【連載:はたらくひとのウェルビーイング】<4>朝ヨガで「フロー」状態になる
さわやかに季節になると早起きしてからだを動かしたくなりますね。はたよがのひるよがプラスでは火曜と木曜の週2回朝6:30からのレッスンを実施しています。朝起きて運動するとどんないいことがあるのか…身心がスッキリだけではない効果が期待できるようです!ぜひご一読ください。
皆様の明日に役立つ情報になりますように。
はたらくひとのウェルビーイングをヨガで実現したい、という想いで事業を展開する合同会社ひとしずくより、必要な方へ、願いを込めてお届けします。
朝ヨガで「フロー」状態になる
みなさん、仕事や勉強に「没頭したい」と思ったことはありませんか?
目の前のことに、ワクワクしながら没頭して、気付いたら成果が上がっている。
これは、誰でも想像する理想の姿だと思います。
この状態は「フロー(FLOW)状態」と呼ばれ、
チクセントミハイ氏が提唱した、フロー理論で定義されています。
「そのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚で、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような、精神的な状態」チクセントミハイ
このような状態になるには、どうすれば良いのか?
多くの研究者が、研究を重ねてきました。
挑戦がフローを生む
チクセントミハイは、7つの必要条件を挙げています。
目標を明確に持つ
うまくいっていることを知る
挑戦と能力のバランスをとる
目の前のことに集中する(注意の散漫を避ける)
時間や周囲の状況から離れる
活動自体に価値を求める
この中で、挑戦と能力のバランスは特に強調されています。
挑戦レベルが高すぎ、自分の能力では手に負えない仕事に対しては、
不安などの感情が強くなります。
逆に、挑戦レベルが低すぎて、自分の能力では簡単に感じる仕事の場合は、
退屈になってしまいます。
多少挑戦的で、なんとか自分の能力でも対応可能な仕事に取り組むときに、フロー状態が呼び起こされ、没頭して打ち込むことが出来る可能性が上がります。
現状に満足せずに、少し挑戦をしていくことが、フローになるポイントでもあるのです。
フローを生み出す身体の状態。
我々は、心拍や皮膚の血流などを測定しながら、パソコン作業をしてもらい、フロー状態になる条件を探す実験をしています。
この実験で分かってきていることは、作業前の状態がキーポイントであるということです。
フロー状態を感じる人は、作業前の心拍数が落ち着いていて(心拍数が上がっていない)、皮膚の血流が多いことが分かっています。
つまり自律神経の中の副交感神経(リラックスしている状態を作る神経)が優位に活動しているのです。
副交感神経を活性化するための方法として、
軽い運動やストレッチをする
食事をとる
体を温める
などの方法があります。
また、ゆっくりと深い呼吸をすることも、副交感神経を高める効果的な方法です。
もちろん、朝ごはんを食べた上で行ってください。
朝ごはんを食べず、通勤中にニュースやSNSを見て興奮し、時間ギリギリに職場について、ドキドキしながら仕事を開始する。
これでは、フロー状態になる可能性は低いのです。
朝の過ごし方で、その日の勝負は決まっていると言ってもいいでしょう。
仕事前の心身をととのえる。
朝起きて、
しっかり朝ごはんを食べ、
あまり興奮するようなニュースは避けながら、
職場に早めに到着して、
ゆっくり呼吸をしながら、
仕事を開始する。
ここに、作業前の「朝ヨガ」を習慣にするのも良いでしょう。
ヨガは、呼吸を整え、集中力を高める効果もあります。
「フロー」状態を呼びだし、目の前のことに没頭しながら仕事をこなして、気付いたら夕方になり、程よい疲労感を感じる。
みなさんも、仕事前の朝ヨガ習慣で心身を調え、こんな毎日を送ってみましょう。
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2001年産業医科大学医学部卒業。脳神経外科レジデントとして臨床研修をおこなった後、産業医として、旭化成(株)、新日鐵住金(株)等で企業従業員の健康管理業務を行う。2014年よりスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所客員研究員として睡眠とスポーツパフォーマンスの研究などに従事。2018年より産業医科大学医学部准教授。脳内ホルモン(バゾプレッシン、オキシトシン)やストレス反応、睡眠生体リズムの生理機構に関する研究に従事している。
スタンフォード留学中にSearch Inside Yourself(Googleが採用しているマインドフルネスプログラム)やスタンフォード大学CCAREのCompassion Cultivation Trainingなどのコースを修了。また、スタンフォード大学マインドフルネス教室で知られるスティーヴンマーフィー重松先生のワークにも参加。現在は、医療従事者向けのマインドフルネスワークショップなども行っている。