おじさん交換日記 グルメ風雲録編 その10
【オトウバシ・タツキ】
名古屋のカレーうどんは、複雑な味わいを麺がひとつにまとめているんです
前回、子どもの頃の思い出を書いてたら、醤油味のたこ焼きをどうしても食べたくなって、書いてる途中で生まれ育った地域までクルマを走らせました。
30分くらいで行けるからたいした距離でもないけど、なかなか行くこともないから懐かしかったし、たこ焼きも記憶と同じ味で、美味しかった。
あの頃と同じで次々に人が買いに来ていたのもよかったなあ。
で、せっかく来たんだからってことで、通っていた中学校の横を通り抜けて黒川という繁華街まで行って、カレーうどんを食べてきました。
名古屋はカレーうどんが名物だとされているんだけど、その元祖と呼ばれているお店。
グルメ雑誌の記事を見ると、僕が生まれてちょっとしてから創業されたみたいだけど、子どもの頃は存在すら知らなかった。
黒川は、当時の住まいから近かったんだけど学区が違ったこともあって、身近なエリアじゃなかったからだと思う。
子どもの行動範囲って、大きくなって振り返ると、ごく狭いものですよね。
ここに初めて行ったのは、大人になってから。
まだ小学生だった息子を連れて行ったんだけど、カレーのスパイスも、出汁も効いているスープは、とろみも相まって濃厚。
それをまろやかにして、まとまりのある味にしているのが、太くて腰のある麺。
うまいうまいって息子と一気に平らげた思い出があったんだけど、ここんちも10年近い前の記憶に違わず、美味しかった。
複雑な味わいのスープは、どうもブイヨン的な出汁と、鰹節の出汁を組み合わせているみたい。あと白醤油も使っているって。
魚介の味がしっかりしているんだけど、純然たる和風でもない。
具、そしてやっぱり麺。
それらが全部一緒になって生まれる、絶妙の組み合わせなんだよね。
お店はカウンターのみで、そこに老若男女いろんな人たちが並んでつるつる食べていく。常連らしき人たちがお店の人と気軽に挨拶を交わしているけど、長居するわけでもないし、適度な距離感があるから、初見の客も居心地いい。
そんなお店でいただくと、やっぱり味わいが増すような気がする。
ごちそうさまと挨拶して店を出て、思わず、美味しかったなあって、声に出たよ。
そう心から感じるひとときって、ほんと、尊いなあ、と。
名古屋に来てもばたばたの日々だけど、幾分かでも心に余裕のある時に、また来たいな、と思いました。
そういえばさ、友人に「粉もんばっかり紹介してる」って笑われたんだけど、名古屋、麺料理全般がほんとに美味しいんですよ。だから、もうちょっと紹介しようかなって。いいですよね?
オトウバシ・タツキ
追伸:ヒカリさん、しば漬け美味しいよね。
僕も大好き。
ご飯のお供で好きなものは他にもたくさんあるけど、関西だと大阪の老舗の昆布の炊いたんがお気に入りかも。
少し前に別の友人に教えてもらったんだよ。
店舗に行けば限定品もありますって言われたけど、結局、定番品を購入して。
ちゃんと濃い味付けだけど、上品な味わいで飽きがこない。
よかったら試してみて。
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