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春の髄に君がいた

第4話 あの時から

エリナが「おはよう、お母さん」と挨拶をした。

マナが「おはよう。エリナ」と挨拶を返した。

エリナが「今日ね?ノブユキ君の事を初めて見て、ビジュアルがかっこよくて桜に対して絵になると思って居たの?」とワクワクしていた。

マナが「あ、確かにね?あの子カッコよかったものね」とエリナに対して真剣に話をして居た。

エリナが「そうね。でも、絵になる人ってなんか惹かれるというか、魅力があるよね」と笑顔で話をした。

アヤネが「エリナ、おはよう」と挨拶をして、玄関から顔を出した。

エリナが「あ、おはよう。今日は、アヤネ。お休みだよ」と声を掛けた。

アヤネが「あ、そうだった。何か平日だと思って制服を着て来ちゃったよ」と思わず慌てて話をしていた。

ノブユキが「お、僕は、平日と間違えなかったから、洋服も普段着を着て来たよ」と笑顔で話し掛けた。

エリナが「また、制服じゃなくても洋服でもさまになって居るね」と目をまん丸くして返事に答えた。

アヤネが「3人揃うなんて、本当に珍しいね?学校に行く時くらいだよね?」と笑顔で答えた。

ノブユキが「そうだな。こんな3人揃って話をするのは久しぶりかもしれない」と話し掛けた。

アヤネが「ね?3人揃ったわけだしさ。どっかお茶しない?私、制服着替えて来るね。待っていて」としばらくして、制服から洋服に着替えて来た。

アヤネが「待った?」とノブユキ達に尋ねた。

エリナが「待ったも何も、ちょっとだけ待たされたかも」とアヤネの返事に答えた。

ノブユキが「いいじゃないか。じゃ、お茶でもしに行きますか?」と声を掛けた。

茶処 茶房というお店の暖簾(のれん)が見えて、メニュー表には抹茶わらび餅やら、みたらし団子などがあり、そこには餡蜜もあった。

エリナが「美味しそうなメニューだね。私、みたらし団子と餡蜜が良い」と欲張って居ると、アヤネが「あら?そんなに頼んで食べられるの?」と心配そうに声を掛けた。

エリナが「平気だって。現に、みたらし団子一本しかないから、餡蜜ぐらい楽勝だよ」と楽しそうにしていた。

アヤネが「そう。じゃ、頼んだら?」と横目でメニューを見て、何を頼むか考えていた。

店員が来て「あの、ご注文はお決まりでしょうか?」とカフェエプロンと和風着物を着た女性店員が立っていた。

アヤネが「私は、餡蜜でお願いします」と1個だけ注文をした。

エリナが「私はね?みたらし団子と、餡蜜をお願いします」と女性店員さんに頼んだ。

ノブユキは「じゃ、僕はみたらし団子でお願いします」と女性店員さんに頼んだ。

女性店員さんが「じゃ、反復します。餡蜜がお一つ、みたらし団子と餡蜜をお一つ、みたらし団子がお一つ、以上でよろしいでしょうか?」と声を掛けた。

そしてエリナが「はい。お願いします」と笑顔で答えた。

女性店員さんが「どうぞ、ごゆっくり」とお辞儀をして、テーブルの前を足早に去って行った。

アヤネが「此処で出されたお茶が美味しいね?きっと、この和菓子に合うお茶なのね」と嬉しそうに答えた。

エリナが「そうだね?お茶美味しくしているのは、食が進むポイントだよね?」と話をして居ると、他のガタイの良い男性のお客様が「な?姉ちゃん。俺の横に座れよ」と話し掛けられて、女性店員のお尻を触った。

女性店員さんが「お客様、辞めて下さい」と慌てていて、ノブユキが「何をして居る?店員さんが仕事をして居るのに、仕事の妨げになるようなことは辞めて頂きたい」と男性のお客さんと揉み合いになった。

アヤネが来て「ケンカをするなら、このお店に来ないで下さい。他のお客さんの迷惑になりますよ」と男性のお客さんを尻目に注意をした。

男性のお客さんが「ちっ、しょうがねえ。このお店にはもう来ないよ」とアヤネ達を睨んで帰って行った。

女性店員さんから「ふー、ありがとうございます。あぁ言うお客様が多くて困って居たので助かりました」と溜息を吐いた。

ノブユキが「いえいえ、こういう事は僕が何とかしますから、大船に乗った気でいてください」というキザな言葉が出て来た。

アヤネが「ノブユキ君、あんた、かっこつけすぎだよ。もう少し普通に話が出来ないのか」と困惑していた。

ノブユキが「あはは、すまない」と苦笑いを浮かべた。

女性店員さんは「あの、さっきのお礼なので、みたらし団子の方をあと一つサービスさせて頂きました。ごゆっくりどうぞ」とノブユキに渡した。

エリナが「あぁ、良いな。私もみたらし団子、あと一つ欲しかったかも」と欲しげな顔をした。

アヤネが「ノブユキ君、良い事したのよ?サービスして貰うだけの事をしたのだから、当然よ」とお茶を嗜(たしな)んでいた。

エリナが「ぶー、私もあと一つみたらし団子が欲しい」とわがままを言いだした。

アヤネが「じゃ、もう一回頼んだら?そんなにノブユキ君のみたらし団子を見たって上げないわよ」と声を掛けた。

エリナが「すみません。みたらし団子をもう1個追加でお願いします」と店員さんに頼んだ。

店員さんが「かしこまりました。少々お待ちください」と話をして、テーブルの前の通路を戻って行った。

そして、帰る頃には「美味しかったね?やっぱりみたらし団子最高」とエリナが笑って話をして居た。

ノブユキが「あのさ?エリナ。話があるから、今良いかな?」と急に呼び出されて、エリナは「何?」と声を掛けた。

ノブユキが「僕は、あの時からエリナの事が気になって居たよ。でも、他に好きな人でもいたらどうしようかと思って居た」とエリナに返事を返した。

エリナは「そう。私も確かにあの時、桜の下でノブユキ君を見掛けた時、凄く気になって居たよ」とノブユキに今の気持ちを伝えた。

アヤネが「あれ?まさかお2人で談笑中ですか?」とこっそり顔を覗かせていた。

エリナが「え?この会話を聞かれていたのか?」と驚きを隠せないでいた。

アヤネが「聞いて居ましたよ?お2人さん。またまた暑いですね?」とエリナに声を掛けた。

エリナが「そんな事よりも早く帰ろうか?」と気を取り直して、家に帰って行った。

アヤネが「ちぇ、もう少しで面白い所だったのに」とイケヅを言った。

ノブユキが「ほら、帰るぞ」とアヤネを呼んで手を振って3人で帰って行った。



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