感情たちは味方:『インサイド・ヘッド2』続編を通じて感じたこと
※ネタバレを含みます
ピクサーの2015年公開『インサイド・ヘッド』の続編である今作。前作を観ていなくても、すぐにまた観たくなる映画のひとつになった。
この作品では、主人公ライリーの頭の中の感情が擬人化されている。
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ。
そしてシンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィ。
彼らがライリーの感情をコントロールしている。
一番心にきたのが、終盤のシンパイの台詞だった。
シンパイは、その名の通り、心配性。最悪の将来を想像して何かと先回りして準備をするキャラクターだ。
シンパイの暴走によってライリーは不安で眠れない夜を過ごしたりする。
しかし遂に未来への不安が暴走、シンパイは制御できなくなり、ライリーはパニック症状に陥る。
その場面で涙を流しつぶやく言葉が
「ただライリーを守りたかっただけ」。
その瞬間のハズカシの姿が、とても小さく、健気で、切なくて、愛おしく感じた。
私も数年前、ひどい不安と苛立ちに苦しんでいた。仕事がうまくいかず、自己否定の感情に押しつぶされ、家で泣きながら布団を蹴る日々。そんな時、心理カウンセリングに出会い、自己対話を始めた。
不安や苛立ちを感じるたびに、その原因を探っていくと、感情の裏には昔の失敗や、見てもらえなかった悲しみが隠れていることに気づいた。
これらの感情は、自分を攻撃するためではなく、自分を守るために存在している。
映画のシンパイのように「危ないよ、気をつけて」と一生懸命に伝えてくれているのだ。
ネガティブな感情も、自分を守るために存在している。この理解を得てからは、自然と自分を肯定できるようになった。
不安や苛立ちはなくならないけれど、それは悪いことではない。実際にそう感じるのは難しいかもしれないけれど、その感情たちは、いつも自分のそばにいてくれる。