3台持っているスマホのうち 2台ほぼ同時に壊れたので 持っていたデータが盛大に飛んだ でもさ、修復活動がんばらないよ? むしろ、古い人の連絡先とか 積極的に見失いたいくらいだ 人と会っても楽しいとは思えないし 人脈ほしいともまるで思えないし 死を迎えて誰に惜しまれたい事も無く
人生とは ちいさな笹舟に載せられ ただ河を流されてゆくようなもの まわりの風景をみることはできても 風景に手を加えることはできないし 河の流れにも、笹舟にも 何ひとつ手を出せない 河にも河岸にもあたしは無力 だから何も変える必要はない ただ流されてゆくだけ ただ流されてゆくだけ
シナリオを書いたのは 別のヤツなんだから あたしに求められているのはただ あたしの人生を全うすることだけ 未来を知ろうとする必要はないし 過去を憶えておく必要もない そもそもあたしは誰なのか あたし自身が把握する必要さえなくて ただ日々を全うするだけでよいのだ その日が来るまで
残雪が朝日に溶けてゆくように 生きることに苦しんで苦しんで ひたすら苦しいだけの生涯を送ってきた あたしがついに苦しみから解放されたとき 待っているのはなに? 前向きさ? 輝かしい未来?? 否、病気に抵抗するのをやめて 死を受け容れた終末期の患者の心境 安らぎは死とよく似て
この世で仲良くしてるあなたは きっと実在してると信じています そこがあたしの限界なんだ 人々、という概念を理解できないし 社会を現実だと思えないから 社会的成功に興味を持つのはムリ 時間の経過を現実だと思えないから 何をやっても達成感はない 唯一よかったのは女性の姿に戻れたこと
女体への憧憬は 望郷の念なのだった 特定の女性に憧れることではなく 女なるものが遍く醸すあの雰囲気は この世の外に通じていて すべての子どもは子宮から生まれるのなら 子宮の向こうはこの世の向こう 悪意でできたこの世界を彷徨うあたし、 やがて声なき声に導かれ おかえりなさい✨✨✨
願いを叶えたいのなら それが実現したときの感覚を想像して 実際に感じてみればいいのだ 死を迎えたときの開放感 二度とこんな世界とは 関わらなくていい安心感 二度と起き上がらなくていいしあわせ 目も耳も鼻も口も 二度と稼働させない 地球とかいう悪の被造物は 幻影の向こうへと消えて