「おぉ、ついに……」 顕微鏡を覗き込んだ泉田が、泣き出さんばかりに体を震わせる。 「すぐ実験の準備を!」 血走った眼で指示を出す泉田。 「ひ、被検体は…」 鬼気迫る泉田に恐る恐る訊く部下に向かい、 「私自身だ」 そう言って、老科学者は狂気と歓喜の入り混じった笑みを浮かべた。