「やがてスコールは降りやんで 鳥たちはまた飛んだ」 この一節を識ってから空がどんな色をしていようと自宅のドアをくぐり抜けた瞬間に私は空を見上げる癖がついた。香ばしい煙草の香りとしゃがれた声が恋しくなる十一月。 自分なりに哲学しつつも私は今日もくだらなくて愛おしい時間を生きている。