洗濯物を干すために 針金ハンガーに手を伸ばす 買った時はまっすぐだったのに 使っているうちに曲がって 変に絡み合って 一本取るだけで一苦労 僕の全ての想いの比喩みたいだ 僕の生きていく全ての比喩みたいだ 買った時はまっすぐだった針金ハンガー まっすぐだったんだ
針金ハンガーにかけた 洗濯物が風に飛ばされないように 洗濯バサミを留めた 恋が終わらないように あなたの気持ちを 留めることができていればよかった 恋が続くように 本当に思っていたなら 本当に思っていたなら
そういえば いつかの想いは褪せたな こういえば さまよう心は落ち着くかな そういえば 眠れない夜は終わったな どういえば 区切りになるんだろうかな ただ目の前に誰もいないだけ ただ目の前で君が笑ってないだけ
何も考えず 流されていきたいな 何も構えずに あるがままいきたいな どこも絡まらず ありのままいきたいな 何も我慢せず 何も縛られず いきたいな いきたいな いきたいな
この5分 詩を一つ編むには短いかな それでもとっかかりは作れるかな この5分 ニュース記事一つは読めるかな 話のネタは一つ覚えられるかな この5分 パズル一つぐらいは解けるかな ゲームちょっとぐらいは進むかな この5分 曲一曲は聴けるかな メロディー、歌詞に浸れるかな
ネガティブで生まれた僕が 自分の中に他の誰かを創って 無理してまで前を向いて 後ろ向きに歩いてたまるかって マイナスな記憶にマイナスを掛けて プラスだと思い続けて 誰のためなんだ? 何のためなんだ? 傷だらけになりながらも それでも笑い続けるのは どうしても僕のためさ
生きてくのは 残酷なことっていう認識は どっかにへばりついていて 死にたい 消えたい そんな気持ちはいくらでも持っていた 生きてくなかでの空しさという その感覚は 多分本能的なものなんじゃないか そう思っている中で こうして日々を重ねていくことへの 今の答は何なんだろう
うかんだフレーズ 言葉の意味を調べようと クリックしたら広告で 焦ってると 褪せたフレーズ うかんだフレーズ 言葉の繕い方を考えて 並べたら どこかで聞いたフレーズ うかんだフレーズ noteにメモしようにも 満員電車 沈んだフレーズ 浮かんでは消える泡めいたフレーズ
僕にしか作れない振り幅の中で 言葉を掬い出す 僕でしかありえない毎日の中で 想いを探し出す 何も焦って過ごす必要なんかない そう分かっていても 日が暮れると途方に暮れる どこに向かえばいいのか どんな夜を迎えにいけばいいのか 失ってしまったことを 納得できないままだ
静かにすれ違う かける言葉もなくて 孤独を厭わない その性を厭われて 何故に夢の中を泳がずに 何故に手触りを求めるの どこかに流れ着く 微笑みは浮かばずに ため息ひとつ吐く その訳をなじられて 何故に静かな夜を愛でずに 何故に繋がりばかり求めるの
非通知の着信に心騒ぐ夜は 多分愚かな夜 どれだけ夢見たら 醒めるのか どれだけ期待したら 気が済むのか いつまでも愚かな夜 どこまでも愚かな夜