【短編小説 丘の上に吹く風】あとがきにかえて
『倒木』
苔生すその身を
静かに横たえ
気づかれることもなく
気づいてもらおうともせず
どう朽ちようか
どう還ろうかと考えることもなく
終わりを知りながら
終わりがないことも知っている
強い意思を持ちながら
ただ全てを明け渡す
立ち止まり
森の息吹きに耳澄ます
ギュイとどこかでオナガが鳴いて
木々の間に青く長い尾を探し
見上げた先の眩しさに
不意を突かれて目を細む
ああなんだ
木洩れ日は降り注いでいた
片目の潰れたハクビシンに
足を引きずるヤモリに
我が身にも
一歩踏み出す
枯葉がかさりと音をたてる
もう一歩踏み出す
土がふかりと押し返す
ああなんだ
そこに痛みはない
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サンスクリット語 一日一語: 82.アーナンダ(आनन्दः [ānandaḥ]) 幸福、あらゆる制限から自由であること (sanskrit-vocabulary.blogspot.com)
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Anandakanda, Ānandakanda: 6 definitions (wisdomlib.org)
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The Ananda Kanda - Yoga Techniques - Dahn Yoga
Importance of Ananda kanda in the history of Indian alchemy - PubMed (nih.gov)
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