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リーダーは「ラインを引く」人のこと。

この記事は、おもに介護リーダーさんに向けて書いています。


イメージとしては、介護施設やデイサービスなどの

割と大人数のスタッフさんを束ねているリーダーさん」に。


管理するスタッフの人数が多ければ多いほど

それぞれが主張する意見が違えば違うほど


一体何が正しいのか、どうすれば「丸く収まるのか」

分からなくなりませんか?


私は過去、分からなくなりましたし

介護のチーム作りについてはずっと悩み続け、考え続けてきて

いま、ある答えを見つけています。


それは

「その現場ごとに、リーダーがラインを引かないとならない」です。


ラインとは「ルール」のことであり「現場の文化をつくる空気感」です。

それは、基本的にリーダーしか作る事が出来ません。


リーダーの温度によっても現場は変わってきます。


ぬるい温度なら、ぬるい現場が出来上がります。

冷淡な温度なら、冷淡な現場が出来上がります。

これはもう、自然現象のごとくです。


個人的な感覚ですが

だいたいのリーダー職は

自分の温度の低さがもたらした「現場のクオリティの低さ」を

スタッフのせいにしている気がします。


キツイ言い方をしてすみません。でも

「まず、リーダーがどこかでラインを引く」ことをすれば

スタッフさん達もそれに応じてリアクションしてくれる事が多いです。


それは「業務のマニュアル」を作って終わりということではありません。

マニュアルよりスタッフさんが見ているのは「リーダーの感情的な部分」。

基本的に、みんな感情で動いています。


事務的なことはマニュアル化出来るかも知れませんが


このリーダーはこう考えている

このリーダーはここに行きたいんだ


そんなふうにスタッフさん達が「実感してくれる」ためには

何度も何度も、温度を熱くしたり冷ましたりしながら

時間をかけて伝えていかないとなりません。


これは個人差があるので、マニュアル化は出来ません。


現場をまとめる「ライン」とは

マニュアルやルール、仕組みであり、その現場の「空気感」であり

それを作る大きな存在が、リーダーです。


決断・決定しないリーダーが多いように思います。

決断・決定できないのは「理念」と「考え」がないからです。

理念と考えがあると、強くなります。

誰とでも、堂々と意見を言えるようになります。

意見を表現する、というのは「闘い」が目的ではなく

意見交換のあと「調和する」のが目的です。

そのための第一歩として、リーダーは何かしらの決断・決定をします。

その決断・判断が間違っているかも知れません。

その恐怖から「何も言わない」リーダーが多いのかも知れません。

でも、大体の事はリカバリーできます。

試行錯誤をするためにはPDCAをまわしていかないといけませんが

リーダーが決断・判断をしないという事は

そのサイクルを自ら止めてしまう愚策です。


業務スピードの違うスタッフさんをまとめるには


私が介護施設の主任だった頃の話です。


スタッフAさんがやってきて

主任、Bさんは仕事遅いから、周りがフォローしないといけません。

 Bさんに、もっと早く仕事終わらせろって指導して下さい

と言いました。


次はスタッフBさんが

主任、Aさんは仕事は早いかも知れないけれど、雑です。

 入居者さんからクレームが来ています。何とかして下さい

と言いました。


そして2人とも最後に「業務マニュアルを作って下さい」と言いました。


もっといえば、どちらも

私のペースに合わせたマニュアルを作って下さい

そう言っていると感じました。


一応、1日の業務マニュアルを作ってはみたものの

結論を言えば、スタッフさん自身のミスが増えました。


なんでだろう、と思ったけど理由は簡単です。


マニュアルを作ったことで、覚えることが増えた

マニュアル通りになんて入居者さんは動かないから終業時間がずれこむ

ということです。


すごく細かいマニュアルを作りましたが

あくまでそれは「スタッフの業務マニュアル」の話。


入居者さんが「いつトイレに行くか」「いつ機嫌が悪くなるか」

なんて、文書に出来ませんよね(;´・ω・)


だんだん、マニュアルと現実のギャップが出来てきて

早々に立ち行かなくなりました。


そうしたら、スタッフさん達はなんて言ったか。


主任、なんでマニュアルなんて作ったんですか!


現場が必要だと言っているから何か月もかけてマニュアルを作り

それが立ち行かなくなると「何で作ったのか」と責められる・・


あの時は、目の前が銀色になりましたね(;’∀’)


これについて悩んでいると、だんだん「そういうことか・・」と

問題がクリアになってきました。


AさんもBさんも

楽になりたかった

自分の仕事を賞賛してもらいたかった」。


自分の仕事に対する承認欲求というのは、私にもあるので理解出来ます。


ただこの場合、それを満たすために「現場全体」を

さらに「入居者様の生活ペース」を変えないといけないぐらいのことです。

こんなバカな話はないと思いました。


でも、けっこうこんな感情レベルから出た発言を

「現場の意見」として、リーダーは考え込んでしまうものです。


ここで、ラインを引かないといけないと思いました。


「業務ペースの違うスタッフさん同士をどうするか」


私は、AさんとBさんおよび担当フロアのスタッフさん達に言いました。


自分が言えるマニュアルはこれです。

 みんな、それぞれのペースで仕事するのはいいですが

 (入居者様のペースに合わせるのは大前提として)

 仕事終わりの時間までに決められた業務を終わらせればOKです。

 それ意外は、その時々に合わせて柔軟にやりましょう。

 申し訳ないけど、それ以上はマニュアルは作りません


こんな風に宣言するのは勇気がいりましたが

不思議なことに、これ以降は「各スタッフの業務スピード」に関する

不満というのは出てきませんでした。


なんだかウソのように、それぞれが柔軟に動き出したんです。


「なんだ・・?」と考えましたが

たぶん

リーダーが、その現場のルール的な線引きをした」から。


分かりやすく示したから、みんなはそれを実行した、という事ではないでしょうか。


多様な価値観をまとめる


この「マニュアル騒動」の時

ヘンな話ですが「日本人は勤勉だな」と感じました。

なんだかんだ言っても、マジメに働きたい・協調性があるんだな、と。


リーダー職の人が「こうしましょう」と言ったからには

それを守らないと何か言われる・・というのもシャクでしょうし(;・∀・)


問題は

リーダーがトップゴールを示さない

なんだかんだと言うけど、はっきりルールを定めない」こと。


まあ、言ってもきかないスタッフさんもいますけど・・

その場合、組織図から伝える必要がありそうだし


指示を聞かないというのは、結局そのスタッフさん自身が評価を下げるので

教えてあげないとかわいそうです(´;ω;`)


スタッフさん達は、色んな価値観やスピードを持っているので

リーダーさんはそれをまとめるのに、日々苦労されていると思います。


その多様な価値観をまとめるのに有効な方法は

その現場におけるラインを決めて、みんなに言う」事。

シンプルですが、時間をかけてやってみるとチームは変わります。


リーダーさんもスタッフさんも
たぶん、マジメに仕事をしていたい人達なんだと思いたいです。

理念なのか、仕事のルールなのか、感情的なことなのか
どこかのボタンを掛け違えているだけかも知れません。

そして、ボタンを掛け違えている事にも気づかないかも知れません。

1つ1つ地道にボタンを正確にはめていく作業をするのが
「チームを作る」事です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^♪

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