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「GIGAスクール構想」ってご存知ですか?
2019年12月に文部科学省が発表した教育改革案のことです。
GIGAはギガバイトのギガではなく、
Global and Innovation Gateway for All
の略で、「すべての子どもたちにグローバルで革新的な扉を!」という意味がこめられているのだそうです。
具体的には、児童生徒向けに一人一台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、すべての子どもたちに、公正に個別最適化された学びを、全国の学校現場に整備・実現させるものです。

私の勤務する自治体では、2021年4月にすべての小・中学生にiPadが用意されました。

ほんとは、もっと時間をかけてやってきたはずのこのGIGAが、コロナ禍の影響で前倒しされて、突然降ってわいてきたような感がある現場は、もちろんてんやわんや!上に下にの大騒ぎ!でした。

なんだんかんだ(詳しくは別の機会に)で、あれから1年。
校内を見渡してみるとあの大騒ぎはずいぶん落ち着いたなぁ、iPadが学習机の上にあることが日常になってきたなぁと感じています。

そんなときに舞い込んできたのがこのゼミの情報でした。

GIGAスクール構想実践ゼミ 略してGIGAゼミ

全国の学校現場では、このGIGAにどんなふうに向き合ってきたんだろう?
次のステップに向かっていく私たちにどんなことができるんだろう?
こんなことを集まった方々と語り合いたいなぁと、ゼミに参加してみることにしました。

2021年の11月から始まったこのゼミは、19回を重ね、いよいよ次回で最終回を迎えます。(22.3.16現在)

そこで、今回の記事では、私がこのGIGAゼミから得た学びについて書いていきます。

1 オンラインでのつながり 全国の実践を知れた!

オンラインでのつながり 全国の実践を知れた!

集まったのは、全国の小・中・高・大の先生たち20名。
オーガナイザーである二川圭祐さんが、私たちゼミ生を束ね、毎週日曜日の朝7時からの30分間、GIGAについて語り合いました。

どんなふうにGIGAを進めてきたのか。
学級で、学校でどんな取り組みをしているのか。
学級担任だけでなく、管理職の立場でのGIGAとの向き合い方。
特別支援学校でのGIGA。
働き方改革とのつながり。
・・・・etc。

さまざまな地域、さまざまな学校種、さまざまな立場、さまざまな年代。
まさに多様性にあふれたゼミ。そして、利害関係のない人間関係ということもあって、自分の思いや願いを自由に語り合えることのできる安全・安心な場でした。

とある公立小学校の先生のお話を聞いて、衝撃を受けました。
その学級には、GIGAスクールサポーターズという子どもたちの自主組織(係のようなもの?)があって、端末操作のおぼつかない低学年の学級へ出かけ、操作方法を教えにいくというのです。まさに自ら学び、主体的に行動できる子どもたちが育っているんだなぁとたいそう感動したものです。

ここだけの話、ゼミ参加前は、勤務校で進めてきたGIGA実践は、とっても進んでいるだろうと、少々天狗になっていた感がありました。
まさに井の中の蛙。自分の思いもつかなかったような実践が全国にはあるのだと思い知らされた瞬間でした。

今の自分を客観的に見つめる機会を、このゼミから得ることができました。

2 集合知ーみんなの知恵で正解に近づく

集合知ーみんなの知恵で正解に近づく

ただ、このことは、誰かの実践が優れて絶対で、どこかの学校が劣っていてどうしようもないという話ではありません。

人にはそれぞれ個性があり、学校にはそれぞれの実態、環境・状況があり、唯一無二の正解があるわけではありません。

大切なのは、このGIGAゼミには、集合知ーたくさんの人の知性を集めると、より優れた知性が登場するーが存在していたということです。

集合知といえば、Wikipediaや価格.comを思い出します。
分からないことがあれば、辞書よりもまずWikipediaで調べてみたり、何か買い物をするときには、まず価格.comで相場を調べたりするでしょう?
GIGAのことで困ったら、このゼミで相談してみよう!
なぜならGIGAゼミには、どんなお悩みにも応えてくれる仲間と、さまざまな知恵があるからです。

GIGAゼミでは、実践交流・情報交換だけでなく、
・今度珠美さんと「デジタルシティズンシップ」学習会
・今村桃子さんの「ネット・スマホ使いすぎのパターンランゲージ体験ワークショップ」とのコラボ
・前田康弘さんをお招きしての「デジタルの学び」学習会
・デジタル庁発出「教育データ利活用ロードマップ」の読書会
・ベネッセ「ミライシード」の学習会
といった、新しい知見のインストールも随時行われ、集合知としてもどんどんアップロードされていきました。

勤務校や勤務する自治体とのつながりだけでは得られなかった集合知が、このゼミにはありました。

3 アウトプットの大切さを学んだ!

アウトプットの大切さ

GIGAゼミの仲間は、Facebookグループでつながっています。
ゼミが終わったら、毎回、上の写真のようなスレッドが立ち上がり、ゼミ生のコメントが次々と上がってきます。

アウトプットの大切さをここで説くつもりはありませんが、職業柄、学んだことを出力・発信することの価値は身をもって感じています。

ゼミからたくさんの情報や学びを得た後、それをアウトプットする。
そして、その週に行動することを頭にえがき、宣言的な形でアウトプットする。

この繰り返しが4ヶ月間続きました。

毎回、他のゼミ生のコメントを見て感じるのは、同じようにインプットしているはずでも、自分というフィルターを通して出てくるアウトプットは三者三様であるということ。もちろん、そこに共感は生まれるものの、決して比べたり、優劣を感じたりしようのないということ。

このアウトプットは、ゼミの最終月では、さらに強力なものとなりました。
4ヶ月間のゼミでの学びを、ゼミ内発表・オープン講座での発表・レポート発表から選んで卒業発表会を行うというもの。
私は、学んだライティングも活かしたかったので、レポート発表を選び、今このnoteを書いているというわけです。

アウトプットで学びの価値を高めることが、このゼミで習慣化できました。

まとめ

今回は、みんなのオンライン職員室「GIGAスクール構想ゼミ(GIGAゼミ)」に4ヶ月間参加して、自分が得た学びや感じたことをアウトプットしてみました。

忘れてはならないのは、オーガナイザーの二川佳祐さんの存在です。
彼は、東京都練馬区の公立小学校の教員でありながら、さまざまなコミュニティーを立ち上げ、人とのつながりをとても大切にされている方です。

二川さんは、ゼミの開設当初に

「みなさんを勝たせたい」

と熱い想いを語ってくれました。

GIGAスクール構想においての「勝ち」とは何か?
その解釈はゼミ生それぞれに任せられていたのですが、
私にとっての「勝ち」とは、一人一台端末という新しい道具を手にした子どもたちや先生たちが、自分の学びの価値をこれまでよりも飛躍的に高めることだと考えています。

人間は、その長い歴史の中で新たな道具や価値観と出会い、新しい時代を迎えながら進化を続けてきました。
学校という公教育の中で、一斉に新しい道具が導入された2021年という年は、将来振り返ってみたとき、大きな歴史の転換点としてきっと評価されることと思います。

二川さんが私たちゼミ生の良き伴走者として走り続けてくださったおかげで、この4ヶ月間の学びがより充実したものになりました。

そんな大切なGIGAゼミの第2期がスタートするということです。
この場にまだ自分自身を置きたい。そんな思いから、すぐに申し込んでしまいました。

今回の記事を読んでくださった皆さん。ご一緒しませんか?
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追記:GIGA最初の一年にいろいろ取り組んできたことをまとめました。(22.4.15)


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