人材育成ハンドブック第1章_1_後編
前回は【人材育成課題と対応策】の中編をご紹介させて頂きました。今日は後編についてご紹介したいと思います。
前回の内容は↓↓↓↓↓こちら↓↓↓↓↓
前回、人材育成のアプローチ方法として
1、一般社員層
2、管理職層
3、経営幹部層
という3つの領域についてご紹介させて頂きましたので、今回はいよいよ
組織能力についてご紹介したいと思います。
人材育成でなぜ組織能力?
こちらは言わずもがなかもしれませんが
『人は一人で働いているわけではない』という前提があります。
どのような人であっても『協力者』なしに事業を進めることはできません。
ここでいう組織とは『自社の社員』だけを指すものではなく、パートナーや外部の協働者など様々な対象を示していますので、完全に一人でやっている、と思っている人がいたとしても、例外ではないと思います。
どれだけ優れた能力をもっていても一人で生み出す価値には限界があります。歴史に名を遺す偉人ですらも、一人でことを成した人はいません。
私が伝えたい人材育成は『個を伸ばす』ことだけが目的なのではなく
『組織として成果を高める』ことを含めた人材育成なのです。
組織が持つ成長の原動力であり、競争優位性の源、即ち組織が持続的な成長を遂げるために欠かせないもの、それが『組織能力』なのです。
組織能力の開発アプローチ
アメリカの経営学者として有名なバーナードは、組織が成立するための3つの要素を提唱しています。
【1】コミュニケーション
【2】貢献意欲
【3】共通の目標
と、時代によってありようは変われど、基本的にこれは普遍的なものだと考えています。
一方で、これまでの日本では『成果主義』が組織システムや文化が不健全な状態で導入されました。
結果、組織への貢献意欲が低下し、個人主義が蔓延しました。
ウェルビーイングや、ワークライフバランスといった言葉も『本質』的に重要な部分の解釈がおざなりにされたまま取り込まれてしまっていることも大きな問題です。
また、同時に個人の成果を追えば良いという思想は『コミュニケーションの阻害』にも繋がり、さらには『共通の目標』といった点にも大きく悪影響を及ぼしてきました。
つまり、組織が成立するための3要素がどんどん薄れていっているということです。
個人主義が進めば進むほど『人を育成する』という意識が欠如していきます。そして『人と関わる』という行為そのものが消失していきます。
これでは、いくら『人の育成』を行おうとしても、その範囲には限界があります。
大切なのは『組織としての目線を持つ』ことです。
アタリマエのように聞こえるかもしれませんが、重要なポイントなので改めてこちらでご紹介させて頂きました。
組織能力のアプローチのポイントはバーナードの3点でみていくことが基本となりますが、少しだけ掘り下げるとざっくり下記のような内容となります。
▶組織の活性化
▶キャリア目標
目標管理を単なる経営数値の分解目標と捉えてはいけません。
また、評価のための制度としての意味合いだけではありません。
ざっくりこのような視点です。
個の能力育成と組織の能力育成という2つの観点を合わせて認識しておくということがこの章で最もお伝えしたかった内容です。
次回は、【第1章_2人材マネジメントシステムのフレームワーク】についてご紹介していきますので、より具体的な内容にはいっていきたいと思います。
この内容が皆さまの働きがい向上につながることを願っております。
それでは、また次回。
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