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おじさん交換日記 グルメ風雲録編 その1

【オトウバシ・タツキ】
蓋紛争勃発!? 「別になくてもいいんじゃないすか?」 


ハラダさん、この間は久しぶりにお会いできて楽しかったです。
話の途中で席を立ってしまってすみませんでした。
どうにか、名古屋行きの最終の新幹線に間に合いました。

そうそう、天丼の話でしたね。
至高の天丼を出すとハラダさんが言う日本橋のはずれのお店、僕も連れて行ってもらったことありますよ。
あんまりにもおいしくって、その後、ひとりでも何度か行きました。
人気でいつも人が並んでいるし、時間をはずして行ってみるともう閉まっているしで、3回に2回はフラれたけれど、あまっからいタレにしっかりと浸してビタッとしているのに、全然ベトつかない衣の天丼は、思い出すと矢も盾もたまらず、食べたくなるんですよ。

一緒に仕事するようになってもう20年くらい。
毎回、楽しみにしているのは、一緒に食べるご飯です。
店選ぶの、うまいからね、ハラダさんは。
こちらが予想もしなかったところでうまいもんにありつけると、ものすごく嬉しくなるわけですよ。
日本橋(というか人形町ですね)の天丼はまさにその最たるものでした。

うまい天丼は必ずふたをして供されるべきである、でしたよね。
で、名古屋にあそこクラスのところがあるか、と。
相変わらずメンドくさいですね。パイセンは。

ありますよ。

年老いた両親が暮らす名古屋にきてもう半年。
クルマであちこち行けるのが楽しいらしくて、彼らがリストアップした「行ってみたい食堂」に、月に1~2回連れて行くんですよ。
車道っていう駅そばの筒井町商店街にある手打ちうどんの店。
お昼時の時間を少しずらして行ったけど、人が並んでいて。
諦めようかなと思ったら、どんどん呼ばれてすぐに順番が来ました。
注文してすぐにわかった。提供が早いんですよ。
ころきしめん(今度紹介しますね)と一緒に頼んだ天丼が、まさにビタッとしながらベトつかない衣でした。

おしゃれだねーって、店のお姉さんに言われた母親はめちゃくちゃいい店だって喜んでたけど、僕もそう感じました。
客層がいいっていうのかな。
地元の高齢者の方々や子どもづれのお母さん、そしてひとり&集団のサラリーマン。
いろんな人がやってきて、店の人と軽口を言い合いながら、元気よく食べていく。
明治創業って話だけど、ずーっとこんな感じで、誰でも気軽に入れる店だったんだろうなって。
ハラダさんが名古屋きたら連れていきたいと思うけど。
でも、パイセンのおっしゃる「ふた」?
あれがないんですよ。
僕はそれで、ぜんっぜんかまわないんだけどね。

名古屋で会うときは、ハラダさんの厳しい基準に合致する店にお連れしないとですね。
では。

オトウバシ・タツキ

ころきしめんって要するに冷やしきしめんのことです

*登場したお店

https://maps.app.goo.gl/EEFuJvM7N8Mc2h2P7

https://maps.app.goo.gl/CnBHbNFGPDTcB6QD6


この連載は、いい年こいたおじさんたちが、うまいもんについてやり取りするだけのおはなしです。
登場人物:
オトウバシ・タツキ 名古屋在住。おじさん。売れないもの書き。
ハラダ・アキヒロ 東京在住。おじさん。売れないカメラマン。
サカイ・ヒカリ(ゲスト参加) 関西在住。一児の母。元雑誌編集者。

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