2021/08/17 「望月」の女性たち
仕事も、家庭も、子どもも、夫も、すべてを手に入れている女性たちは、パッと見、何一つ欠けるものがない「望月」ように見える。それぞれ事情を抱えているとは思うけれど。
人にはその人だけの人生のストーリーがある。私は自分なりに精一杯生きてきたつもりだから、彼女たちと自分を比べることはしたくない。そのことを前置きにして、「望月」の彼女たちの共通点は、いい意味でのしたたかさを持っていることではないかと、冷静に観察をしていて思う。
彼女たちの多くは、ワーキングマザーとしての権利を主張し、最大限、制度を使う。そして、一度得た「働きやすい部署」という既得権益は、子どもがある程度、大きくなっても手放さない人が多い。カバーする立場からすれば、モヤモヤを感じる時もあるけれど、制度化されている権利を行使することに異論はない。まだまだ男性優位の会社で生き抜くには、ある程度のしたたかさが必要だと思うし。
私はその部分が決定的に欠けていたのかもしれない。好きな仕事ばかりして、プライベートの部分はおろそかにしてきた。その点に関して、かすかな痛みを感じる時もあるけれど、悔いてはいない。私のストーリーだから。