友がみな我よりえらくみゆる日よ
石川啄木って、すごいな。
でも、「花を買いきて」、一緒にたしなむ「妻」がいないので、私の憂鬱には啄木もお手上げに違いなかろう。
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さてさて今日は、なにについて書きましょうかと、noteの上をあちこちふらふらしていた。時間のかかりそうな話ばかり思い浮かぶので、全て元気に下書きに行っていただいた。どうにも、ギリギリにならなければ書かないけれど、ギリギリに書けるほど書く能力がない。
先日、うっかり0:00に更新してしまい、めでたくシステム上の連続更新が途絶えたところだ。途絶えてしまえばあっけなく、まあ、そんなもんか。少し休むか。なんて思ったのだけれど、やはり気づけば日付変更前にnoteを開いている。書くことって、不思議だ。
『共感』について、最近よく考える。
わたしたちは、文章を紡いで、紡がれた文章を読む。読んで感銘を受けたり、共感したり、なにかを貰ったりする。
それはきっと交流なんだろうけれど、なんだろうな、ときどき、『対話』から『反射板』になるケースがある気がする。
人が挫折した話に、共感する気持ちは誰にだってある。皆、挫折して「だれも分かってくれない」なんて思って、うじうじしたりするから。
うーん、なんだろうな。うまく言えないな。
つまり、「孤独」や「挫折」、それから来る「立ち直り」。こういったものを、安易に物語化することに危険性を感じることがある。本人がそれを物語化して、何らかの形でアウトプットすることは、いい。いいんだ、全然。
だけれども、周囲がそれを「消費」している場面を時々見つける。
「孤独」や「失敗」や「挫折」って、すごく共感しやすい題材で、だからこそとっても扱いには慎重になるべきなんじゃないかなって、時々思う。
特に、読者と筆者の距離感が近い場合は、これが顕著だ。人は時に「不遇な私たち」という殻に閉じこもって、出て行くのをやめてしまうから。
それぞれがそれぞれの人生で受けた不遇や不条理を否定したいわけではない。ただ、それは自分の身に起きたことで、なんだろうな、似たような経験を持つ人々が集まってモンスターみたいに肥大化するのを恐れているのかもしれない。そういうのは、時に個から離れた集団での対立を生む。
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うまく言葉にできないね、ううん。
つまり、なにが言いたいかというと、「そういうときにこそ『古典』の力を借りたらどうだろうか。」っていうこと。
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私は啄木の句に「ああ、わかるなあ」と思う。
友人どころかスマートフォンの画面の向こうにいる、会ったこともない誰かに劣等感をくすぐられる日がある。そういう日って、誰にでもある。
そういう時に、花なんて買ってさ、大切な人と眺める。
その素朴さと、なんというか、地に足の着いた「庶民感」。
わたしだって負けないぞ、と、意気込むのではなく、一旦距離を置いてみる。その感覚が、とてもいいなあと思う。わかる。いい句だ。
そういうことを、私は啄木に言いに行くことはない。本の前なんかで、「ああ、わかってますなあ」なんて、誰目線かわからないことを思うのだ。
〇
昔の人が書いた言葉というのは、時に千年も読む媒体も筆も印刷もなにもかもを乗り越えて、心にぶっささる時がある。
それは、どう表現すればいいかわからないような情景の美しさや、夢見心地な気持ち。
そして、孤独や、挫折や、鬱屈とした気持ち。
そういうものは、本当に、共感を呼びやすい。そして呼んだ共感が肥大化しやすい。社会が悪いとか、親が悪いとか、大人が悪いとか、見えない敵を作ってくだをまくようなことになりやすい。
社会が悪いことも、大人が悪いことも、場合によっては親が悪いことも、その通りだったりする。それに対して、正当に悲しんだり怒ったりして、もちろんいい。そうするべきだ。
だけれども、集まったその感情を、どうか暴走させないでほしい。
自分のモノでない憂鬱に侵されて、憎悪を膨らませないでほしい。
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嫌な話題のSNSなんかを、ついつい追う時って、ある。
SNSは独り言に反応が来る、そこがいい。だけれど、そこが弱点でもある。
だから、孤独を共有するなら、劣等感を共有するなら、こんなふうに。
啄木とお話してみるのはどうだろうか。
紫式部と話しをしてみてもいい、清少納言でも、紀貫之でも。
たまたま寄った本屋で、一番最初に目についた詩集なんかを買ってさ、喫茶店で珈琲でも飲みながら、孤独に浸かってみるのはどうだろう。
彼らが残してくれた言葉には、いいねを押すことも、すきを押すこともできないけれど、だからこそ自分の中でゆっくり熟成することができるんじゃないかな。
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うーん、やっぱりまとまらないや。
この話題は、またいつか、もうちょっと考えたい。
なんでも古典につなげるのは、悪い癖かも。でも、本当にそう思う。
孤独を共有するなら、こんなふうに。どうでしょう。
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