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絶滅危惧種の鳥🌏無人島滞在記①保護区inニュージーランド|害獣フリー:ティリティリ島♪コカコ、タカへ&プケコに会う🥰

「絶滅危惧種の動植物を集めて保護して増やすための無人島」
日本にも小さい無人島があるだろうから、やろうと思えば出来るプロジェクトなのではないかと思うんです。
でも、強い意思とビジョンがあっての事。

ティリティリ・マタンギ島は、ニュージーランドのオークランドからフェリーで1時間くらいの距離にあります。普通の島ではなく、予約した人だけが訪れることができる厳格な保護地区です。在来種の動植物を守るための島を訪れた体験談です。素晴らしい経験の連続だったので、記事に残すことにしました。

今年の2月に訪れた時は、ちょうど大嵐の後で一部通れない道もあったのですが、今まで見ることが出来なかった絶滅危惧種に次々会うことが出来ました。今回は、この島の滞在記①です。
(毎回、2~3種類の鳥を中心とした動物の紹介、この島について、感じたことなどを書く予定です)


島に上陸後、説明を受けてから散策を始める


★コカコ

ガビチョウの記事でちょっと紹介したコカコにもここで初めて会いました。

何とか撮れた写真!木の上の方にいることが多いコカコ💛

島では小さいグループに分かれて、ツアーガイドによる解説を聞きながら、鳥を探したのも良かった!
自由に回ることもできます。普段はツアーは好きじゃないのですが、この島に関しては例外!
1人の目より、ガイドや鳥好き数名の目の数を合わせた方が見つけやすい。コカコは、ガイドの方も見つけると嬉しそうでしたね。


(引用:YOUTUBE Spporters of Tiritiri Matangi )

現在、コカコはNZ国内で1600つがいが生存しており、増加中だというので大変嬉しい!
肉垂れがくちばしの横にある3種類の鳥のうちの1種です。残念ながら、3つのうちフイア(huia)は絶滅してしまいました。尾羽の美しさから人間が乱獲したのが最後に命取りとなって絶滅してしまったのです。もう一種類の肉垂れのある鳥は、サドルバックという鳥です。(←近いうちに、記事を書きます。)

コカコは、1990年代に北島のフヌア山脈に残っていた21の個体を保護して、ティリティリ島などに遺伝的多様性を高めるように移住させて保護してきました。本当にギリギリのところで絶滅から救い出した鳥です。


エサを与えられて開放されたコカコ、フヌア山脈 引用:Mike Locke DOC NZ

(参考資料:North Island kokako recovery plan 1999-2009)

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★飛べないタカへ&飛べるプケコ


ニュージーランドの鳥と言えば、思い浮かべるのは飛べないキウイですよね。この島にもLittle Spotted Kiwiという種類のキウイがいます。夜行性なので、昼間に見ることは難しいです。私も見られませんでした。

他にも飛べない鳥がニュージーランドにはたくさんいます。
例えば、
タカへ(アイコンにも使用)
カカポ(大型の夜行性のオウムで今の時点で247個体のみ生存:この島にはいない。限られた島で厳格な保護下にあり簡単に見られない)
などがいます。

ティリティリ・マタンギ島では、自由に歩き回るタカへも見ることができました。

島の中を自由に歩き回るタカへにも遭遇!ゆっくり歩いていた!


ほとんどが二次林とは思えぬ美しさです


この島国は哺乳類が進化して生まれる前に、大陸からちぎれたので、長く哺乳類のいない島でした。一部の鳥は、飛ばず、地面で卵を産んで育てるように進化したのです。

その後、人間が来ただけでなく、人間がネズミ、猫、ポッサム、イタチ、オコジョなどを持ち込んだことで、飛べない鳥を中心に数が激減してしまった……というのは、多くの人に知られています。


ジーランディアは南極と分離し、さらにオーストラリア大陸と分裂して、海面下に没した
(引用:ウィキペディア)



コカコは飛べるが、飛翔力は低め。枝から枝へと飛び移るような飛び方をします。飛べるけれど、それほど飛べない鳥というのも多いんです。当然、持ち込まれた哺乳類にやられがちです。

もしくは、地面を歩いていることが多いが、危険を察知すると数メートルだけ飛ぶといった程度の飛び方の鳥がいます。例えば、私のアイコンに使っているタカへはまったく飛べませんが、よく似た色合いのプケコは飛べるんです。しかし、たくさんは飛べません。


タカへ(撮影はダニーデンのオロコヌイサンクチュアリ)絶滅したと思われてた幻の鳥!
重い体を支える太い足で歩き回る。まったく飛べない!
Tiritiri島のプケコ:タカへより痩せて見え、足が長い。少し飛べる。
左がプケコ、右がタカへ
(引用:New Zealand Birds Online)

実は、この2種類の鳥は、先祖が同じなんです。
ニュージーランドに来た時期が違うことで、進化の仕方が変わったとされています。これを聞いた時、「へえ!」というボタンをバチバチ押したかった(笑)

👉タカへは、何千年も前にニュージーランドにいて、その頃、タカへの敵は、上空の大きいハースト鷲だったそうです。そういう環境で、地上で植物の陰に溶け込んで身を隠すように進化しました。体は重く、平均2.7㎏もあり、地上を歩く鳥となったのです。そして、1羽か2羽しかヒナを育てません。

👉一方、プケコはもっと後にニュージーランドに着いただろうとされます。議論が続いているようですが、1000年以内と考えられており、軽くて速く動ける上に、夏に4~6羽のヒナを育てます。必要に迫られたら数メートルは飛べます。普段は歩いたり走ったりして移動します。到着したタイミングにより、人間や人間が持ち込んだネズミやイタチ等の哺乳類から逃れられるように進化できたようです。その為、国内各地でよく見られる鳥となっています。

この到着時期の違いにより、タカへは激減し、1898年に絶滅したとされました。しかし、フィヨルドランドの山奥で生き延びていることが1948年に確認されたのです。それ以来、害獣を完全に排除した保護区で懸命な保護活動が行われています。今、300羽以上が確認されるまでに増えました。(参考資料:ISLAND CONSERVATION)

動く様子も比べてみてください。
33秒の短い動画で、私が撮影しました。

本当に数メートル先のところまで来てくれました。この撮影時もティリティリ島で出会った時も、双眼鏡は特に必要ない距離で見られたこと、柵越しなどでなく自由な空間にいられたことが本当に嬉しかったです!


プケコは動画を取ってこなかったので、こちらの映像をどうぞ。
(引用: youtube "Pukeko" Nick Moore)

★島を訪れて思うこと



ガビチョウの話でも書きましたが、ニュージーランドでやっているような懸命な保護活動でやっとこの程度のスピードでしか増えられない動物もいるのです。
自然淘汰ではなく、人間の利己的な行動で絶滅していく動植物を、傍観していたくありません(あくまでも、私には受け入れがたいとういことです)


「日本も動物園などで増やしているのではなく、保護区を島に作るなどしてやってみましょうよ!」と提案したい。
このままでは、生物の多様性はどんどん失われていくだろうと暗澹とした気持ちになります。日本で、一般の人に外来種をコントロールするという教育が、全然行き届いていないのも感じます。

このティリティリ・マタンギ島も、最初からサンクチュアリであったわけではありません。1800年代に牛やヒツジの飼育のために原生林のほとんどが切り倒されていました。幸い、4つの渓谷は耕作できなかったので、原生林が残りました。そこを在来種の植物を植え時間をかけて育ててから、在来種の鳥や爬虫類や虫を保護するために使っているのです。一度、農場としてしまった土壌は、在来種を育てるのに向かないそうです。だから、専門家が順番を考えて木を植え再生させたと聞きました。

まだ、その再生途中です。だから、コカコが見やすかった!コカコは高い木の上の方にいることが多いのです。この島の木々は、まだそれほどの樹高に達していないので、見える高さにコカコがいたのです!

この島は、オークランド大学の科学者たちの主張で、閉じた保護区にならなかったと聞きます。若い世代が、地域社会の保存活動を観察できるようにするアプローチを提唱したんだそうです。そのお陰で、私も訪れることが可能だったのです。

1984年から1994年にかけて、ボランティア達が最も丈夫な種類のポフツカワという木から植え始め、28万本の在来種の木や低木に植え替えました。現在、島の60%は再生中の森林に覆われています。島の北の方は、海鳥を呼び込むための多くのプロジェクトが進行中だそうです。
(参考資料:Tiritiri Magangi ecosanctuary)

すごくないですか?

ボランティア達のたゆまぬ努力のおかげで、この島は独特の幸せな活気で満たされているんです。巨木が残る古い良い神社で感じるような空気感です。今でも、島に思いを馳せると鳥たちの声が広がる幸せな空気が思い出されます。
この島に、再び害獣や外来種の種が持ち込まれないように、島に渡るフェリーや船にはとても気を付けていました。フェリーに乗り込む前に、全員が靴の裏に洗剤をかけてブラシでよく洗うよう指示されます。(フェリー乗り場に洗い場が用意されている)
私が行った時には、ニュージーランド人の小学生達が先生に連れられ同じフェリーに乗って、デッキに上がったり下りたりの楽しそうな様子が見られました。なんて、ラッキーな小学生達なんでしょう。環境問題の教育は、こうやって目でみて肌で感じることがベースになると思います。そうやって大人になった人達が中心にプロジェクトが生まれ、続行し、進化している!ボランティアとして働く人も大勢いる!
そういうニュージーランドという国を尊敬します。

こういうことが、経済大国ではないニュージーランドでも出来るのです。
政府の方針次第ということ。日本も、少しずつでも人々の意識が変わり、政府の方針が転換されるために、私にできることを日々粛々とやります。

読んでいただき、ありがとうございます!
滞在記②では、お気に入りの鳥をまた紹介いたします!

【追記】
無人島滞在記は、わたしがサインペンと色鉛筆で手描きした鳥の絵をアイキャッチ画像に取り入れることにしました。下手の横好きとはこのこと!少しずつ上手く描けるように楽しんで毎回描いてます~
あたたかい目で見て下さるとありがたいです!

鳥見はつみょん💛

滞在記の続編と行き方の記事はコチラ⤵

★行き方はコチラの記事を参考に⤵⤵⤵🥰


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