【短編小説 ルチアーノ -白い尾のオナガ- 7】Kingfishers カワセミ
7 Kingfishers カワセミ
耳元でちょろちょろと流れる水の音で目が覚めた。
小川の畔の柔らかい砂がルチアーノを守ってくれた。
「大丈夫?」
誰かに話しかけられ、霞む目を凝らすと、小さな青い鳥に覗き込まれていた。ルチアーノは軋む翼をたたみ、体を起こした。
「僕、そうか、くたびれて、空から落っこちたんだ。君は?」
「僕はカワセミのサンティノ。朝食の小魚を獲りにきたら、君が倒れていたんだ」
「僕はルチアーノ。僕なら大丈夫だよ。体は痛むけど、まだ飛べるよ」
「よかった。も