古典妖怪に関して分析したこと(アニメ感想文)
アニメ妖怪ウォッチの、
「出たぞ古典妖怪!」
「おはらいリターンズ」
「古典妖怪ってすごいの?」
の3つのお話を視聴して考えたことを
まとめました。
「興味を持たれない」が一番辛い
1つ目は他人から興味を持たれないことが
批判されるより苦しい真の辛さであるということ。
アニメの中で古典妖怪の3名はクマやカンチに
冷めた目で見られ、全く関心を持ってもらえませんでした。
そして自己否定の状態に陥り、その否定感は
簡単には解けない状態になります。
これは、昔のやり方が今でも通用すると本気で過信し、
予測不可能な挫折を味わったためです。
恐らく、過去の古典妖怪は人を怖がらせるという活動に
おいて失敗した経験がなく、挫折への免疫力が弱かった
のでしょう。
ウィスパーの猛烈なアプローチで何とか
立ち直ることが出来ましたが、
これが身近に関わる人がいない孤独な人の場合は
長期間、負のループに陥ると考えると怖いです。
「接待ビビリ」が出来るウィスパーたち
ウィスパーはジバニャンやケータに呼びかけて、
古典妖怪たちに元気を取り戻して貰うために、
「接待ビビリ」つまりわざと古典妖怪が怖いと
言い張って、自信を復活させようとしました。
この行動を見て、僕は自分の本心に抗って嘘を
ついて行動できる人間が改めて凄いと感じました。
僕は長期的に見て、ウソを付くのは自分にとっても
本人にとってもマイナスの効果をもたらすと
考えているので、
客観的な事実を更に突きつけて、それを改善する
具体的な方法を提示します。
「嘘も方便」と言うので、この嘘は良い嘘であるのかも
しれませんが、彼らの行動原理が理解出来ませんでした。
人を本当の意味で喜ばすには、痛みを受けて
現実と向き合う時間が必要だと考えます。
人畜無害な1つ目小僧が一番好き
登場した古典妖怪3体(ろくろ首、から傘お化け、1つ目小僧)
の中で一番好感が持てるのは1つ目小僧であると
感じました。
なぜなら、1つ目小僧は良くも悪くも「人畜無害」な
性格だからです。
大辞典の説明を見れば分かるでしょう。
特徴はただ目が「1つ」というだけで、
それ以上でもそれ以下でもありません。
他の古典妖怪は空を自由に飛べたり、首を変幻自在に
動かすことができるなど多様な能力を持っていますが、
そんな他の妖怪を前にしても1つ目小僧は自分の能力を
ネガティブに捉えるのではなく気ままに生きています。
心理学で言う「アンダードッグ効果」(能力が劣っていても
頑張っている人を応援したくなる人の心理)が
影響しているのでしょうが、
僕は1つ目小僧が好きです。
シゾイドパーソナリティ障害的な性格傾向であるのも
共感して愛着が湧きます。
盛ってでも自己主張しないと生きられない古典妖怪
最後は現代特有の「盛り文化」と「自己主張」を
しなければ自尊心を保てない人々の傾向が古典妖怪にも
見られたということ。
古典妖怪たちは最後の「古典妖怪ってすごいの?」の話で
お互いの自慢話をしていました。
段々話が盛られていって、現実的でない話までを
持ち出すようになるのです。
例えばから傘お化けはバレンタインでチョコを
トラック100台分来た、など。
自分を偽ってでも厚かましく自己主張しないと
健全な自尊心を保つことが出来ず、
どんどん承認欲求モンスターになっていく
古典妖怪の姿を見て僕は滑稽だと思いました。
昔の文化に拘るのに、現代の心の病理には
取り憑かれるという矛盾した所が特に
面白いです。
やっぱり人は変わりません。
総括
今回はアニメ妖怪ウォッチの古典妖怪に関連する3つの
お話を見て考えたことを書いてみました。
視聴中、本当にこんな話から人に公表できるマトモな
気付きが得られるのか?と心配で仕方無かったですが、
無事、独自の読み取りをすることが
出来て良かったです。
気付きを得る鍵は映像やストーリーに沿って受動的に
見るのではなく、
キャラの行動や発言に懐疑的になって視聴する
ことだと感じました。
ここまで記事を読んでくれて
ありがとうございます!
アニメ見たい人用
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