「チェアリング」を知る【2021/11/07】
最近、「チェアリング」なる言葉を知った。最初、耳にしたとき、何かの応援団かと思った。それはチアリングか。どうもカタカナに弱い。
さて、「チェアリング」とは、「お気に入りの椅子を持って外に出掛け、公園や川べりなどお気に入りの場所で軽く一杯を楽しんだり、くつろいだりすること」らしい。キャンプよりも更に手軽なアウトドアとして、静かなブームになっているそうだ。
どうも、これもカタカナ英語のようだ。英語でChairは[動詞]でも使われるが、「権威ある地位に座らせる」「議長を務める」と言った意味合いだからである。
「チェアリング」とは、与謝蕪村の句「春の海 ひねもすのたり のたりかな」の心と同じ。
その本質は、受け身でぼんやりしていることであり、そこに積極的な姿勢は見られない。それでも「Chair」に現在進行形を示す「ーing」を付けることで、能動的なイメージをつくりだすことに成功している。
「近くの公園でぼぅっ~として来ようと思って」と言うよりも、「近くの公園でチェアリングして来るよ」の方が、スケジュールをコントロールしているデキる人という感じがしないだろうか?
ウォーキングも同じようなものかもしれない。江戸時代の熊さんハッつぁんなら、「ちょいとそこらへん、ぶらっとしてくるわ」と言うところを、「自宅のまわりを30分間、ウォーキングしてくる」と言い換えたら、何か朝活にいそしむ人に思えてこないだろうか?
私は、チェアリングという言葉、あまり使いたくないな。ぼぉ~っとする時間に、意味を持たせたくない。目的意識もなく、クラゲのようにただ漂っていたいから。そういう私は、根っからのぐうたらなのかもしれない。