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麻雀の市場規模データを更新しました(2020)

この記事は、昨年出版された『レジャー白書2021』に記載された2020年の麻雀関連のデータについて書いています。
以下のブログで、2021年10月6日に公開したのと同じ内容です。

サムネは、アニメの新シリーズが最近はじまった『BLEACH』の読み切り(2021年8月掲載)から取っています。ここに出ている阿近さんは、中国系(?)とはいえ、急に麻雀を使った謎の必殺技を出してきてビックリしました。

『BLEACH』 週刊少年ジャンプ 2021年36・37合併号
三三四四五五八八八一二三六六

「三三四四五五八八八一二三六六」なので、一盃口ですね(マンピンソーの当てはめは適当)。久保先生、そのうち麻雀マンガ描いてくれないかなー。

1.麻雀の市場規模データを更新しました

『レジャー白書 2021』によれば、2020年のデータは以下でした(調査時期は2021年1〜2月)。
雀荘数については、警察庁のホームページから、「令和2年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」を参照しています。

『レジャー白書』における麻雀の統計データでは、近年は、参加人口は500万人、麻雀ゲーム料は500億円がひとつの目安でした。しかし、2020年は、新型コロナウイルスが原因となって、どちらの数字もこの目安を大きく割り込んでいます

麻雀の参加人口/市場規模(2020)
  • 麻雀の参加人口が正式に記載されるようになったのは『レジャー白書 1983』からなので(それ以前に「1979年の麻雀の参加人口は1620万人」という記載あり)、1981年以前に参加人口のピークがあった可能性があります。

  • 2015年の麻雀フェスタさんの記事によると、この数値には、実際には廃業しているが、廃業届を出していないので営業扱いにされている店舗も含まれているため、実際の店舗数は5000~6000軒ではないかということでした。麻雀フェスタさんの記事が書かれた当時から、警察庁発表の雀荘数は2,000軒以上減っているので、実際の店舗も相当数減少していると考えられます。なお、2021年10月5日現在、麻雀王国のカウンターでは掲載雀荘数は3,808軒でした。

以下は、各データの推移を示すグラフです。

麻雀の参加人口の推移(単位:万人)
麻雀ゲーム料の市場規模の推移(単位:億円)
全国の雀荘数の推移(単位:軒)
麻雀の年間平均費用の推移(単位:円)

2.動画鑑賞がレジャーの王座に

2020年は、コロナ禍でレジャー市場全体が72兆円から55兆円へと大きく縮小しました。全レジャーの中で、前年から390万人増加した「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(3,900 万人)が初の参加人口首位になり、2位が読書、3位が音楽鑑賞とインドア志向が強まりました。

各種ゲーム・ギャンブルの参加人口/市場規模
労働時間・支出と各ゆとり感指数

余暇時間と余暇支出

コロナ禍によって、労働時間はさらに減る一方、収入は前年より増しても支出を抑えようとする意識が高まりました。そのため、「時間的なゆとり感指数」も「支出面でのゆとり感指数」も、それぞれケタ違いのプラスとマイナスをたたき出しています。「時間はあるけど、お金はない」というわけで、安価な動画鑑賞に流れるのもうなずける話です。どういう動画が視聴されているのかの内訳は出ていませんが、割を食った麻雀関連の動画も含まれているのかもしれません。

個々のレジャー

巣ごもり需要で、家庭用ゲーム・ソシャゲは好調ながら、ゲームセンターは低迷。コロナ禍初期にバッシングを浴び、過去最大の落ち込みとなったパチンコとは対照的に、すべての公営ギャンブル(中央競馬、地方競馬、競輪、ボートレース、オートレース)の売上げは、電話投票・ネット投票によって前年比11.9%の大幅増となっています。宝くじも、2020年4月に発売された史上初のネット専用くじが好調となり、前年比2.9%増のプラスとなりました。

なお、麻雀に関しては、年間平均活動回数のみ増加しており、この記事の最後で紹介した家庭用全自動卓の売上げ増加とも関連して、コロナ禍で「ハマる人はよりハマる」状態になっていることがうかがえます。

麻雀の年間平均活動回数(回)

3.20代・30代の麻雀人口は大幅減

Mリーグ2021シーズン開幕式
Mリーガーと麻雀人口の年代比率

比較するようなものではありませんが、2021年10月5日現在のMリーガーの各年代人数と2020年の麻雀人口の各年代比率を並べてみました。Mリーガーは若干の若返りが行われましたが、一般の麻雀人口では若年層がごっそり抜け落ちました。

麻雀の年代別参加人口(単位:万人)
男性の年代別参加人口(単位:万人)
女性の年代別参加人口(単位:万人)

60代を除いて全年代で男性の麻雀人口は大きく減る一方で、20代と50代を除く幅広い年代で女性の麻雀人口は増加しました。しかし、女性の方は微増にとどまっているので、全体として麻雀人口は激減しています。特に、20代・30代が大幅に減っているため、50代以上の比率は60%とこれまでで最大になりました。なお、60代以上(60代と70代)の比率は、49.3%とほぼ半数でした。

麻雀の参加者に占める50代以上の比率

これまでは、以前の『レジャー白書』の特集に合わせて、50代以上の比率を出してきましたが、今後は、60代以上に変えようと思います。高齢化が進む中、『レジャー白書』の調査対象にない80代以上の動向も気になるところです。

4.緊急事態宣言は解除されたが

緊急事態宣言は先月で解除され、Mリーグも開幕しましたが、麻雀をめぐる状況が今後回復していくのか先行きは不透明です。最後に、『レジャー白書』のデータからは見えてこない新型コロナの麻雀への好影響を報じた「じわ…じわ… 広がる麻雀 コロナ禍経て人気 イメージの変化も」という先月の朝日新聞デジタルの記事を紹介しておきます。

家庭用の卓 売り上げ好調
 マージャン用具を製造、販売する大洋技研株式会社(和歌山県御坊市)では昨年4月の緊急事態宣言以降、家庭用の全自動マージャン卓がよく売れている。2020年度の販売数は前年比約2割増しとなり、昨年12月には前年同期比2倍以上の約200台を記録した。同社が販売する家庭用全自動卓は税込み約15万円と約25万円の2種類。80万円近くする業務用に比べると、手が届く値段だ。
 担当者は「家庭用は業務用に比べて機能を絞ってコストダウンしたことで、求めやすくなった。さらに外出できなくなったことで室内ゲームとしてマージャンを始める人が増え、売れているのでは」と話す。

(中略)

アプリも人気
 手軽に始められるアプリのマージャンも人気だ。ゲーム大手セガの「NET麻雀 MJモバイル」は2013年にサービスを開始し、昨年9月には1200万ダウンロードを突破した。現在もユーザー数やプレー時間が増加傾向にあり、コロナ禍で在宅の時間が増えたことが要因とみられるという。
 全国141カ所でマージャン講座などを開く一般社団法人ニューロンでは、ここ数年、50代以下の未経験者や子どもの受講者が増えている。さらに東京・大井町校では今年度の新規登録者のうち約3割がアプリの利用経験があると回答するなど、コロナ下でアプリを入り口にマージャンを始めた人も多くいるようだ

(中略)

『健全な趣味』 イメージの変化も
 女子高生を主人公にしたマージャン部のアニメが流行したり、2018年にマージャンのプロリーグ「Mリーグ」が発足したりするなど、『頭脳スポーツ』『健全な趣味』というイメージに変わりつつある状況を、コロナ禍が後押ししたと見る。

朝日新聞デジタル(2021/9/24)

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