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「休耕地だった畑を耕す・後編~未来につなげるために」新規就農への記録・その29
さてさて。
昨日はまめトラという小さな耕運機で、
少しずつ畑を耕していかなきゃ!という話を書きました。
2a、全面土が見れるところまで持っていきたい!
夏の照り付ける暑さと、草の伸びるスピードとの闘いのお話です。
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でもまあ、そこまで大げさな話ではないのですけどね(笑)。
そもそも機械を使うことで、ここまで時間をかけずに済むのです。
でも、まずは最初の一歩は、
これでよかったのだと、今は思っています。
なぜか?
1.畑の、2aという大きさを実際に体感できた。
これは大きいですね。千葉では0.3aでしたので、
果たして2aなんてできるかな…と、ちょっと心配したのですが、
やってみると、なんとかやれそう。
自家消費でこの面積はちょっと大きいのかもしれないけど、
いろいろな種類を実験的に植えてみるには、
余裕のある大きさかもしれない。
そう思えたのです。
実際に始めてみると、案外物足りなかったりして(笑)。
野菜作りのビギナーが、2aという広さを体感できたので、
3aだと1.5倍か、とか、
10a=一反だとこれの5倍か~とか。
自分の中で物差しができたことが大きいです。
2.自分の存在が、売れた(笑)。
なんか、使ってなかった草ぼうぼうのところが、
毎月1回、少しずつ刈られている。
一体どんな奴が畑やろうとしてるんだ?と、
近隣の方々に興味を持ってもらえたこと。
これが一番大きかったかもしれません。
道路からちょっと横道に入ったところなので、
あまり人目につかない場所なんですけど、
後日、町内の寄合で集まったときに、
「何植えてんだ?」とか、
「がんばってんな~」とか、声をかけてもらえて。
…いつ見てたんだろ、という感じですけど(笑)。
まあ、見守ってもらえてた、ということですね。
そして、農地を借りることになったときも、
「それならさ~」と声をかけてくださったり。
汗水流した甲斐がありました。
まあ、多分みなさん、
「なんであの面積、機械使わないんだ?」と
不思議そうに思っていたでしょうね(笑)。
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なんとか8月中に耕運が終わりました。
ちょうど8月中旬に引っ越してきて、
9月1日から地域のこし協力隊の仕事がスタートすることになっていたため、
引っ越しの片付けと、畑の準備と。
なんだか慌ただしかったです。
でも、今年少しでもいいから、畑で野菜を育ててみたかった。
野菜作りは、作付けも収穫も1シーズン1回のみ。
妙高の秋は短い。
最後に畑は、雪で埋まってしまう。
その前に、来年に向け、手応えを感じておきたかったのです。
「耕作放棄地」という呼び方、
自分の中ではしっくりきません。
その畑を好んで放棄したわけではなく、
歳を取ってしまい、でも次の担い手がいない、
やむにやまれず、というケースが多いのではないか。
そもそも、仕事として農業に取り組むことが難しいわけで、
取り組みやすい環境をどう作っていくのか。
田んぼを、畑を、「放棄」しなくていい仕組みを、
国として考えてほしいなあ、と、
ちょっと大きなことを考えたりする今日この頃です。
輸入すればいいや、じゃなく、
自分たちの食べるものは、自分たちの国で作る。
半導体の大規模工場を新規に作れるのだから、
作物を作るための「緑の工場」、田畑を育てよう。
放棄地ではなく、休耕地。
そう、休んでいるだけ。
でも、その時間が長引けば、
今まで先人たちが開拓した田畑は、森に還ってしまいます。
大切に、未来に繋げていきたいですね。