家にあった裏紙を使用して、簡単なメモノートを作ります。小さめがいいので、A4の紙を半分に切ってA5に。
それを二つ折にしたものが本のサイズになります。だいたい文庫本と同じくらい。
きちんと折り目をつけるために、その辺にあった分厚い本でプレスしておくといいです。
②穴のひな型を作る。
次に、厚紙で糸を通す穴のひな型を作ります。今回は百均で用意した厚紙を使用。たくさん量産するつもりならば、すこし固めの紙を用意するといいです。
本文用紙と同じサイズに切ります。だいたい15㎝くらい。
穴の場所を決めます。今回は四つ綴じにするので、天地から1.5㎝、穴同士の間隔は4㎝。本のサイズが大きければ穴の数を増やしても良いです。いずれにしろ、天地から最初の穴までの距離を等しくし、穴同士の距離も等しくします。
台紙に穴をあけます。手を怪我しないように気を付けてね!
③表紙と裏表紙をつくる。
表紙と裏表紙は、お好きな紙でどうぞ。気に入った和紙などで作るのもいいかも。
おすすめはseriaのラッピングシートです。
色数も多く、いっぱい作れるので、同人などで量産する場合はとてもお手頃。リバーシブルなので表紙と裏表紙で色を変えることも可能!和紙っぽい作りですが、しっかりとした紙なので、多少の折れや擦れに強いのもうれしいです。
これを、本文用紙よりも四辺が1~2㎝大きく切ります。
本文用紙を包むように折ります。
本文用紙は抜きましょう。表紙を貼ったときに、本文用紙が見えないようにほんのわずかに大きく折れているとよいです。
四隅の重なっている部分は斜めにハサミで切っておきます。
折りたたんだところをのりで貼ります。これで表紙と裏表紙は完成です。
④表紙と裏表紙に見返し紙を付ける。
表紙に見返し紙を貼り付けます。
のりは全面には付けずに、「わ」の部分と上下の三辺と中央に塗ります。これは、紙がのりでヘタらないようにするためです。ピラピラの方は貼り付けないでおきましょう。穴をあけるときにのりでべた付かないためです。
こんなかんじ。
⑤穴をあける。
台紙と表紙・裏表紙・本文を合わせて、クリップで止めます。ここで「わ」の方に穴をあけてしまうと悲しき和本が出来上がってしまうので、きちんとピラピラの方であることを確認しましょう。
錐で台紙に合わせてぐりぐりと穴をあけます。本文の量が多い場合は一度で開けるのは難しいので、何枚かに分けて穴をあけるといいと思います。
あきました。
⑥綴じる。
綴じます。
和綴じ用の糸や針というものも存在しているのですが、なかなか手に入りにくい。ので、今回は刺繍糸と刺繍針で綴じます。人によっては、ボタン付け糸などを使用するそうです。撚りがあって強いものの方が保ちがいいのですが、余程酷使するわけではないなら、刺繍糸でも十分かと思います。お好みの糸を使ってください。
糸の長さは、綴じる和本の縦の長さ二周半くらいを取ってください。今回は15㎝なので、75㎝程の長さで綴じました。
玉止めをして、最初は数ページ内側から針を通します。そうすることで、糸端を中に隠すことが出来ます。あとはスイスイスイ、と縫うだけ……なんですけど、言葉じゃ少し説明しにくいなあ。
というわけで、手元動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=AWbKcb9vNGE
動画撮るのはじめてなので、異様にもたついてます。youtubeにいくつか分かりやすい動画あるので、見ずらい!って方は探してみるといいかもです。
⑦題簽を付ける。
ここまできたら、もう完成です。最後に、タイトルを書いた紙をぺちょっと貼ります。外枠を二重で囲むと「っぽく」なります。
もっと和本をたのしむアレンジ方法
さて、和綴じ本は完成したものの、このままじゃ少し無味乾燥。ということで、もっと和本っぽくなるアイデアを幾つか紹介します。
①匡郭(キョウカク)を付ける。
多くの刊本には匡郭と呼ばれる四辺の枠が付いています。匡郭を印刷したものを和綴じに使うと、より「それらしい」ようになります。
②柱をつける。
さらに、袋とじの折り目の部分に柱と呼ばれる枠を付ける場合もあります。ここに本の題名を入れたり、場合によっては自分の名前を入れたものを使ったりします。三角形を二つ合わせにした装飾を魚尾(ギョビ)と呼び、折る時の目印にしたと言います。こういった装飾ひとつずつに凝ると、なお「それっぽいな」という雰囲気が作れます。
③題簽を凝る。
題簽にも様々な種類があり、絵が貼ってあった場合もあります。下の写真は私が所持している和本です。題簽ははがれていますが、縦長と四角の焼け跡が見受けられます。おそらく、絵題簽がはってあったのだろうと推察できます。
こんなかんじかな。
他にも、表紙裏表紙に使用する紙を装飾するなど、アレンジは様々!
自分専用の柱を作ってみたり……そろえると綺麗になるのを眺めて見たり……
題簽に絵を描き加えたり、和風のシールを貼ってみたり……
意外と簡単に、しかもかわいく和綴じが作れます。分かりにくいところがあればコメントかツイッターで聴いてくだされば、分かる範囲でお答えいたします。
あなたもれっつ!和綴じライフ!!
注)
この記事は書誌学を履修したにわか和本好きによるnoteです。間違い等あれば、遠慮なくご指摘ください。
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