番外編:果たして外はそんなにも汚いのか

強迫性障害になったときに、まず「外に出る」ことが

できなくなった。

これは「外が怖い、汚い」と思うからである。

外に出るたびにシャワーを浴びるから、

ゴミ捨てに行っては浴び、宅配ボックスに

荷物を取りに行っては浴び、ということをしていた。

今思うと完全にお金と時間の無駄だ。

外気はそんなに汚くない。

そして最近思うのは、外にあるものも別にそんなに

汚くないということだ。

この考えにたどり着くまでに、半年以上を要した。

家の中でも外でも、汚いものは汚いし、

きれいなものはきれいだ。

玄関ドア一枚を通り抜けただけで外で使っていた

バッグの持ち手についている物質が変わるわけではない。

外で触ることが大丈夫なのに家で触ることが

できないなんて変だ。そう思い始めてから、

外と中で区別をしすぎることをやめることができた。

強迫性障害が酷かったときに親と夫に言った。

「バッグが好きなのに、

外では人に当たらないように地べたに置かぬように

頑張って仲間だと思っているのに、家の中に入ると

途端に敵のようになってしまうのが悲しい」と。

この考えは今では少し変わってきている。

私は帰宅後バッグを触らずに済ませることはできるが、

子どもたちはそうはいかないのだ。

学校へ持っていったリュックを置いてから手を洗い、

着替えをしたらリュックを開けてお弁当箱を出したり

宿題をしなくてはならない。

それなのにそのリュックが汚いとかそんなことは

言っていられないのだ。

子どもたちに本当に悪いことをした、と思った。

私は家の中でバッグを触っても手を洗わなくても

ほぼ大丈夫になってきた。子どもたちのおかげ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?