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どんな世界が見えるのか

 友人から何度か話をいただいていた仕事に今年はタイミングがあったので、ちょいとチャレンジ。

学校には来るけど教室に入るのは辛いという子たちの居場所を作る相談員のお仕事。毎日学校に行きたくない。行ってきてあげる。という我が家の中学生はどんな世界で暮らしているのかみてみたくて感じてみたくて応募してみた。中学校に配属されると思いきや今年度からは小学校もということで、小学校に配属された。話が違うやないかい。でもまあこれもご縁かな。

何から始めていいやらわからないけど、子どもたちの姿を観察。子どもたちも見たことのない私を観察。興味津々で声をかけてくる子、警戒する子、全く興味を示さぬ子と様々。挨拶すると素直に返してくれるし、警戒する子には会釈するとちゃんと会釈してくれる。

週に1回学校の様子を見にくる相談員さんに心配な子を教えてもらうために学校を案内してもらう。心配な子は授業中でも視線があうし、アピールしてくれる子もいる。この相談員さんは何年もこの学校や中学校で勤め退職された元教員で、ここの学校の子達の保護者が教え子だと笑っていらした。

相談員さんは今までの積み重ねがある。さて初めてこの学校にやってきた子どもたちにとって得体のしれぬ存在の私はどうしたらいいのか。得体のしれぬ人間に胸の内は明かさないだろうし、どんどん授業に入ってと言われても入り難い。担任の先生だってやりにくいだろう。

とりあえず校長先生に言われたクラスに入ってみる。5人くらいの子が次々ふらふら立ち歩いている。話して納得すると席に戻り、次の子のところにいくと、また別の子が立ち歩き、次の子へ行くと、さっきの子が立ち歩いている。何度も教室を行ったり来たりする。眼の前の子を追うのにいっぱいいっぱいで他の子は何をしているか今授業はどの段階に来ているのかも全くわからない、まさに目がまわる状態で頭の中が渦をまいている。

人なつっこい子もいれば、おばさんだの変な顔の人は嫌いだの言ってくる子もいるのだけど、けっこう自分から寄ってきたり、声をかけてくれたりする。いろいろ試されてるなあと感じることもいっぱいある。時にこわばった顔でどうにもならぬ怒りを表して友だちに手を出してしまうとこちらまで苦しくなる。上手に自分の気持ちを言葉で伝えられなかったすれ違いや、相手の強い口調で意外なまでのダメージを受ける子もいる。

さてどうしたものか。1つの学年を見ただけでいろいろ考えさせられる。動き回る子たちに気をとられため込んでいる子に気がつかなかったり必要以上に子どもに近づきすぎたり。毎回反省することになる。時にひたすら廊下を歩いてみる。子どもになって学校を感じてみる。さっぱりわからん。

こんな私に何ができるだろう。こんな私はどんな世界が見えるんだろう。

学校嫌いの息子のいるかつて学校嫌いだった私の見る世界。

一緒に少しでも楽しい時間が過ごせたらいいな。苦しい世界は一緒にとびこえることができたらいいな。

もう2ヶ月が過ぎた。子どもたちの幸せを祈りながら楽しい世界になるように地に足つけて進んでいこう。

あなたはあなたであることを。私は私であることを。

大事に日々を重ねよう。






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