精神障害者が妖怪ウォッチバスターズの「ゲーム性」を抽象化。
自分が400時間以上プレイして熱中した
3DSソフト「妖怪ウォッチバスターズ」。
早いもの、来年でもう10周年です。
このゲームのどんな要素を「面白い」と感じていたのか
自分なりに分析してみたいと思ったので好奇心に従って
記事を制作してみます!
(要素は自分が主観的に「面白い」と感じたものだけを
ピックアップしています。ゲームは複雑な要素が絡み合って
構成されていて全て取り扱うとキリがないので自己分析も兼ねて
あえて独り善がりな内容としました。)
妖怪ウォッチに関心がない人もある程度理解しやすいような
形に落とし込んだので、良ければ5秒だけでも覗き見して下さい!
…5秒以上見て頂けたら滅茶苦茶嬉しいです。
(個人的に愛する)妖怪ウォッチバスターズのゲーム性5選!
要素1.成長
1つ目は「成長」。
端的にまとめ過ぎて分かりにくいかもしれませんが
字面通りの意味で解釈してもらって大丈夫です。
妖怪ウォッチバスターズにおいては
「子供向けモ〇スターハ〇ター」的なゲームデザインに
仕上がっていることもあり、成長するのに必要な
適度な高さの壁が順次設置されています。
例えば、妖怪ウォッチバスターズで
一番最初に討伐するボスは誰でしょう?
答えは銭湯が大好きな豚の妖怪、
「のぼせトンマン」です。
ハッキリ言って彼との戦闘は初心者向き。
動きが全体的に鈍くて、戦闘を有利に進めるギミックも
理解しやすくバスターズの戦闘の基本(ヒットアンドアウェイ)
を体感しやすい仕組みになっていると思います。
成長を実感するには「段階を踏むこと」が重要。
有り得ない話ですが、のぼせトンマンとの戦闘を
スキップしていきなり最強クラスのボス「ブシ王」に
挑むのは無茶な話です。
何度も何度もトライアンドエラーを繰り返して立ち向かえば
勝てないことは無いかもしれませんが、大体は何度も表示される
「敗北」の文字に影響されて、ゲームをやーめた
してしまうのがオチでしょう。
そういう意味でバスターズは個々のプレイヤーが
自分の成長段階に合わせてレベルを選択して遊べる
親切設計になっていると思います。(心折設計もあるけど…)
ビッグボスモードでの「ノーマル」「超」「極」の
難易度選択システムは、その後の妖怪ウォッチシリーズでも
採用されている画期的なシステムです。
ボスの動きに慣れない、ボスの動きをまずは観察して
行動パターンを把握したいという人はノーマルを選択。
少しコツが掴めてきたかも?ボスから装備素材が欲しい!
などと思ったら超モードを選択。
「極玉」を消費してでも強いボスと戦って己の限界を知りたい、
強力な装備を手に入れるための素材や、限定妖怪が欲しいという
人は極モードを選択。
少し話が逸れますが、極を超えた「成長」を実感できる要素で
いうと「チャレンジミッション」「真チャレンジミッション」
なども存在します。
このように妖怪ウォッチバスターズはプレイヤーにある程度の
裁量権を与えて成長の可能性を広げていると言えます。
プロゲーマーの梅原大吾さんも
「ゲームに飽きたんじゃない、成長しないことに飽きたんです」
と仰っている通り、
ゲームに限らず、人生全体において「成長」というのは
私達が前に進んでいくための強い原動力となる要素
なのでしょう。
要素2.ガラス張りの繋がり
2つ目は「ガラス張りの繋がり」。
これは自分が勝手に作った造語なので、
イマイチ想像しにくい部分もあるでしょう。
言い換えると、
「目の前に相手はいないし、窓を閉めたらすぐバイバイ。
けれども確かに人と繋がってる感覚が得られる」
というイメージです。
人との関わりによって生まれるオキシトシン的幸福
とも関連すると思いますが、承認欲求,自己顕示欲までもが
関わってきそうな要素になります。
この要素は主に「マルチプレイ」で顕著に
発揮されていました。(過去形にせざるを得ないのが悲しい…)
マルチプレイではインターネット接続で世界中の人と
最大4人でパーティーを組んでミッションに赴くことに
なります。
上記のように部屋に入って即キックされるような場合も
ありますが…w
基本的には皆で協力して1つの目的を目指す一体感が
得られるゲームモードです。
全員同じキャラ,同じ装備で軍隊のように行動してみたり…
4人中2人が離脱して二人きりの危機的状況でボスを倒したり…チーターがボスを瞬殺したり…
色んなことがあって、どれも直接的に繋がっているわけでは
無いけどハチャメチャな感じが陰キャ陽キャ関係無しに
遊んでいた小学校時代を思い出させてくれるような気がするのです。
僕が持っているのは底なしのコップであり、一時的に繋がっている
錯覚を覚える見かけ上の幸せでしかありません。
しかし、嘘でも人と繋がっている状態でいたかった
当時の自分は現実世界のやるせなさを埋め合わせる場所として
「マルチプレイ」に救いを求めていたように思います。
要素3.目標設定→目標達成
3つ目は「目標達成→目標達成」。
このプロセスはどうしても一緒に紹介したかったので
一纏めにしました。
言い換えると、ドーパミン的幸福とも
呼べるでしょう。
まず、目標設定には「受動的な目標設定」と
「能動的な目標設定」があります。
受動的な目標達成は誰かから与えられた目標を
自分の為すべきこととして掲げること。
ミッションをクリアする・装備素材を収集する・
レベルを上げる・妖怪を仲間にする など、
ゲームの方で用意しているレールに沿って楽しむ、
王道の遊び方だと言えます。
では「能動的な目標設定」とは何でしょうか?
能動的な目標設定はしばしば他者からは
理解し難い自己満足的な目標のこと。
それをやれ!と誰かから指示されているわけでもなく
ただやりたいからやる、という目標です。
自分で新しい遊び方を生み出す創造的な遊び方だと
言えるでしょう。
例えば、バスターズプレイヤーが考えた
有名な縛りプレイとして「滅殺刀遊び」
というものがあります。
これは味方から助けてもらえなくなり、死んだ瞬間に
昇天する滅殺刀の装備効果を利用した縛りプレイであり
多くのバスターズ配信者がやっていたりもしました。
マイクラでいうと一度死んだらワールドが消えてしまう
「ハードコアモード」のようなイメージです。
能動的な目標設定は遊んでいない身からすると
「何が面白いのかわかんない」となりそうなものですが、
本人の満足感は十二分に満たされます。
もちろん、能動的な目標設定ばかりを優先していると
ゲームが進行しないで停滞したままになってしまうので
両方の目標設定のバランスが重要だと言えるでしょう。
刺激が足りないと思う人は規定のルートに飽きている
証拠なので寄り道をして、子供心を呼び覚ましてみて
ください!
ただし、ドーパミンは効果が逓減しやすい
(摂取しただけ脳が更に欲しがるようになる)という
仕様があるので制限する手段は予め知っておくようにしましょう。
ドーパミンの話は下記の記事でしています↓
要素4.ランダム性
4つ目は「ランダム性」。
この要素は妖怪ウォッチシリーズ伝統の
「ガチャ」で特に発揮される要素です。
ガチャ、楽しいですよね。
何が出るか分からない、あの演出を見ている時間が
一番胸が高鳴ります。
このランダム性も例外なくドーパミン的幸福と
関連性が深く、「行動嗜癖」も影響するでしょう。
ガチャに依存してしまう理由としては、
「部分強化効果」があります。
部分強化効果はたまにしか報酬を得られない時、
その行動がより持続しやすくなるという効果。
妖怪ウォッチバスターズのガチャシステムは
「回数制限」や「当たり確率」といった要素があります。
回数制限は初代妖怪ウォッチの頃は通例3回でしたが、
2からはガチャの使用回数にも「ランダム性」が
関係するようになり部分強化効果が働くようになりました。
極稀にしか訪れませんが、1日に30回ガチャが
引けると分かったときは「今日のガチャ回数」の
UIを見ているだけで幸せな気分になります。
確率は本来、ガチャには潜在的に存在していますが
本作で異彩な香りを放つのは「鬼ガチャ」。
通常ガチャや福ガチャには何の表示もありませんが
鬼ガチャには「鬼玉を注ぎ込んだ分だけ
大当たりの当たる確率がUPする」という驚愕のシステムが
組み込まれているのです。
注ぎ込める限界である10000鬼玉を使用すると
確率は20%になり、5回引けば1回は
大当たりが当たる計算になります。
そりゃ、みんな10000鬼玉入れます。
僕も10000以外を入れてガチャを引いたことは
両手に収まるくらいしかありません。
そして、案の定爆死して鬼玉を一気に失い、
無駄に鬼玉集めに狩り出て時間をもすり減らすのがオチ。
…ADHDの計画性のなさが顕著に表出しています。
そんなプレイヤーの心を誘惑して巧みに操ってきた
鬼ガチャくんですが、依存するメカニズムには
もう一つ心理効果が関係します。
それは「サンクコスト効果(またはコンコルド効果)」。
すでに投資した金額が多いほど、
行為を中断しにくくなるという心理効果です。
この効果に当てはめて考えると、一回鬼玉を10000入れて
ハズレを引くと「よし、当たる確率が上がった!」と思い、
ガチャの使用回数が0になるまで持っている鬼玉を
投資してしまう理由も明らかになります。
このようにランダム性は人間の認知バイアスの欠陥を
突いた心を狂わせる「禁断の果実」的な要素だと
説明出来るでしょう。
一回始めるとそれこそギャンブルの妖怪(しょうブシ?)
に取り憑かれてしまうので、
鬼ガチャを引く場合は「他に鬼玉の使い道は無いか?」と
安全確認をしてから存分に賭け事を楽しむようにした
方が良いです。
要素5.ノルアドレナリン的モチベーション
最後に紹介する5つ目の要素は
「ノルアドレナリン的モチベーション」。
これを端的に言い換えると
「短期集中力」だと言えます。
ノルアドレナリンは人間の脳内物質の1つで
「闘争か逃走か」を瞬発的に嗅ぎ分けて
何かしらの行動を誘発させる力を持つ物質。
例えば、あなたが学校や会社の帰路で突然
「クマ」に遭遇したとします。
(妖怪ウォッチのケータのクラスメイトである『クマ』とは
異なります。動物の方のクマですが、勘違いするかも
しれないので念のため。)
あなたはどんな行動を取るでしょうか?
大方の人は一目散にその場から走って逃げた方が
身のためだ、という判断をするでしょう。
しかしもしあなたの側に子供がいて、
あなたが筋肉質でクマに対抗できる力の持ち主なら…
子供を守るために戦うべきだ、という
判断をするかもしれません。
このように人は緊急事態に陥ると、
どんな行動が最適解かをパッと考える能力を
潜在的に持ち合わせています。
これを妖怪ウォッチバスターズと
関連付けてみましょう。
バスターズのようなアクションゲームは
瞬発力が求められます。
例えばみんな大好き「回避」。
「回避」もノルアドレナリンと繋がりがあります。
あなたが「ロボニャン28号&ロボニャン3000と二体同時戦闘したあと、
覚醒日ノ神を討伐する」ことが求められるバスターズ最難関ミッション
「TOB」を一人でプレイするとしましょう。
このミッションでは一瞬の油断も隙も許されません。
特に最初のロボ系二体同時戦闘では双方の攻撃に
注意を向けて攻撃を避けながら確実に攻撃を続けなければ
いけないです。(←15分以内に倒すという時間制限があるため)
そんな状況下でフル活用するのが「回避」という技。
回避は敵の攻撃が当たるタイミングで適切に
Yボタン(Xボタンに配置してる人もいる)を押すことで
リスクをリターンに変えられます。
タイミングを間違ってボタンを押し損ねたら
そこで試合終了。
でも、回避が成功して「ミス!」の文字が画面上に
表示されれば攻撃のチャンスになります。
一々走って攻撃を避けていたらダメージを
与えられずに「時間」に負けてしまうことに
なりかねないので回避というテクニックを駆使するのです。
(人生でも道草し過ぎて時間の大切さに気付けずに)
終盤になって焦ってる人いそう。
多分、先ほど解説した「滅殺刀遊び」もこの
ノルアドレナリン的モチベーションが関係して
特有の快を生んでいると言えるでしょう。
ノルアドレナリンは短期集中に向いている物質。
長期的にストレスがかかり続けると
働かなくなってしまう性質があります。
そのため、長時間耐久が求められる作業的な活動では
いずれ枯渇してしまいます。
時間をかけて1つの目標を達成する場合は
「ドーパミン的モチベーション」。
時間に追われていて一気に片付けたい場合は
「ノルアドレナリン的モチベーション」。
それぞれ長所短所はあるので、臨機応変に
場面に合わせて2つのモチベーションを
使いこなしてみてください!
何を一番面白いと感じる?その理由は?
最後に、今回提示した5つの要素の中で
自分が何に1番惹かれるのかを考えてみます。
本当に主観的なものですが、お付き合いください、
結論、3番目に紹介した「目標設定→目標達成」
が1番面白いと感じます。
ここではMBTI,ソシオニクスと照らし合わせて
理由を考えてみました。
理由①Seが暗示機能に位置するから(ソシオニクス)
まずは「Seが暗示機能に来るから」という
(ソシオニクス知らない人は意味不明な)理由。
SeはMBTIだと「今にフォーカスする」「五感」「スリル」
などが連想されますが、ソシオニクスにおけるSeは
「目標達成」「意志」「責任感」などと深い繋がりを持ちます。
僕の暫定ソシオタイプはILI(INTp)なのでSeは
超イドブロックの暗示機能(第5機能)に位置。
詳しく説明すると本題から逸脱するので端折りますが、
暗示機能に位置する情報要素は
「自分の世界の見方を変える」という力を持ちます。
(詳しくは丁寧に説明されてるこのサイトを見て欲しい)
塞ぎきった自分の固定観念に新たな風を注ぎ込む
ようなイメージで、その人の人生の視野を広げる
パワーを所持しているのです。
暗示機能にSeが来るということは、僕は必然的に
「受動的な目標設定」に流されやすいという
ことになるでしょう。
しかし、同時に様々な物事を疑ったり行動する際に
意義を見出さないと気が済まないという資質も
蓄えているので無意味な目標を立てて時間を浪費する
ということはさほどありません。
従って、バランスを保った状態でコンフォートゾーンから
出る快感を得られるために「目標設定→目標達成」の
過程を好む傾向にあるのでしょう。
(妖怪ウォッチバスターズを遊んだことがあって
ソシオニクスも知っているという人は
ごく少数だと思われますが、)
同じくINIの人は僕と似通った知見が得られるはずです。
理由②Ni主機能だから(MBTI)
2つの目は僕の暫定MBTIタイプがINTJであり、
「Niが主機能だから」です。
Niも8つの心理機能の中で1番厄介で
「なるほど、わからん」と成りがちな概念ですが
一応説明してみます。
Niは可能性を1つに絞る、
スナイパーライフル的な視点の機能です。
例えばNiを得意とするAさんが朝起きてから
「今日やることリスト」をノートに書くとしましょう。
・数学のワークを進める
・noteで〇〇の記事を制作する
・途中まで読んでいた□□を読破する
など色んなToDoが頭の中に浮かぶでしょう。
そこでAさんは「どれを1番最初にやるべきか」
を考えます。
感情を排除して合理性を突き詰めて、
wantからshouldに置き換えると考えると
分かりやすいでしょう。
Aさんが1番やりたいのは
途中まで読んでいた本の読破。
しかし、冬休みの課題として出されている
数学のワークが最優先事項となっています。
とすると優先順位は
数学のワーク
本の読破
noteの記事制作
となるでしょう。
そしてAさんは2番をやるためにいち早く1番を
始末する方法を考えて、すぐに勉強に取り掛かります。
(↑これはTeも絡む)
…これでNiの感覚が伝わったでしょうか?
要するに、自分が達成したい目標に向かうための
最短距離を考えて目標達成するためだけの行動を
起こす能力に長けているのです。
この感覚から見ると、妖怪ウォッチバスターズで
「目標設定→目標達成」に1番重きを置く理由も
明らかになります。
得意かつ視野を広げられるという一石二鳥な
行為であるために僕はこの要素に魅了されるのでしょう。
総括
今回の記事では妖怪ウォッチバスターズの
ゲーム性を抽象化してそれぞれの詳細を
(脱線しまくりなガバガバ)解説しました。
ある種、自己分析にも繋がる活動になったので
良かったです。
今回抽出した要素を元に、これから自分が行う趣味
の選択にも好きな要素を添加して日々の生活を
楽しみたいと思います。
ここまで記事を読んでくれて
ありがとうございました!