"オーガニックの野菜やフルーツは栄養が豊富"は本当だった!英国研究チームの成果をご紹介
有機食品の品質については、多くの議論があります。
特によくある論点は、
「有機食品は栄養が豊富!」
「いや、残留農薬が少ないだけで味も栄養も変わらない!」
といった、栄養価に関するもの。
この疑問を解決してくれる研究を見つけましたので、ご紹介します。
結論をまとめると、以下の通り。
①有機食品はポリフェノールが豊富
②有機食品は有害物質(カドミウム)が少ない
③有機食品は残留農薬が少ない
それでは、研究の中身を順にみていきましょう。
英国ニューカッスル大学の研究チーム
Marcin Barańskiさんが率いる研究チームは、ニューカッスル大学所属の研究者を中心に構成されています。
ニューカッスル大学は、医学部をルーツに持つイギリスの公立大学。
2023年の世界大学ランキングでは122位、臨床医学研究では英国4位と、とても権威のある教育・研究機関です。
関連する論文1700本以上の中から、信頼性の高いもの343本を選んで統計解析
研究チームが採用したのは、メタ分析という手法です。
メタ分析とは、
つまり、有機食品の栄養に関する過去の研究結果をたくさん集めて統計的に分析を行ったということ。
国や地域、研究者による結果のかたよりが少なく、より一般的な結論を得ることができるのです。
数多くの研究をもとにしているので、高い信頼性があると言えるでしょう。
結果① 有機食品はポリフェノールが多い!
それでは、本題に入りましょう。
まず、有機栽培で作られた野菜や果物などの作物、そしてそれをもとにつくられた有機食品は、抗酸化物質のポリフェノールを多く含むことが分かりました。
ポリフェノールは、動脈硬化の予防や老化防止といった健康に役立つ成分です。
一般のものから有機食品に切り替えると、ポリフェノールの摂取量を20~40%増やすことができるとのこと。
有機栽培によってポリフェノールが増える理由は、化学肥料や農薬を使わないことで作物にストレスがかかるためではないか?と考えられています。
今のところその説の証明まで至っていませんが、いずれにしろ有機食品は一般の食品に比べて栄養が豊富であることが分かりました。
結果② 有機食品は有害物質(カドミウム)が少ない
また、有機食品は有害物質が少ないことも分かりました。
体にとても有害な重金属であるカドミウムの含有量は、有機食品の方が一般の食品に比べて平均で48%低いとのことです。
これは施肥方法や土壌pHの違いによって起こると考えられています。
ただし、この48%の違いが健康にどのように作用するかについて、結論は得られていません。
一般の食品が危険であると主張しているわけではありませんので、ご注意ください。
結果③ 有機食品は残留農薬が少ない!
そして最後に、当然ですが残留農薬の量は有機食品の方が少ないという結果となりました。
有機食品は、一般の食品に比べて、残留農薬が検出されるサンプルの数が1/4に減少するとのことです。
有機栽培でも農薬の使用は一部認められていますので、完全にゼロではありません。
それでも、有機食品を食べることで農薬にさらされるリスクを減らすことができますね。
有機食品を選ぶべきかどうか、事実に基づいて判断しよう
以上、有機食品が栄養豊富であることが分かりました。
ただ、有機食品を食べたからと言ってすぐに健康になる、病気が治る、というわけではありません。
品質や環境への配慮など、いろいろな見方から考えて、みなさんそれぞれが判断してくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではー!